ミッション
「いろいろ有るんだねえ」
「ヴァロン狩り……Bの3なのか」
「「あ……!?」」
紙が千切れ落ちる。
「すまないのだ! ……皇帝!?」
「奇遇だねえ、クレナイ。同じ依頼を選ぶとは流石だよ」
「たまたまなのだ。ミッションを体験するのにヴァロンはうってつけだからな」
「そうだねえ。さあどうする? 受けるかい?」
「ミッションの条件は、一チームでの遂行なのだ。同じチームであれば人数は問われない。良かったらチームを組まないか?」
「私が入っても良いのか? 紅蓮や矢吹に許可は得なくて構わないのか?」
「寧ろ、二人なら歓迎するはずなのだ。皇帝が入ったと知ったならな」
「……面白い。その話、乗らせてもらおう」
皇帝がチームに加わった。
「場所は何処だい?」
「ギュラブ草原なのだ」
「草原か……。見晴らしがいいかもねえ」
「それはヴァロンも同じだろう」
クレナイが地図を呼び出す。
「行こう。ヴァロンが待っているよ」
「うむ」
クレナイと皇帝は、ギュラブ草原に向かった。
※ ※ ※
「お! 破耶さん、動いたみたいだぜ」
「皇帝が一緒にいる……共闘するのか?」
「海乃がいるなら百人力だぜ!」
「美岬から電話だ」
七菜が電話にでる。
「もしもし七菜ちゃん!! ゲームはやってる?」
「こっちは抽選制で、僕と緋は漏れてしまってまだなんだ。破耶先輩は当たったからログインしている」
「ウチもだよー! こっちも抽選だったんだけど、偵徒が当たってさー!」
「そうなんだ……。実は海乃さんがログインしていて、今、破耶先輩と一緒に行動してるんだ」
「いいなー。ウチは偵徒がログインしてるから一人だけど、七菜ちゃんは緋と一緒に待てるしさー」
「美岬!? きっ、君は!!」
「照れない、照れない。まったく。ラブラブな・ん・だ・か・ら」
「もう! からかわないでくれえええ!」
七菜が顔を赤く染める。
「可愛いよ七菜ちゃん! ごちそうさま。ログインしたら宜しくね!」
美岬が電話を切った。
「どうしたんだ? 顔が赤いぜ?」
「うっ……うるさいぞ!! ……ばか」
七菜はモニターを観る。
「ならいいがよ?」
緋もモニターを観る。
※ ※ ※
「ここが、ギュラブ草原」
クレナイは綺麗な緑の草原にみとれる。
「矢吹、ボーッとしない。あそこにヴァロンがいるよ。ミッションは、ヴァロンを三体倒すことだから苦労は無いだろう」
皇帝が草原を駆ける。
(ヴァロンなら手早く済ませられる)
【アタック】
「フィナーレ・ムーン」
皇帝はヴァロンの頭上を飛び越えると、三日月の斬撃を降り注いだ。
「ギャアアア!!」
(まずは1体!)
【アタック】
「フィナーレ・ムーン」
二体目のヴァロンも倒す。
「さあて、次で終わりだよ」
「ガアアアア!!!!」
ヴァロンが雄叫びをあげる。
「威勢がいいねえ」
【アタック】
「フィナーレ・ムーン」
斬撃はヴァロンを捉えるが、ヴァロンは斬撃を跳ね返した。
「気を付けるのだ。様子が変なのだ!」
ヴァロンの体が変化していく。
「……ま……まさか……!?」
皇帝が呆然としている。
「グァアアア!!」
雄叫びと共にヴァロンが変化した。
「……Sヴァロン……だと!?」
クレナイの身体が震える。




