光
「ダークヒーロー……?」
突然の決めポーズから繰り出された痛いセリフに困惑しながら、俺はそう呟いた。
「そう!私達はダークヒーローよ!憎き悪の軍団を滅ぼすためなら、闇に染まってもいい。ダークヒーロー、いや、アンチヒーローなのかしら」
「まてまて。アンチヒーローってことは、霧のなんたらって奴らはいい奴らってことなのか?」
「ええ、基本的には。人畜無害な慈善集団みたいなもんよあいつら」
「じゃあなんで倒す必要があるんだよ!手を組んで仲良くやっていけばいいんじゃんか!」
「ダメよ」
割と真面目に突っ込んだつもりだったのだが、ユナは冷徹な口調で返してきた。
「あいつらが光になったら、私達が影になってしまうでしょう?」
……は?
「私は現世で影にすらなれず、誰にも興味を持たれずに自殺したの。それが死後の世界ですら影?冗談じゃない!私達はあいつらを殺して日の目を浴びるのよ!!!」
……どういうことだ?
「これが私達の行動指針。生きる意味。闘う理由よ」
「理解……できないな……」
「ダメよ、受け入れなさい」
ユナは手を差し出し、こう言った。
「コルサ、ユーフォリウムへようこそ。
私達と共に、光になりましょう!」