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『異』世界の警察 日本  作者: かり助
19/80

17話 お茶の間の情報戦(1)

情報戦とはいえませんが・・・。幹部らの名前については気づく人は気づくかと思います。

ビーマイト共和国 首都

ビーマイトは首都の名前は特に決まっておらず普通に「ビーマイト首都」又は「ビーマイト」だけでも通じたりする。これはビーマイトが侵略を繰り返して来た歴史にあり、侵略すると「ここ首都にいいんじゃね」って感じでどんどん首都が変わっていくので、めんどくさくなった時の皇帝が「ビーマイトの首都はビーマイトだ‼︎」と宣言したのが始まりらしい・・・。

とまあそんな首都は今日本に占領されている。美しい石畳の道を高機動車や軽装甲機動車が走り周り、不安定な体制の元で悪くなった治安を維持するのである。


さすがに1ヶ月も立つと住民も慣れてくるのか自衛隊員に話しかけたりする者もチラホラ出てくる。(もっとも子供達はその好奇心で占領後数日後にはお菓子を貰ったりしていたのだが)



ビーマイトのとある水場


「私たちはこんな国と戦争をしていたのかしらねぇ」

「そうですわねぇ奥様。この『ジドウシャ』とか言う物を作れるような国と戦争とは・・・。でも負けたらどうなるかと思っていましたけど、悪くないですわね。」


その頃ビーマイトでは食料などは配給制になっていたのだが、戦前に軍用倉庫に溜め込まれていた分を放出、はっきり言って戦前より食料事情はよくなっていた。


「そういえば隣のラーナさん昨日・・・」


奥様たちの会話は続く・・・



ビーマイトの奥様方や日本のマスコミが激しい情報戦(?)を繰り広げる中、ビーマイトにも情報をかき集める所があった。この世界最大の報道機関『世界情報社』である。

世界情報社はビーマイトを含む5大国全てに支社を置くこの世界では珍しい多国籍企業で世界最大の企業でもある。世界情報社が発行する新聞『情報新聞』は世界各地で多くの読者がいる。ちなみにビーマイトが日本との戦争を始めた事を発表した次の日の新聞では・・・



《ビーマイト帝国、サーミト王国及び新興国ニホンに宣戦を布告》

ビーマイト帝国は昨日サーミト王国及びニホン国に対し宣戦を布告したと発表した。

新興国ニホンについては深くは言及せずどう言う国か現時点で不明であるが、当社の研究員によると今回も勝算はビーマイト帝国にあるとしている。



と、日常的な事としてそこまで大々的には報じていない。しかしビーマイトが降伏した次の日には・・・



《世界に激震 ビーマイト帝国がニホンに敗北》

ビーマイト帝国政府は先日ニホン国に対し降伏したと世界に向け発表した。列強国がそれ以外に敗北するのは実に約300年ぶりの事であり全世界に衝撃が広がっている。

ビーマイト支社によると帝都ではニホン軍とみられる兵士が馬なしで動く荷車のような物に乗って移動しているのが確認できるほか、海岸などでは一部ビーマイト軍の小規模な部隊とニホン軍の激しい戦闘が確認されている。現在帝都はニホンが掌握している状態だが占領中とは思えないほど治安は良い状態が続いている。

当社ではニホンの兵士とおぼしき人物に取材を行なったものの全て拒否され、ニホンについての情報はほとんど得られていない。

ビーマイトの降伏に伴い、西世界、南世界ではビーマイトの通貨ウォルは使用できなくなって来ており、資産家達に混乱が広がっている・・・



と打って変わって大々的に報道した。その世界情報社、ビーマイト支社ではある会議が開かれていた。


「では今から東世界管轄のビーマイト支社の移転についての会議を開きたいと思います。」


皇帝の城と見間違うほどの豪華な会議室で10名ほどの幹部が集まっていた。


「まず世界情報社の今までの慣習から行きますと列強国に支社を置くことが基本です。しかしこの戦争でビーマイト帝国・・・、今は共和国ですね。が降伏しニホンに負けたとなると東世界の大国はニホンと言うことになります。ならばニホンに支社を移すか・・・と言うことですが、私としてはこれに乗っ取りニホンに支社を移すのが妥当かと。」


若手エリートのバンジャンが立ち上がり話す。


「しかしそれは慣習であって絶対的なものではないだろ。まだ断片的な情報しか入ってきてないニホンに支社を移すのは時期尚早ではないのか。」


白髭を蓄えたベテラン幹部のドラムンが反論する。


「そもそも現時点ニホンについての情報はどれほど集まった?まとめてくれないか?」


支社長ハバクックは冷静に聞く。慌てて秘書がパラパラと手にしていた分厚いファイルをめくる。


「えぇ、ニホンについての情報ですがここにまとめてあります。」


配られた書類に目を通す幹部たち。そこに書いてあった情報は・・・


一般

・人口は1億人を超えると言われる

・国の人口は人間の比率が100%

・魔法が使えない?

・サーミト王国で普及し始めた『ジテンシャ』『ジハンキ』はニホンによるもの

軍事

・陸上を馬より早く走る『ジドウシャ』と呼ばれる乗り物に兵士を載せることで非常に高速に兵士を展開できるほか、同じぐらいの速さで走り、巨大な破壊力を持つ大砲(?)を搭載した『センシャ』と呼ばれる兵器を多数保有する

・騎竜以外の強力な航空戦力を保有、(目撃情報によれば空から兵士を展開することが可能?)

・戦列艦は目測で100メートルを超え、攻撃は百発百中?

etc…



「確かにこれじゃ断片的な情報で不確定要素が多すぎるな。」


ハバクックが言い切る。周りの幹部たちもウンウンと小さく頷く。


「だが、我々は世界に情報を届ける世界情報社だ。いずれはニホンに支社を置くことになるだろう。なんとかしてニホンとのパイプを作れ、ニホンは謎が多い国だ。なら我々が解明する。それが使命だろう。」


ハバクックが力強く言うと皆ハッとしたような顔をした後大きく頷くのだった。















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