46話 アメリカ共和国
かなり更新が遅れました。
アメリカ合衆国 現時点、地球上で最も影響力を持つ国と言っていい。
イギリスから独立を勝ち取り、『世界の覇者』となったこの国、アメリカ。
異世界に転移した在日米軍、たまたま日本にいた米国人、及び米国に帰属することを望んだ外国人が異世界にて、興した新生国家『アメリカ共和国』。それについて語るためには少し物語を遡る必要がある。
ビーマイト戦役後
ビーマイト戦役によって得た存在感と影響力を武器に、全世界にむけて本格的な外交を行うことができるようになった日本は、転移後いくつか目星をつけていた無人島の領有を宣言。資源はあまりないものの、新たな開発を行うということで、北海道ほどの大きさの島から、沖縄ぐらいの島まで大小さまざまなな大きさの島を領有した。(もちろん東見道の開発も行う)
そういうことをしている間に問題になってきたのは日本国内で最も大きな外国勢力とも言える米国、在日米軍である。
れっきとした軍事組織である在日米軍はその命令系統の最も上位にある『米国』本体が消えたなかではただの『武装集団』になってしまう。
そこで日米ともに、米国の独立、というより在日米軍の受け皿としての国家の樹立を画策したのである。
「伊佐元さん。本日はどうも。」
エリック米国大使が挨拶をする。
「どうも、大使。」
伊佐元も挨拶を返す。
「戦争の方も終わり、戦勝ムードが漂っていますねぇ。」
大使が言う。
「そうですね。流石におおっぴらにはしてませんが、実際は戦勝セールでもやってるでしょうね。」
これで負けてたらどうなっていたのか?と二人で冗談を交えながら軽く談笑する。
「では、本題の我が国・・・いえ、新しい国家、の樹立についてですが、私としては完全に独立した国家を考えています。」
伊佐元は黙って聞く。
「つまり、ただの書類上の国家ではなく、物理的にも独立した国家を目指すということです。」
「なるほど大使。わかりました。まあそれも予想できていたことです。協力しましょう。」
伊佐元の言葉にエリック大使は立ち上がって頭を下げる。
これから、新国家『アメリカ共和国』が始まった。
アメリカ共和国に帰属するのはアメリカ国籍を持っている者、米国軍人である者、日本国籍を持たない者でアメリカ共和国への帰属を希望する者が『アメリカ共和国人』になる。
領土は日本から南東に行った北海道ほどの島2つと群島複数。結構日本からは離れている。
全くの未開の土地ではあったが、彼らがフロンティア計画と名付けた開拓計画は急ピッチで進められる。
多数の港が作られ、空港が開港し、プレハブ小屋が並んでいた土地にはすぐにマンションが建った。ロシアにあるような洋上原子炉が街に電気を供給し(これに対しては日本はあまりいい顔をしなかった)僅かばかり産出する石油では到底賄えないので、日本から石油を輸入した。
こうして建国から5年が経つ頃には、それなりの都市へと変貌を遂げていた・・・
この世界での『アメリカ共和国』と日本の物語はここから始まる。