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『異』世界の警察 日本  作者: かり助
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33話 開催!!世界技術博覧会(4) 崩れ始めた秩序

お久しぶりです。もう題名とだんだん関係なくなってきているような・・・

世界技術博覧会は多数の商談を成功させることにもつながった。電器メーカー各社は富裕層に対し製品を売り込むことに成功したし、この世界の文字に対応したOSを搭載したパソコンは各国政府が興味を示した。

多くの国で発電所などのインフラ整備を前向きに考えるようにもなった。(もちろん日本が整備するわけだが)

東世界各国(日本以外の国々)のブースでは確実に日本文化の影響が現れていた。

しかしそんな東世界のブースの中、独自路線を突き通す国々があった(悪いことではないが)北部諸国連合である。


北部諸国連合は地球のEUのように経済的な結びつきやヒト、モノの移動も盛んな国々である。また北部諸国連合共通の軍隊である北部諸国連合軍は加盟国の国軍より上位に位置している。

1度列強の軍勢ビーマイトを押し返したことがあり、非常にプライドが高いことでも有名だ。

そんな世界技術博覧会の中、北部諸国連合ではある異変が起こっていた。



「・・・では協力していただけるのですね。」

「もちろんだ。そのかわりそれなりの物をお願いしますよ。」



「なんか北部諸国連合のブース慌ただしくないか?」

日本パビリオンから見えるその光景は『混乱』をそのまま表したようなものだった。

時折聞こえてくる怒号の中に混じって聞こえてくる言葉は少なくとも世界技術博覧会どころではないと窺わせる言葉が混じっていたが、それに気がつくことは無かった。



時を同じくして北部諸国連合加盟国 クルキトン国 日本大使館

「新見大使。外務省からの連絡はありませんか?」

大使館職員が駐クルキトン国大使の新見に報告する。

「外務省では『対応は検討する』だそうだ。一応大使館を引き払う準備をしておけ。」

現在クルキトン国、いや北部諸国連合加盟国のほぼ(・・)全てで同じ事態が起こっている。

北部諸国連合軍と国軍の武力衝突だ。


北部諸国連合軍と国軍は完全に異なる命令系統を持っている。そもそも仕える場所が違う。

北部諸国連合軍と国軍の役割の違いについて説明しよう。

連合軍は主に『外』つまり連合以外からの外的に対する軍隊のことでそれなりの外征能力も持つ軍隊である。軍の命令系統を辿っていくと、北部諸国連合議会議長、加盟国の元首(国王)の合議会にたどり着く。

ならば国軍はどうか。元首(国王)の私有する軍隊である国軍はそれぞれの国、内部に向けられる軍隊。その役割は大きく分けて二つ。国内の治安維持と反乱防止だ。

一つの国ではあってもその国内には国王が直轄で統治する国有領地以外に、貴族が統治する貴族領地がある。その貴族による反乱の防止のためにあるのだ。(もっとも、他の多くの国では侵略阻止などの任務があるのだが、その任務は先ほども述べたように北部諸国連合軍が担っている。)


これからわかること、北部諸国連合軍による北部諸国連合(・・・・・・)への侵略だ。



日本政府

「邦人はいるのか?」伊佐元が外務省の職員に聞く。

「いません。一週間後に民間の貨物船が入港する予定でしたので、その船会社にはすでに連絡済みです。」

「まあそれなら良かった。で、大使館からの情報は?」

「はい北部諸国連合各国大使館からの情報から推測するに諸国連合軍と各国の軍隊が武力衝突を起こしています。気になるのは武力衝突が起こっていないスパルニスト帝国とハーゲン皇国の2カ国。2カ国は連合の中でも大きな国です。」

外務省職員からの報告で閣僚会議ではある推測が浮かんだ。いや誰でもわかることだろう。

「普通考えるとその2カ国がこれをやったってことになるよなぁ。でもそんな簡単に連合(・・)軍を掌握できるものなのか?」

財務大臣の石井が言う。

「詳しくはわかりませんが連合軍の本拠地はスパルニスト帝国にあります。さらに連合軍の構成もスパルニスト帝国とハーゲン皇国出身の兵士が多くを占めています。ただそれでも全体の5割ほどです。加盟国の全部の国軍を相手だと厳しいと思います。」

「まあ、その通りだが行動を起こす以上、何らかの『自分たちが勝てる』と言う根拠があるのだろう。」



クルキトン国首都 国軍合同参謀本部

「連合軍は第一防衛ラインを突破しつつあります。参謀長、第一防衛ラインの部隊は撤退し第二防衛ラインの部隊と再編成した方がよろしいのでは?」「直ちに撤退させろ。」「プーニ川付近の第二防衛ラインではすでに戦闘が始まっています。戦況は連合軍が優勢、予備兵力の移動を。」「首都防空飛行隊は壊滅。制空権を失いました。」

「海上軍からです。連合軍のものとみられる船団を発見したそうです。交信途絶えています。」「近衛師団は全数招集中ですが、市街戦が始まっているからか思ったほど集まりません。」

そんな中一つの重要な情報が飛び込んでくる。

「ロンメル伯爵家のものと思われる部隊が北部の都市に攻撃をしています。他のいくつかの貴族の兵士も混ざっているとみられます。」


『貴族の裏切り』である。

内部からの攻撃によりクルキトン国や他の加盟国は一週間後には北部諸国連合軍の掌握下に置かれることになった。














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