究極の正義達&究極神VSゼヴァ
「いました! レッド。レベルは10……ヒーロータイプの刀使い。色は赤です」
「〈究極の正義達〉の奴等は皆殺しだ。レッドが単独で動いているなら、今のうちに潰すのだ!」
「「はっ!」」
【アタック】
(まさか、反生徒会が岩陰から狙っているとは思うまい)
レッドに照準を合わせる。
(無様に撃ち抜かれるがいい)
「!?」
照準に重なってきた怪人に弾が当たった。
「ウー!」
「え!?」
身を隠すのに使っていた岩が宙に浮く。
「ふざけんな!!」
「ウー?」
(……効いてない……!?)
「ウー!」
岩が何かを潰した。
※ ※ ※
「……あれは……ゼヴァ!?」
「七菜ちゃん。なに、ゼヴァって?」
「存在そのものは無印から確認されていたけど、SNSでの一人の呟きが独り歩きしてるだけだから、実際に見た者がいるのかどうかは判ってなかったんだけど」
「そのゼヴァってのが緋君と戦ってるわけね」
「僕たちも行こう、破耶先輩! ゼヴァは噂通りなら、文字通り化物です!」
クールが踏み出す。
「待つのだ。……わたしはゼヴァは開発スタッフが極秘に組み込んだものだと聞いたことがある。しかし、ゼヴァが通常プレイで出現することは無いと聞いたのだ」
「誰からです?」
「近所のオタクからだ」
「……でも、あそこに居るのは」
「ゼヴァなのだ。レベル100。SNSで独り歩きに知られていった、白い身体の怪人……ステータスがカンストの規格外の……現れてはいけない破壊者」
「……それでも僕は!」
クールは飛び出した。
※ ※ ※
「……おいおい……レイドモンスターで、レベルもステータスも振り切ってるのは反則じゃねえか?」
レッドがパネルを見ながら言う。
「ウー!」
「こっちはもう回復も出来ないのによ」
「ウー!」
「ぐはっ!!」
レッドが気合いで吹き飛ばされる。
「ウー!」
ゼヴァがトドメをさそうとする。
「ウー!」
ゼヴァが逆に吹き飛ばされた。
「久しいな」
「……究極殿!?」
「ゼヴァ相手に、かなり無茶をしているようだな」
「……ハイパーサバイバル神ゴローまで!?」
レッドは驚く。
「ゼヴァの相手は我らに任せろ」
「流石に究極殿とハイパーサバイバル神ゴローの二人がかりでも……ゼヴァには勝てないぜ」
「かもしれないな。が、究極神の名をチームに掲げている以上、見逃すわけにはいかない」
「……ハイパーサバイバル神ゴロー」
「ウー!」
ゼヴァが周りの岩を浮かせる。
「岩を浮かせるのが得意か」
【アタック】
「究極豪炎」
「ゼヴァ、隙だらけだぞ」
【アタック】
「ゴッドライズ」
「ウー!?」
ハイパーサバイバル神ゴローの攻撃がゼヴァに当たった。
「いくぞ、ハイパー」
「いつでもいいぞ、究極殿」
【チーム】
「「アルティメット・ライズ」」
「ウー!」
ゼヴァの放った光弾と二人の合体技がぶつかる。
「緋!」
「七菜!?」
「不運だったようだね。まさか幻のゼヴァと交えるなんて」
「まったくだぜ。とんだ経験稼ぎになっちまった」
「何か手はないのかい!」
「……ある。ヘキサゴナルだぜ」
「ヘキサゴナル!? だってアレは色々と条件が面倒で無印から在ったけど、誰もやろうとしなかった筈さ!」
「……条件は揃ってるぜ? 人数は六。合計レベル200以上。仮面タイプが三人とヒーロータイプが三人。合体技を持っている者が含まれている。六人のアバターカラーが異なっていること。全部当てはまるぜ?」
「……僕たちなら……出来る!!」
※ ※※
「相殺したか」
「合体技は連発出来ないのにな」
「ウー!」
ゼヴァが光弾を放つ。
「ぬぅっ!」
究極殿は、光弾を究極豪炎で押さえる。
「連発するのか!?」
ハイパーサバイバル神ゴローも、光弾をゴッドライズで抑える。
「二人共!!」
「構うな。それよりも、ヘキサゴナルを実行しろ。ゼヴァの相手は残念だが荷が重い」
究極殿が言う。
「……そうしたいのは山々だが……」
レッドが辺りを見渡す。
「皆は近場で様子を伺っている。行こう、緋」
「……そうだったのか! そうと決まれば実行あるのみだぜ。耐えてくれ、二人共!」
レッドとクールはチームのもとに向かった。




