ヘキサゴナル
「……出やがった!!」
レッドは背中から刀を引き抜く。
「ウー!」
岩場をモンスターの咆哮が震わせる。
「……レイドモンスター……ゼヴァ!!」
レッドが走り出した。
※ ※ ※
「はああ!!」
「ギャア!?」
「せいっ!」
「ギャア!!」
「たあっ」
「ギャ……ア」
「このぉ!」
「ギャアア!!」
クールが、イーを倒し続ける。
「流石は矢吹だね。雑魚のイーが相手とはいえ、四体 も続けて倒すとは」
「いい経験稼ぎなのだ」
「……まだまだ! もっとレベルを上げないと!」
「ギャー!」
(僕が強くなれば、緋だって喜んでくれる筈!)
※ ※ ※
「クール。レベルは10になった。仮面タイプの格闘使い。色は青」
「クレナイ。レベルは70。仮面タイプの格闘使い。色は黒」
「皇帝。レベルは70。仮面タイプの剣使い。色は金」
「トマトちゃん。レベルは30。ヒーロータイプの格闘使い。色はピンク」
「フルーツマン。レベルは30。ヒーロータイプの武器使い。色は緑」
「……情報では、あと一人いるはずだが?」
「申し訳ない。見当たらないんだ」
「別行動をとっているのか」
「……そのようだ」
「いいか。奴等……〈究極の正義達〉を倒せ! そして後悔させてやるのだ!」
「「は!」」
※ ※ ※
「さて、粗方片付いたようだな。凄いのだ、七菜! 」
「おだてないでください。僕なんかまだまだです」
「謙遜しなくてもいいよ。矢吹が重ねた努力は評価されていいんだからね」
「ありがとうございます。破耶先輩、海乃さん」
「……ねえ七菜ちゃん。緋君、遅くないかな?」
「張り切りすぎて遠くに行っているのか?」
クールが状況を調べる。
「……どういうことだ……これは!?」
「どうしたの?」
「緋が危ない!!」
※ ※ ※
「もう十個も回復薬を使っちまったぜ……。こりゃ……エライ経験稼ぎになっちまったな」
「ウー!」
ゼヴァは軽々と岩を投げつけてくる。
「あぶねー!? 間一髪避けれたぜ」
レッドはパネルを見る。
「皆が来れば使えるのになあ。チーム技、ヘキサゴナルが」
「ウー!」
ゼヴァが手刀を繰り出す。
【アタック】
「……紅蓮斬……零」
レッドの刀は、ゼヴァの手刀を受け止めながらも悲鳴を挙げている。
「ウー!」
「……んなっーー!!!?」
真っ二つに折れた刀の刃が、虚しく地面に落ちていった。




