ヘキサゴナルモード
「ウー!」
「なんてヤツなんだ!」
「ウー!」
「……ゴッドライズ!」
「ウー!」
ハイパーサバイバル神ゴローとゼヴァが、互いに譲らない攻防を繰り広げる。
「……究極雷電」
空の一点が暗くなる。
「ウー!?」
「余所見とは随分と余裕だな!」
「ウー!」
ハイパーサバイバル神ゴローの拳がゼヴァの頬に痛みを与える。
「今だ」
「ウーーー!!」
ゼヴァに、凄まじい稲妻が落とされた。
「暫くは痺れて動けまい」
極殿はレッドたちの様子を見る。
※ ※ ※
「成る程……。ヘキサゴナルとは考えたねえ」
「だろ! やってみる価値はあると思うんだ」
「しかし紅蓮。私たちもヘキサゴナルがどういうものかは把握していない。ヘキサゴナルに考えが至ったことは凄いが、保証はできないよ」
「やらないよりはマシだぜ」
「うむ。どうやら、それしかないみたいなのだ。究極殿とハイパーサバイバル神ゴローも長くは持たない。早くしよう」
クレナイはパネルから【ヘキサゴナル】を選択する。
「ねえ。いったい誰に使うの?」
トマトちゃんが訊く。
「提案したのは緋なのだ。だから緋に使うのが適切だと思うぞ」
「え!? 漢なの!?」
「今更だよ紅蓮。言い出しっぺなんだしね」
「仕方ないか。破耶さんと海乃さんに説得されたんじゃ」
レッドはパネルを呼び出すと【ヘキサゴナル】に合わせ、位置を【メイン】にする。
「時間がないよ~」
「分かってるわよ!」
「上手くいってくれよ」
「僕は緋を信じる」
フルーツマン、トマトちゃん、皇帝、クールがパネルを呼び出し、【ヘキサゴナル】から、位置を【アシスト】に選択する。
【ヘキサゴナル】
面に六角形の陣が浮かび上がる。
「メインは赤い場所に立つんだな」
レッドは、赤く光る場所に立った。
「僕たちも立とう」
クールたちも所定位置に立った。
【インストール】
「おー! なんか知らないけど、身体が光ってるぜ!」
「はしゃがれても困る。僕は全く身体が動かない」
「矢吹もか? 私も動けないんだよ」
「ウチも動けないわよ」
「僕も~」
「……緋は動けるのだな?」
「漢は全然平気ですよ。破耶さん!」
「どうやら緋以外は、ヘキサゴナル中は動けないみたいなのだ」
「戦えるのは漢だけってことか」
レッドが激しい光に包まれる。
【コンプリート】
六角形の陣が消える。
「緋、平気か!」
クールが激しい光に包まれているレッドに訊く。
「……さあ? 正直……わかんないや」
レッドは光に包まれたまま、ゼヴァに向かっていった。
※ ※ ※
「ウー!」
ゼヴァが痺れから解放されて光弾を放つ。
「究極豪炎」
「ウー!!」
光弾が膨れ上がる。
「なんだと!?」
「がはっ」
極殿は虚しく吹き飛ばされる。
「究極殿!」
「ウー!」
「しまっ……」
「……ウー?」
ゼヴァの手刀は、ハイパーサバイバル神ゴローではなく、まるで血で染められたような真っ赤な刀に当たっていた。
「……その姿は……!?」
ハイパーサバイバル神ゴローが驚いている。
「時間稼ぎ……ありがとうだぜ!」
レッドは身体を包んでいた光を祓った。
「ウー!」
「興奮すんなって。赤を見て興奮するって、お前は闘牛か?」
「ウー!」
ゼヴァが光弾を放つ。
「こうか?!」
レッドが手を翳すと、光弾が消えていく。
「ウー!?」
「そう驚くなよ……漢だって半信半疑なんだからさ。ゼヴァ、お前と対等でいるなんてよ」
「……対等……!?」
ハイパーサバイバル神ゴローがレッドのステータスを調べる。
(レベル100! ステータスMAX! ……アバタータイプはアースだと!? ……色はスカーレットか。これでは、まったく別のアバターではないか!)
「今度は漢の番だぜ」
【アタック】
「スカーレット・ドライブ」
レッドが目にも留まらぬ速さで縦横無尽に動きまわる。
「ウー!」
「どこに撃ってんだ?」
「ウー!」
「当たらないぜ!」
ゼヴァの光弾を軽々避けていく。
「ウー!!」
ドッ!
ゼヴァが究極殿を吹き飛ばした光弾を放つ。
「デカけりゃあ当たるってもんじゃねえぜ」
【アタック】
「スカーレット・ローブ」
レッドが身に纏っているローブを広げると、レッドの周囲を光のローブが被う。
「ウー!!」
ゼヴァは全力で光弾を繰り出すが、光のローブを破くことはできない。
「……こんなもんか?」
光のローブはゼヴァの光弾を吸収した。
「ウー!?」
「そろそろ終わりにするぜ」
【ファイナル】
「スカーレット・エクストリーム」
レッドの身体を緋色のオーラが包む。
「ウー!!!!」
ゼヴァを白いオーラが包む。
※ ※ ※
「なんだ!? ……まるで星そのものが揺れているみたいなのだ」
「地震だよ~!」
「ばか偵徒! これはゲームよ!」
「……何をする気なんだ……緋!?」
※ ※ ※
「ウー!!!!」
ゼヴァが、最大の光線を放った。
「うおおおお!!!!」
レッドも右手から緋色の光線を放った。
「ウー!!!!!!」
ゼヴァの身体には血管が浮かび上がる。
「負けねえぜぇ! 勝負は気持ちが上回っているほうが勝つんだ。だから……レベルなんか飾りだー!!!!!!!!」
緋と白の光線は大気を震わせながら、一歩も譲らぬ力を爆発させていく。




