表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/70

動き出す者たち

「校長、話は訊いたのだ! 明日の新祝祭は去年の事もあるから、厳重警戒したほうが良いのだ!」


「それには心配は要らん。きっちりと対応をしておくよ」


「校長。電話の相手は誰なのだ!?」


「……我が校の卒業生だよ」


「卒業生!?」


 破耶の脳裏に何かが過った。


「反生徒会の動きも気になるが……」


「黒田……。いや、黒田派なのか!?」


「流石は生徒会長……といったところか」


 校長は降参のポーズをとった。


「黒田派は何が目的なのだ?」


「……私の死……だよ」


「何なのだ! その、ふざけた目的は!」


「新祝祭で、事を起こすと言っていたよ」


 校長が机から封筒を出す。


「それは辞表!?」


「覚悟は出来ておる。この高校を護るためだよ」


 校長は窓を眺めた。


※ ※ ※


 翌日。


「えー、皆さん注目してください!」


 広報の玲衣が体育館の壇上に立つ。


「今回の新祝祭の最大の目玉です!」


 愛生が被せていた布を剥いだ。


「「うおー!!」」


 全校生徒の驚きの声が体育館に響く。


「ではここからは、我が校の生徒会長から詳しい説明があります」


 玲衣が壇上から降りる。


玲衣れいっぺ、こっちは任せるのだ」


「任せましたよ。それじゃ……広報の意地を見に行ってくる」


 玲衣と入れ替わる形で、破耶が壇上に上がった。


「生徒会長の紅 破耶だ。もう判っているだろうが、ここに在る機械を使っての全国高校対抗戦を今回の新祝祭の目玉とする!」


「我が校の代表は、二年A組の紅蓮 緋くん、同じくA組の矢吹 七菜さんと、破耶生徒会長の三人が出ることになりました」


 愛生が発表した。


「あれ? 二年の二人って付き合ってるんじゃなかったっけ?」


「強いのかな? 三人共」


「なあ? よく見たら矢吹ってスゲー可愛くないか?」


「紅蓮が生徒会に入るなんてな」


「ちょっと狙ってたのにな~、緋くん」


 体育館から様々な声が飛び交う。


「紅蓮です。やるだけやりますが、正直、残れるかは分からないです。まあ過度な期待はしないように」


「矢吹だ。僕も緋と同じ意見だ。正直、勝つ自信は無いが、仲間が居るから直ぐには降参はしないことは約束するよ」


「皆はゲームの事を今回の事を通して知ってほしい……もっと深く知ってほしいのだ」


 破耶が意気込みの言葉を締めくくった。


※ ※ ※


「黒田派……か?」


 玲衣が言う。


「俺達を誘き出す罠ってわけか」


「黒田派の者達の目的は校長なんだろ? 校長から遠ざけるのが一番の策だろ」


「誘き出した場所が正門なのは何故だ?」


「すぐにわかるさ」


 玲衣が黒田派を前に余裕をかましていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ