無敵
「……うっ……撃て!!」
「了解!!」
反生徒会が銃を構える。
(緋! ……このままじゃ……!?)
破耶の指輪が光る。
「何故だ、何故当たらない!?」
「……弾切れか?」
緋が飛び蹴りをくらわす。
「がはっ!!」
反生徒会の一人が倒れこむ。
「次……!」
「ひ……!?」
緋は相手の持っていたマシンガンを奪うと、引き金を引く。
「ブブォ……」
反生徒会の一人が倒れこむ。
「撃たなきゃ、銃なんて只の重りだぜ」
「よくも隊長を!!」
「そんなもんを担いでたのか?」
緋は、目の前でガトリングガンを構える相手に驚く。
「近付くなよ! ……近付いたら……」
そう言いながら男は、身に付けている物を見せる。
「本気でいるとは思わなかったぜ。身体に時限爆弾とダイナマイトを巻き付けてる奴を」
「あと五分で爆発する! グランドスタジアムを吹き飛ばせる程の威力だ!!」
「最初から死ぬ気だったのか」
「全ての反生徒会の叫びを訴えるには、もうこれしかないんだ。生徒会の撲滅が反生徒会の願いだー!!」
「自分の意見が通らなかったら、人を殺しても良いってのか!!」
「生徒会が反生徒会の意見を聞いていれば、誰も傷つくことも死ぬこともなかった!!」
「……言ってみろよ! 漢に……生徒会に!」
「言ったら叶うのか!?」
「聞かなきゃわかんねえ」
「……校則の廃止、個性の尊重、完全なる自由、授業の出欠制……」
男が反生徒会の意見を述べていく。
「……はっきり言うと……わがままだぜ」
「ふざけるな!!」
が、隠し持っていた拳銃で緋の頬を撃った。
「気にくわなければ撃つか。利かん坊かよ」
「来るなっ!!」
男が自分のこめかみに銃口を向ける。
「その覚悟を……どうして他に使えない」
「使う機会が無いからだ! さあ、あと二分……」
(このままでは皆が……。どうしたら!!)
破耶の指輪が光だして、緋、破耶、七菜、海乃、美岬、偵徒に光が散らばる。
「この光は?」
緋が異変に気づく。
(どうなっているのだ?)
破耶が戸惑うなか、破耶たちの姿が変わっていく。
「ふざけやがって!!」
レッドの姿に変わった緋に男が激怒する。
「どっちがふざけてるんだかな!」
レッドが背中の刀を抜く。
「あと一分で終わりだあああ!!」
(死にたくないのだ……夏郷が生きてるのだからな……!!)
クレナイの光がレッドに飛ぶ。
(やっと出逢えたパートナーと、簡単に離れ離れは勘弁さ)
クールの光がレッドに飛ぶ。
(まだまだ人生を謳歌してないよ!)
皇帝の光がレッドに飛ぶ。
(まだ……伝えられてない……んだ)
フルーツマンの光がレッドに飛ぶ。
「ウチは……生きたいよ! バカで弱虫で間抜けだけど、大切な幼なじみと!!」
トマトちゃんの光がレッドに飛ぶ。
「なんだか温かいぜ!」
【エヴォリューション】
【INVINCIBLE】
レッドの姿が、見たことのない姿に変わる。
「あと十秒だあ!!」
【INVINCIBLE BLAST】
「完全治癒」
レッドが右手を空に挙げると、無数の光が破耶達や反生徒会の怪我を癒す。
【INVINCIBLE BLAST】
「完全破壊」
男の身体に巻き付かれていた時限爆弾とダイナマイト、反生徒会の武装している武器を消滅させた。
「何をしたあああ!!」
「どうだっていいだろ。どのみち反生徒会には過酷な現実が待ってんだ」
「くそおおお!!」
男が泣き叫んだ。
※ ※ ※
「えーと……」
緋は警察に通報した。
「すまない緋。助けられたのだ」
「破耶さんの指輪のお陰だぜ」
「緋!!」
七菜が緋に抱きついた。
「おい!? 危ないぜ、七菜」
「う……うるさい!!」
七菜が嬉し涙を流した。
「紅蓮には感謝しきれないよ」
「そーいえば美岬ちゃん、僕に何か言った?」
「別になんも言ってないわよ!! ……ばか」




