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海乃/謎の片鱗

「……私に何か用か?」


 海乃は後ろを付いてくる人に問う。


「泣いてくれないかな」


「悲しむ事も嬉しい事も特別ないのに、泣けというのは無理だね」


「じゃあ、泣かせてやる!」


「しつこいよ!」


 帽子にマスクを着けた人が海乃に襲い掛かるものの、海乃が間一髪避ける。


「!!」


 帽子とマスクが外れる。


「……女性、だと!?」


「バレたか……。ならば、始末する!」


「うっ!!!?」


 海乃がうずくまる。


「殺す!」


 女性は素早い動きで海乃に打撃を与えていく。


「あーあああ!!!!」


 人目のつかない場所まで追い込まれる。


「……プッ!」


 海乃が口に溜まった血を吐いて、女性を睨む。


「睨みつくのがやっとか?」


「……同性の奇襲だからと堪えていたが、少しばかり暴れすぎだよ」


「だったら……どうする気?」


「私の全てを駆使して、君を捕らえるよ」


 海乃が片膝を付きながら両手を拳にする。


「始末する!」


 女性が海乃に近付く。


(今だ!)


「え……!?」


 一瞬で女性の目前に海乃の右拳が現れる。


「動き……止まってるよ?」


「きゃあ!?」


 海乃が瞬時に女性の脛を蹴ると、女性の後ろにまわって動きを封じる。


「ナメるな!!」


 女性は海乃の足を踏みつける。


「うっ!?」


 海乃の力が抜ける。


「しゃあー!!」


「ぐっ!?」


 海乃が背負い投げをされて叩き付けられる。


「殺す!!」


 女性の手刀が降りかかる。


「……しつこいよ!!」


 海乃が両足で女性の上半身を抑え込んで動きを止めると、身体を起こしながら女性を背中から叩き付けた。


「あああああ!!!!!!」


「私が受けた痛みは、そんなもんじゃないよ!!」


「いやああああ!!!!!!」


 海乃が体重をかけて踏みつける。


「……こんなもんかな。その校章に免じて許してやる」


 海乃が女性が身に付けている柊を見て言った。


「ガハッ! ……偉そうに! 現実なんか……要らない! ……殺す、紅破耶!!」


 女性は言うと、全速力で走り去った。


「……紅だと!?」


 海乃は女性が走っていった方向を見る。


「あの方向は……駅……。まさか、紅の街に向かったのか!?」


 海乃は歩こうとするが、痛みでふらついてしまう。


「紅が危ない!!」


 海乃が破耶に電話を掛けた。

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