神の罠
「くっ!?――――」
「小賢しい!」
【アタック】
「究極豪炎」
究極殿は、豪炎で塔に仕掛けられていた地雷を破壊する。
「……主催者のすることではないな。誰がこんな小細工を?」
「まだ有ったのか!」
【カウンター】
「豪炎の盾」
爆風を豪炎で受けながら階段をかけ上がる。
「……地雷は一階だけだったか」
二階は複数の扉が有り、一階よりも明かりが強くなっていた。
「階段が無い。部屋の中か」
「くっ!―――」
ドアノブに手をかけた途端、電撃が走り、究極殿が膝をつく。
「―――またか!」
ふらつく身体を起こしつつ、辺りを警戒する。
「誰か居るのか!……隠れてないで出てきたらどうなんだ!」
【アタック】
「出てこなければ……全てを燃やし尽くす」
究極殿が構える。
「凄いのが居るんだね」
究極殿が開けようとしていた扉から、ヒーロータイプが出てきた。
「貴様……!?」
「まさか驚いてるのかね? あの、究極殿が?」
「貴様は……ハイパーサバイバル神ゴローとか言ったか?」
「そうだよ。今、究極の前に居るのが……神だ」
「大層なコードネームだ」
「お互い様だろう? 究極よ」
【アタック】
「目障りだ」
ゴローが究極殿を吹き飛ばす。
「…………」
「あ~あ。壁が滅茶苦茶になっちゃったね」
(究極豪炎)
ゴローを豪炎が包む。
「これが究極の炎か。なるほどね、大したことないね」
【カウンター】
「ゴッドカウンター」
「……炎が……消えただと!?」
「炎を消すなど、神には朝飯前ね」
ゴローは指を鳴らす。
「返すね」
「何!?」
豪炎が究極殿に放たれた。
※ ※ ※
「おい! ……おい!」
「……」
「レッド。むやみに動かしたら逆効果だわ」
レッド達は、倒れていたクールを発見していた。
「体力を戻せば良いのなら」
【アタック】
「ヒーリング!」
フルーツマンがクールの体力を回復する。
「あんた、回復技を持ってたの!?」
「あれ? 言ってなかったけ?」
「……う……う……」
クールが目を覚ます。
「間一髪だぜ! 大丈夫か!?」
レッドが訊く。
「……あか? ……ぼくは……たしか……」
「まだ意識がもうろうとしてるのかな?」
「……君は……トマトちゃん……。そうだ! 確か……それで僕は!!」
クールは起き上がるとレッドを叩いた。
「痛! ……なんで叩くんだよ!?」
「僕なりの礼さ。それよりも先輩が!」
「……?」
レッドはクールから話を聞いた。
※ ※ ※
「参った。降参なのだ」
クレナイはリストを見ながら言った。
「一枚こちらが上手だったみたいかな」
皇帝が剣を納めた。
「さあ行くのだ。究極殿が待ってるのだろう」
「何故そう思う」
「悔しいがクールでは敵わないのだ」
「ならば、共に行こう。目的は同じだしね」
「……すまない。恩に着るのだ」
「塔が!? ……究極殿は!」
「嫌な感じがするのだ!急ごう」
クールと皇帝が走り出す。
「!? ……レッド!! ……トマトちゃんとフルーツマンも無事だったのだな」
「そっちこそ、戦ってたんじゃ?」
「わたしが降参したのだ」
「そうだったのか。仕方ないかもな」
「それよりもレッド。塔に急ぐのだ! あの爆発は普通じゃないのだ!」
「……漢は良いけど……」
レッドはクールを見る。
「僕は大丈夫さ。フルーツマンのお陰でだよ」
「そうか。あとは……」
レッドはトマトちゃんとフルーツマンを見る。
「行くに決まってるわよ!!」
「一緒にいる方が安全でしょ~」
「……決まりだぜ!」
「レッド。あくまでも一時休戦だ。アイテムの数によっては……分かるね?」
皇帝が訊く。
「おう、そんときは……そんときだぜ!」
「急ごう。わたしの勘は良くも悪くも当たるのだ」
六人は塔に向かった。




