5話 魔力研究
魔力の設定楽しい
『・・・・ではニホンは我がビーマイト帝国に勝てるなどと言ったのだな』
『はい、しかしあのエイゾウで見たジエイタイの実力は・・・信じられません。あの作戦も、時期尚早なのでは?最低でもニホンの戦力も考慮した方がよろしいかと。』
『ザッザザ、そうだな上に伝えてみるが、必ずニホンとサーミトは滅ぼす、ビーマイト帝国の為に。』
もちろんこの通話は公安に筒抜けだが、スロペティカ王国は気づいていない・・・
このスロペティカ王国のこともあり日本は『通信魔石』及び『魔力』についての研究を行う為、サーミト王国から魔導士を招き、研究を行うことになった。
「ほぉ、これがニホンか、大きい街じゃの〜。」
白い髭を生やし、帽子を被った、いかにも魔術師と言う感じのミナリティア魔導士とその弟子たちが政府の車に乗せられて街中を走っていた。
「到着しました。長旅ご苦労様です。」
運転手が言う。
「いやいや、ニホンまでの旅は非常に快適で過ごしやすかったぞ。」
ここは東京の国立転移研究所。国立の研究所でこの世界についての研究を行なっている。今までは植物やこの世界の環境について研究を行って来たが、今日からはついに魔力について研究することになった。
「しかし所長、不思議ですねいきなり魔力についての研究予算が降りて。」
若い研究員が所長に尋ねる。
「だよなぁ、何かあったのかなぁ。」
予算が降りた原因はスロペティカ王国のリーク、ビーマイト帝国との緊張にあるのだが、外交上デリケートな所と言うこともありこの研究所の研究員たちにも教えられていない。
「では早速ですが魔力について測定を始めさせていただきます。」
研究所の体育館のような屋内実験場で研究員が言う。
ここの建物の造りは自衛隊の射撃場のように、厚いコンクリートで固められた頑丈な作りとなっている。
「うむ、ではまずは炎の魔力を。」
ミナリティア魔導士が革袋から小さな石を取り出すと手でこすり始めた。そうするとその透明だった石が炎のような色に光始め次の瞬間・・・
ブァァァー
炎がその石から放射される、その炎は火炎放射器のように伸び、炎の長さは10mほどの長さに達していた。
「ありがとうございました。しかし凄いですね。では次の実験に・・・・・・。」
研究開始から一ヶ月後
「ふぅ、やっとまとめ終わった〜。」
研究所で研究結果をまとめ終わった研究員が伸びをしながら言う。この研究でわかったことでは・・・
・様々な魔法は全ての人が使えるが、魔石が必要である。しかし個人差と言うものがあり、ほとんどの人は大した威力は出ない。(例えば炎の魔力では普通の人はライターに毛が生えた程度の炎しか出ない)しかし通信魔力は例外である(通信魔力は通信魔石の純度だけに左右される)
・魔力を使った場合この世界の空気中のみに存在する気体(以下αとする)の密度がその魔力の作用する空間内においては上昇し、その周りでは低下することがわかった。
・通信魔力はαが伝播するもので指定した魔石に振動を伝える。それが音声に変換され通信ができることがわかった。伝播する速度は計測したところ約1万km/sで電波よりも遅い。
・周辺で多数の魔力を使用していればαの密度が極端に低くなり相手の魔力使用を妨害できることがわかった。
・純度の高い魔石は空気中のαを優先的に多く獲得することができる。
・純度の低い魔石であっても特定の水溶液中に入れ、電気を流したところ不純物を分離し純度を高めることができた。
「今回の研究で日本も魔力において優位に立てるかもしれないな。」
そう呟くと研究員は所長に報告をしに行った。
しかし不穏な影は確実に迫りつつあった・・・
結構短いものになってしまったけど
これからもよろしくお願いします