鉄、声音、密室にて。
「コルサ?それが俺の名前なのか?」
「そうよ。あんたはコルサ。私はユナ」
ユナは俺の問に対しだるそうに答えた。いかにも業務的。バイトの高校生か?
「で、俺はこのユーフォなんとかって世界になんで連れてこられたんだ?俺じゃなきゃダメなのか?」
「別にあんたじゃなきゃダメってことは無いけど、あんたが条件にピッタリだったから連れてきただけよ。私にもノルマがあるからね……大変なのよ?」
「いやノルマとか知らねえけど……その条件ってどんな感じなんだ?」
条件ってなんだ?戦闘の才能?カリスマ性?それとも俺のような破滅的思考を持った才能人発掘機関なのか?
「1.凡人であること。2.世の中に不満を持っていること。3.自信過剰であること」
「おい!それじゃまるで俺が世の中に不満を抱き、夜な夜なネットに世の中に対する不満を書き連ね、俺は将来成功すると確信している自信過剰な凡人の痛いヤツみたいじゃねーか!」
昨日までの俺である。
「なんか要らない情報まで入ってるけど……合ってるでしょ?」
合ってる。
「でも何で俺みたいな奴集めてるんだ?どう見ても役立たずじゃないか」
「それでいいのよ。霧のヤツらはどこまでも正しい性善説撒き散らし害悪集団なんだから、私達みたいな凡人が倒すのよ。」
ユナは顔に手を当て、ポーズを取ってこうキメた。
「あいつらは正義のヒーロー、私達はダークヒーロー」
「ごみ捨て場から這い上がるのよ。私達は勝者になるの!」