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異世界突入

「う…あ?」


眼を開くとそこはなんだか見覚えのない場所だった。

木々が茂り、南国のジャングルのような樹海の中の少し開けた場所に、俺は突っ立っていた。


「俺は……あ、転移したんだっけ」


独り言をつぶやく。

まさに夢心地とはこのことか。


「夢…ってことはないよな。からっとしたこの暑さは夢なんかじゃない」


日本とは全く違う気候だ。

蒸し蒸ししてないし、蝉の声なんてこれっぽっちも聞こえない。


「うわっ!?」


周りを見渡している途中に、それは突然現れた。

白井が使っていた、あの半透明な四角い表示が現れたのだ。


ログ

ー転移によるロック解除ー

ーパッシブスキル付与【異世界言語理解】ー

ーエクストラスキル付与【メニュー】ー

ーエクストラスキル付与【最高神の加護】ー

ーアクティブスキル付与【神装宝庫(ガチャ)】ー

ー種族設定 人族ー

ーレベル設定 1ー


「これは…あぁ、白井が言ってた奴だな?」


どういうものなのだろうか?全く見当がつかないので取り敢えず触れてみることにした。

恐る恐るログと書いてある半透明の表示に触れてみると、微かな手応えを感じた。

そして瞬時に表示が変わる。

そこには日本語でこう書いてあった。


メニュー

・ステータス確認

・スキル取得 所持スキルポイント(SP):0


「どういう構造なんだよ…ま、楽しそうな感じになってきたじゃないか」


半透明でありながらも文字が書いてあるソレはなんとも妙なものだったが、いちいちそんなことを気にしていては始まらない、と思い直す。

せっかくの異世界なのだ。

一度死んだ身としては寂しい気持ちもなくはないが、今は現状をより良いものにするために動くと決めた。


「暑い…。こんな時は涼しい宿屋で休みたいなぁ…というか、まずは生活拠点の確立が先…か」


なにせ、暑すぎるのだ。

こんな状況では落ち着いて異世界ライフを満喫できないと感じた。

そのためには、まず自己の強化が最優先だろう。


「自分のステータスって見れるのか…大体予想はつくけど、万が一ってこともある。確認しようかな」


俺は独り言をつぶやきおもむろにステータス確認の表示を押した。

指は確かに画面の上に着地、しっかりとした手ごたえを感じる。

実体を伴った映像のような物…という認識で間違いないのだろう。


ステータス


個人名:カイリ

種族:人族

レベル:1

体力:10

魔力:0

STR:10

DEF:10

TEC:10

SPD:10

INT:0

RES:0

LUK:-


所持SP:0


エクストラスキル

【メニュー】LV-

【最高神の加護】LV-

【天運虚無】LV-

パッシブスキル

【異世界言語理解】LV-

アクティブスキル

【神装宝庫】LV-


「よわっ…!俺マジよわっ!!なんだよ天運虚無って!俺に運がないって言いたいのか!?まぁ、LUK値がないけれども!!」


思わず叫んでしまったが、それはそうだろう。

ちょっと…ほんのちょっと期待していたチートの可能性はますます絶望的になったからだ。

正直この世界での基準がわからないが、魔力が0、INT、RESも0ってことはきっと…いや、絶対にマイナス要素にしかなっていない。


「…だいたいこのSTRってなんだ?」


そうつぶやくとまたしても新しい枠が表示された。

そこには、こう書いてある。


体力 生命値。スタミナ。

魔力 魔力。

STR 筋力効率補正。

DEF 耐久効率補正。

TEC 器用値効率補正。

SPD 敏捷値効率補正。

INT 攻撃魔力効率・攻撃系補助効率

RES 防御魔力効率・防御系補助効率

LUK お前にはない幸運値だ。説明は不要だと思うが、一応項目は設けさせてもらったぞ。by白井


「…白井…なに仕込んでくれてんだよ…ていうか、見てるんじゃないのか?それと説明が適当過ぎてふんわりとしかわからんぞ?これ…。」


俺は頭を抱えたが、こんなことをしていても時間の無駄になるばかりか、よくないモノに襲われる可能性だってあるのだ。

悠長なことをしている場合ではない。

ファンタジー異世界と言うのであれば、魔物だっているだろうし、野生動物だって危険な場合もあるだろう。

なので、早めにことを済ませなければならない。


…そう、ガチャを回すのだ!


せっかく一日一回、無料で回せるのだ。

回しておかない手はないだろう。

だが、大事なことに俺は気付いた。


「スキルって…どうやって発動させるんだ?」


今度は狙い通り、というか思った通りだった。

表示枠が再び更新された。


・スキルの発動方法

頭にスキル名を思い浮かべるだけで発動できます(アクティブスキルのみ)


そして、下の方を見てみると追記と題されこう書いてあった。


お前は本当に馬鹿だな?考えるだけでわかるだろうが? by白井 


「白井~~~~!後でぶん殴ってやる!!」


俺は一人で叫び、地団駄を踏んだ。

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