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『異』世界の警察 日本  作者: かり助
53/80

48話 始まりの日

もうこの作品も連載開始から1年ですね...こんな作品を1年間読んでいただいてとても嬉しいです。そろそろタイトル回収とラストに向けて話が進んでいきます。

西世界の大国であり、東世界以外の国で最も日本と親密な国 レストニア皇国。現在南世界の大国アルトニア帝国と小競り合いを続けている国であった。


その国の首都にある国防省の小さな部屋の中で国の重鎮を集めた極秘の会議が開かれていた...



「アルトニア帝国領 パーサーミッツ島。アルトニア本国と我が国の海軍根拠地の中間に存在するこの島は現在アルトニア海軍の前線基地になっていて戦略的に非常に重要な拠点です。そこに我が国の海軍の主力艦隊をぶつけ、アルトニア海軍の侵出を拒みます。」


海軍の参謀長が作戦を述べる。周囲の人間はウンウンと頷きそれに同意を示す。


「なるほどわかった。では陸軍の上陸はどうなるのだ?」


一人上等な服を着た男が尋ねる。


「それについては陸軍の私から、陸軍は精鋭の第2、第6師団をパーサーミッツ島の北、50km にあるガットレー諸島 に上陸させて島伝いに南下、戦略物資のガットレー魔石鉱山を占領します。」


それを黙って聞いていた質問者の男は突如立ち上がるとこう言った。


「戦争の始まりだ....。」




それから1週間後




早朝のまだ薄暗い海をを艦隊が進む。装甲を纏った艦体に、連装の重厚な主砲塔に、唯一、小さな灯りが灯る艦橋に、激しい雨が叩きつける。

その艦は地球の前弩級戦艦のような形状をしているが、煙突からは薄く紫がかった煙が上がっている。

艦橋に詰めた男たちは忙しなく動き、マストに上がる旗はパタパタと激しくたなびく。その戦艦15隻ほどで構成される艦隊の後ろには全通甲板をもつ艦・・・空母、ここでは騎竜母艦(竜母)を中心とした艦隊が続く。


「提督、時間です。」


旗艦 グレートレストニア艦長 ワーロンドは、懐中時計を見て、提督のヴァードンに知らせる。

ヴァードンは一度目を瞑ると大きく息を吸ってから、声を出す。


「全騎発艦せよ。騎竜母艦並びにその護衛部隊は元海域に待機。我ら戦艦打撃艦隊はパーサーミッツ島に突撃するッ!!」




艦から艦へ旗流信号で命令が伝達されていく。最初の攻撃まで通信魔法は使えない。だからこのような古臭い方法で連絡を取り合う。


「通信員より艦橋へ、旗流信号確認・・・サクセン・・・カイシ・・・ヘンコウナシ。作戦開始ですッ」


飛行甲板を見渡せる小さな艦橋の上のマストから、メガホンと双眼鏡を持った水兵が声を飛ばす。


「間違いないな?」


「間違いありませんッ」


「了解した。各騎直ちに発艦せよ。」


飛行甲板の前にある大きな魔石が緑色にピカピカと点滅したのを合図に、騎竜は次々と滑走し飛び立って行く。騎竜に乗った騎竜騎士たちは皆、レストニア国旗の掲げられた艦橋に向け敬礼をしている。


竜母から飛び立った騎竜は総勢48騎、艦隊上空で編隊を組むとそのままパーサーミッツ島のアルトニア海軍基地を目指す。



戦争はもうすぐ始まる・・・



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