英雄の証
「はあああああ!!!!!!!!」
「ウー!!!!!!!!」
バチッと電撃が走っているような感覚がレッドを襲っていた。
(くっ!? ……攻撃は漢が勝ってんのに……)
「ウーーー!!!!!!!!」
ゼヴァが光線を放ちながら徐々に歩み出す。
(攻撃が……押されてる!)
レッドの光線が消えていく。
(身体に力が入らない……!?)
「ウー!!!!!!」
「うぐっ……!! チクショーーー!!」
レッドの右手がゼヴァの光線に触れる。
※ ※ ※
「このままではレッドは殺られる」
「なんとかならないか! 究極殿」
「あの状況では近付くのも難しい」
「それでは!?」
「残念だが」
「そんな!」
クールは悔しがる。
「……究極殿……ハイパーサバイバル神ゴロー、どちらか……増幅剤を持ってはいないのか」
クレナイが言う。
「すまん。我は持っていない」
「俺も持ち合わせてない」
「……そう上手くはいかないか!」
クレナイは歯痒い思いをする。
※ ※ ※
「ウーーー!!!!!!」
(ま……まだだ!!)
【アタック】
(スカーレット・ローブ)
レッドを光のローブが包み込む。
「ウー!?」
ゼヴァの光線を光のローブが吸収する。
「う……うぅっ!?」
「ウー!」
ゼヴァが光線を放つ。
「……んな!?」
「……吸収……しきれない!!」
レッドの光のローブが薄れていく。
「負けたくねえんだあああ!!」
【ファイナル】
レッドの身体が緋く光だす。
「だあああああ……………!!!!!!!!!!」
レッドが力を一気に爆発させた。
「ウー!?」
ゼヴァの光線がレッドの爆発でかき消される。
「ウー! ……ウー、ウーーーーー!!!!!?」
レッドの爆発は、あっという間にゼヴァをも巻き込んでいく。
※ ※ ※
「そ……んな!?」
クールたちの先には、眩い光の衝撃波が広がっていた。
「……爆発が止んだようだ」
究極殿がレッドの元に向かう。
「動ける……皆、動けるのだ」
「緋!!」
クールたちもレッドの元に急いだ。
「…………うっ」
レッドは倒れこみながらも自分の状況を確認する。
「……レベルが20に上がってらぁ」
「緋!」
クールは近寄るなり、レッドに回復薬を使った。
「残りHP1じゃ、転んだら終わりさ」
「ほぼ捨て身の攻撃だったからな」
レッドのパネルが鳴る。
「ん? なんだこれ」
レッドはパネルからプレゼントを受け取った。
「レイド報酬……称号〈英雄〉」
「へえ。英雄なんて称号が在ったんだねえ」
「海乃さん。称号って何か意味あったっけ?」
「まあ……肩書きというか記念というか。あまり重要ではないよ」
「だよなあ。あれだけのヤツを倒して貰えたのが称号ってのは納得いかないぜ」
「そんなことはないぞ。レベルは上がったし、物凄く貴重な戦いを体験できたではないか!」
「破耶ちゃんの言う通りだよ! 格好よかったよ、緋君!」
「ご苦労様~」
「……そうだよな。ゼヴァと遭遇しなけりゃ、究極殿とハイパーサバイバル神ゴローと協力することもなかったかもしれないしな」
「レッド。待っている。我のレベルに来ることを」
究極殿はログアウトした。
「また機会があれば……いずれな」
ハイパーサバイバル神ゴローはログアウトした。
「疲れたぜ。んじゃ帰るか!」
レッドが言うと、〈究極の正義達〉はログアウトした。




