森中対決
「トマトちゃん、待ってよ!」
「五月蝿いわ、果物男! 黙って付いてきなさい」
フルーツマンとトマトちゃんが森を進んでいく。
「休憩しよーよ。疲れたよ!」
「うっさい! 大の男がゲームの中でもメソメソして! それでもウチの幼なじみ!?」
「……ゲームの中でも厳しいよ~」
フルーツマンは近くの岩に座った。
「たくっ!……あまり休んではいられないのに」
トマトちゃんが水に触れる。
「ゲームの中でも汚れを気にするの?」
「はあ? まさか知らないわけ!? 水は回復アイテムなの!」
「そんなの知らないよ~」
「……ゲームの中ぐらいはしっかりして! ウチの株が下がるから」
両手に水をすくったトマトちゃんが、フルーツマンに水を掛けた。
「冷たっ!」
「少しは目が覚めた?」
「うわっ!?」
物音に驚いたフルーツマンが岩から落ちる。
「静かにしなさいよ」
「どどどどうしよー。もしも、究極殿だったり……皇帝だったり……」
「普通に強い奴等が、わざわざウチ達を物陰から狙うと思うの?!」
トマトちゃんはリストから、麻痺霧スプレーを出した。
「それは掛かった相手を痺れさせるやつだよね?」
「備えあれば憂いなし、よ!」
トマトちゃんはスプレーを吹き掛けた。
「でたー! ヴァロンだー!」
「五月蝿い! さっさと攻撃しなさい!」
【アタック】
「トロピカル……バズーカ!」
フルーツマンの攻撃がヴァロンに当たった。
「グゥ……」
「……全然、効いてないよ~」
「もう! 何やってるのよ!」
【アタック】
「ベジタブルインパクト!」
マトちゃんの攻撃が当たった。
「ギャアア!」
「……ウチの攻撃も効かないわけ!?」
トマトちゃんが後ずさる。
「ギャー!」
ヴァロンが砲撃した。
「うわー!!」
フルーツマンが頭を押さえる。
「……ウチ等の敗け……」
「……!? ……何!! ……何が!?」
トマトちゃんはヴァロンの方を見た。
「……大丈夫か?」
「誰……なの?」
トマトちゃんには背中が向けられている。
「今なら背後から攻撃可能だぜ?」
「命を助けられたのに、不意討ちする勇気、ウチは持ち合わせてない」
「助けた甲斐があったぜ」
「あなたは誰? ……ウチはトマトちゃんよ」
「漢はレッド。なんとなく放って置けなかった。余計だったか?」
「……ありがとう。助かったわ」
「助かりました~」
「どういたしまして、だぜ!」
レッドは親指を立てた。




