ゼロスト×ロードバスターズ×仮面英雄伝 闘 ーREAL大戦ーⅠ
「待ちやがれ!」
第二監獄場の前で、面を着けた黒服の男が立ち止まる。
「待ってやったぞ」
「……てめえ何もんだ!」
「失笑だな。面を着けていながら素性を明かす者が居るのか?」
「だったら、その面を取るだけだ!」
「愚かだな」
面の男が第二監獄場に入っていく。
「ムロ!」
カズマが駆けつけてきた。
「奴は?」
「中に入っちまった」
「なんだと!?」
爆発音がする。
「爆発!?」
「何が起きてる!?」
ムロとカズマが戸惑う。
「二人共!」
ミカノもやってきた。
「今の爆発は!?」
「オレが追ってた男が中に入っちまって」
「しょうがないわね」
ミカノはスペアキーを使って入口の鍵を開けた。
「なんで持ってんだ!?」
ムロが訊く。
「所長から許可を得てるわよ」
「所長が……」
「なにボサッとしてんのよ、行くわよ!」
「おう」
ムロたちが中に入っていった。
※ ※ ※
「なんだ……さっきの揺れと音は」
カインの檻の前を監視員が右往左往している。
「おい」
「何だ? 二一九」
「何かあったのか?」
「爆発があったんだ」
「爆発だと?」
「……なんにしても貴様には関係ない」
監視員が通り過ぎた。
「何が起きているんだ」
天井が崩れ落ち、人が降りてきた。
「何者だ」
「どいつも言うことは同じか」
「なんだと?」
「面を着けて素性を話すわけないだろ」
面の男は走り去った。
「奴が犯人か」
※ ※ ※
「止まれ!」
面の男の前にムロたちが現れる。
「しつこいな」
「クラッティス・タワーを爆発したヤツの台詞とは思えねえな」
「あんな物を壊しただけで重罪とはな」
「……あんな物だと!」
「そうだ」
「意地でも面を剥ぎ取ってやらあ!」
ムロが飛び出して手を伸ばす。
「……遅いな」
「!?」
「後ろががら空きだ」
面の男がムロを背中から蹴る。
「ムロ!」
ミカノが呼ぶ。
「てめえ……何をした!?」
「姿を消して、背後から蹴った」
「何者だ!」
ムロが立ち上がり訊く。
「何度も言わせるな」
面の男がミカノとカズマを飛び越えて走り去る。
「飛び越えた!?」
カズマが驚く。
「……!?」
ムロたちを振り切った男の前に人影がある。
「通すわけにはいかないよ!」
「アタイたちは振り切らせないぃぃ」
「邪魔だ、退け」
ムロ達が追い付く。
「セリオにアン!?」
「しつこい奴等だ」
面の男が右手を床につける。
「おりゃ!」
「くっ!」
ムロとセリオが飛び付く。
「くだらない」
面の男がジャンプする。
「浮いてる……だと!?」
「そんなに知りたいなら教えてやる」
面の男が言う。
「どういう風の吹き回しだ!」
ムロが訊く。
「我が名はライズ。もうこの世界に用はない」
「この世界ってどういうことだ!」
「……長居は無用だ」
ライズが光に包まれて消えていった。
「なんだあ!?」
アンが言う。
「何処に消えたんだ!?」
ムロが悔しがる。
「ムロ……」
「どうした? ミカノ」
「指輪が……光ってるのよ」
ミカノの左手の薬指の指輪が赤い光を発している。
「光る指輪?」
カズマが言う。
「ムロ!?」
光がムロたちを包み込む。
「オレと手を繋げ、ミカノ!」
「うん!」
ミカノがムロと手を繋ぐ。
「なんだかわからんが!」
「カズマぁぁ!?」
カズマがムロの肩に手を置いて、アンの手を掴む。
「僕も!」
「眩しい!……」
ミカノの言葉とともに、ムロたちの姿が第二監獄場から消えた。




