表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/70

ゼロスト×ロードバスターズ×仮面英雄伝 闘 ーREAL大戦ー Ⅷ

「誰か来たのか」


 キイラが人の気配を感じて部屋の扉を開けた。


「よう」


 緋が挨拶をする。


「き……貴様ら、何故!?」


 キイラが後退る。


「決まってるだろ。ミカノ達を助けに来たんだ」


「悪いが邪魔するよ」


 夏郷が断りをいれて部屋に入る。


「夏郷、来てくれたのか!」


「当たり前だろ? ……三人共、怪我はないか?」


「わたしは大事ないが、七菜がな」


 破耶が、小石が当たって頬から血を流す七菜を気遣う。


「こんな傷、僕には怪我に入らない」


「なに言ってるんだ。女の子が顔に傷を付けられて平気なわけないだろう」


 夏郷がハンカチで七菜の血を拭った。


「……ありがとう」


「礼なんて要らないよ。ムロ、七菜ちゃんの傷を治してあげて」


「任せとけ」


 ムロが部屋に入り、七菜の傷を治す。


「ちょっと! 勝手に人様の部屋に入らないでよ!!」


「おいおい。勝手に人様の学校を滅茶苦茶にしといてよく言うぜ」


 緋が眉を吊り上げる。


「調子に乗らないことね。ワタシはライズ様と共に理想の世界の為なら何だってする!」


「気絶してる奴と協力できるのか?」


 緋が気絶しているライズを指差す。


「……どういう訳よ!!」


「少し説教しただけだ。お前の為に頑張ってたけどな」


「どうして……どうして、ワタシの夢を邪魔するのよ!?」


 キイラが緋の肩を掴む。


「ワタシ〝達〟じゃないのかよ?」


「黙れ!!」


 キイラが緋を押し倒し、馬乗りのまま殴りだす。


「……気が済んだか?」


「思い通りならない……だから現実リアルは嫌いなの!!」


「その辺にしておくんだ!」


 夏郷が止めに入る。


「ライズ様! ワタシの為に協力してくれるんじゃなかったのでは!? ワタシの理想を叶えてくれるのではなかったのですか!!」


「諦めるんだ。もう終わりにしよう」


 夏郷が説得をする。


「嫌よ!!」


 キイラの声に反応したかのように部屋の様子が変わっていく。


「ぐっ!?」


「夏郷!?」


 破耶が近寄る。


「……此処は……ラッキーラズベリー畑!?」


 緋が言う。


「そうよ……此処はライズ様と出会い、夢を誓い合った、約束の場」


 キイラが畑を舞い踊る。


「ラッキーラズベリー畑は稀に表れる場所。ゲームでも僕は行ったことがない……」


「わたしもだ」


「痛てて……」


「治してやるよ」


「大丈夫だぜ。女に殴られて参ってたまるかよ!」


 緋が頬を叩いて気合いを入れた。


「キイラ! ゲームの世界を具現化しているのは他ならぬ君じゃないのか?」


 夏郷が訊く。


「ワタシは只のハッカーよ。世界を創るのはライズ様の役目」


「おい! ゲームのプレイヤーが一時的に戻ってこれなかったのは、お前の仕業か!?」


「そうよ。実際にプレイヤーが居たほうが詳しいデータが得れるからね」


「……妙だ……お前が盗んだデータを元に、ライズがゲームの世界を具現化していく……。じゃあ、どうやってライズは具現化してんだ?」


「知らないわよ。それだけライズ様は凄いの」


「ライズとはラッキーラズベリー畑で出会ったんだよな? ならライズの属性は? ライズのレベルは?」


「失礼ね。ワタシとライズ様は此処で会ったの! 初めてのときから、あのお姿よ!」


「……夏郷さん。夏郷さんの予想は当たってるとオレは思います。けど、それだけじゃないとオレは思います!」


「どういうことだ?」


「……ライズ自身もキイラが無意識に具現化したゲームのデータってことです!」


「なんだって!?」


「もっといえば、キイラがゲームのデータを元に作り上げた……キイラの為のオリジナル。それならライズがゲームのデータを具現化出来たのも理由がつきます」


「はあ? 冗談もいい加減にしなさい! ライズ様がワタシが作ったデータ?」


「お前は具現化したラッキーラズベリー畑で、自分の理想の人物、ライズを創り具現化した。当然、お前の理想の塊だ……お前が望むままに現実リアルを壊し、理想ゆめを創造していく……」


「ライズ様を侮辱するなあ!!」


 キイラが虹色のオーラに包まれる。


「まさか!?」


 緋に嫌な予感が過る。


【変身】


「……うぅ……邪魔だ!!」


 虹色のオーラから現れたのは、虹色とはかけ離れた、漆黒の姿のキイラだった。


「「デビルモード!?」」


 緋、七菜、破耶が同時に言葉にした。


「何だ、そのデビルモードって?」


 ムロが訊く。


「ゲームでも禁断の姿で、経験値が入らず、アイテムも使えない……おまけにレベルも1に戻る代わりに、一定時間レベルがMAXの状態で戦える」


 緋が説明した。


「よく解らないけど……バランスが崩壊しないか?」


「いまも発動条件が判明してないから……それがボス戦前だったりしたら最悪。それで通称がデビルモード」


「うぅ……!!」


 キイラが緋に向かってくる。


「二人共、お喋りはそこまでだ」


「ああ。さっさと終わらせるぜ!」


 ムロが武装石発動状態になる。


「行くぞ!」


 夏郷も刀を手にして、ムロと共にキイラに向かう。


「緋。君は見ているだけか?」


「……そうか!? キイラが成れるならオレも!」


「そこはオレ〝達〟もでしょ?」


「七菜、大丈夫なのかよ。また怪我したら!?」


「君が僕の心配なんて……生意気さ」


 緋と七菜の目が合う。


「「変身!」」


 緋と七菜の姿が変わる。


オレの名はレッド!! 正義の炎を身に纏い、悪の野望を焼き尽くす!!」


「僕はクール。以後お見知りおきを」


 レッドとクールもキイラに向かって走り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ