表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
44/70

偵徒/勝率0の脱出

「ちっーい!!!?」


「痛!!」


 フルーツマンが、石につまずいて転んでしまう。


「もう! どーしてアイテム集めにログインしただけで、あんな化物級に遭遇するの~!」


「ひぃ!!!?」


 爆発に怯えてうずくまる。


「もう諦めてログアウトしよ~」


 しかし、爆発に捲き込まれて廃墟に飛ばされてしまう。


「……早くしなきゃ」


【ログアウト】


「よーし、これで!」


【……】


「あ……れ? ログアウトできない~」


「わああああ!?」


 再び爆風で吹き飛ばされ、さらに爆発の衝撃で廃墟が崩れていく。


「……建物が……崩れて……えぇぇ!?」


 フルーツマンは身体を動かすが、廃墟の一部が瓦礫となって動きを封じられていた。


「……ついてないな。僕~」


 フルーツマンの上に、瓦礫となった廃墟が無情にも落下した。


(……)


(……)


(……)


【カウント】


(……不具合なのか判らないけど……自力でログアウトできないなら……このままカウントまで待っていれば……)


【10、9、8、7、6、5、4】


(このバカ偵徒おおお!! 敗けたら承知しないわよ)


 偵徒の脳裏に美岬の声が浮かぶ。


(あ~あ。美岬ちゃんなら、言いそうだ~)


【アタック】


「ヒーリング」


 瓦礫を退かしてフルーツマンが飛び出した。


「価値の無い敗けはしたくない!!」


【アタック】


「トロピカルバズーカ!」


 フルーツマンがバズーカ砲で、爆発を起こす相手に反撃した。


「うー!!」


 相手が起こす爆発がフルーツマンを容赦なく襲う。


「……全てが謎のアバター。姿は黒いオーラで覆われていて識別不能……、コードネームもレベルもアバタータイプも不明。今までいなかったハズだ……そんなのは~」


【ログアウト】


「駄目なのかな!?」


【ログアウト】


「お願い~!!」


 フルーツマンの身体が消えだす。


「……」


 黒いオーラが迫る。


「よし!!」


 フルーツマンがログアウトした。


※ ※ ※


「ふー。危なかった~」


 偵徒はマシンから出ると、仮面英雄伝ゲームの公式コミュニティサイトを見る。


「やっぱり大勢の報告が挙がってる。いきなり現れては、一方的に襲い掛かってくる。一切の攻撃が通じない!? 僕が弱かったのが理由じゃなかったんだ~」


 画面をスクロールする。


『公式は仕様説を否定。現在、原因を究明中』


 偵徒は腕時計を見る。


「新しいゲームの稼働まで一週間ないよ~。このままじゃ……気持ちよく移行できないよ~!!」


 偵徒は不安を覚えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ