ゼロスト×ロードバスターズ×仮面英雄伝 闘 ーREAL大戦ー Ⅶ
「つまり、ライズと共に理想の世界を創るということなのか?」
「そうよ。ライズ様は、ワタシの夢を叶えてくれる御方。その為なら全てを敵に回しても良いわ!」
「夢の為なら何を犠牲にしても良いって云うの!?」
「ワタシの……ワタシ達の夢を邪魔をするのなら、犠牲になって当たり前よ」
「そうか」
「随分と聞き分けが良いじゃないの」
「君が話すに値しないと判断したまでさ」
七菜は興味が無さそうにキイラの部屋を彷徨く。
「なんですって!?」
キイラが部屋を彷徨く七菜に石を投げる。
「自分の部屋に小石を置くとは、変わった趣味だな」
七菜が投げられた石を投げ返した。
「ワタシの部屋の壁が!?」
キイラが石がメリ込んだ壁を見て落ち込んだ。
「自業自得さ。僕は君の理想の世界にも興味はないし」
「……るさない」
「?」
「短髪女あああ!!」
キイラが椅子を七菜に投げた。
「七菜!」
破耶が叫ぶ。
「嘘!?」
「へー。驚くんだ……僕にとっては椅子を壊すぐらい朝飯前なのに」
七菜が壊した椅子をキイラに渡す。
「七菜……お前、何か心得てるのか?」
破耶が訊く。
「柔道と空手を少々」
「イイ気にならないことね。ワタシにはこの指輪が有るのよ」
キイラが、ミカノから奪った指輪をちらつかせる。
「返しなさいよ! それは破耶さんとの大切な指輪なの!」
「凄い力を秘めた指輪。金髪ちゃんが持つよりも、ワタシが持つ方が有効に使ってあげれるわ」
「……世界を創ることに利用する気なの?」
「当然よ。こんな退屈な世界を壊す事にも、理想の世界を創る事にも有効に使ってあげる」
「アンタの理想はアタシたちにとっては絶望の塊だわ」
「ゲームの世界が絶望の塊?」
「そうよ。ゲームの世界なんて架空だから良いんじゃないの? 現実に起きたら酷だと思うわ!」
「現実の方が余程酷よ」
キイラが服を脱ぎだす。
「何のつもり?」
「金髪ちゃんみたいな温室には解らないでしょう。この傷の痛みが」
キイラの腹部には縦に傷痕が有った。
「それがどうかしたの?」
「こんな傷痕が有っては、女は死ぬまで地獄をみるのよ! 現実なんて地獄は御免だわ!」
「その傷がきっかけって訳ね……」
ミカノも服を脱ぎ、腹部を見せた。
「……そんなことって!?」
「自分だけが悲劇のヒロインなんて思っている時点で、アンタはどんな世界でも変われないわよ」
「その傷は……誰に!?」
「アンタと同じように現実に絶望していたヤツに付けられたの。ムロを庇ったときに……」
「ムロ?」
「さっき居た赤髪の男よ」
「ああ……ライズ様に楯突いてた三人の一人? あんなのを庇って傷付いてバカじゃないの?」
「好きな人を護るのに理由が要る?」
「好きなって……、傷がある女を好む男なんて居るわけないじゃない」
「残念。アタシとムロは恋人同士よ!」
ミカノが勝ち誇ったように椅子に座る。
「……それじゃ、後ろの二人に傷を付けて!」
キイラが破耶と七菜に石を投げる。
「哀しい女なのだ!」
「全くです」
瞬時に椅子を盾代わりにして防ぐ。
「なんですって!」
キイラが怒りを露にする。
「わたしも夏郷が傍に居てくれるから、現実に絶望はしていないのだ!」
「ポニテ女もか!」
キイラが部屋中の物を投げていく。
「うるさい!」
七菜が椅子を投げ、キイラを投げ飛ばす。
「痛っ!?」
キイラは背中から床に打つ。
「僕には破耶先輩やミカノちゃんみたいな彼氏は居ない。巻き添えは御免さ」
七菜の眼が真剣になる。
「くっそ……」
「ミカノちゃん!」
七菜がキイラから指輪を取り、ミカノに渡す。
「ありがとう七菜!」
ミカノが指輪をはめた。
「放せ!」
キイラがもがく。
「僕たちを元の場所に連れていけば放すさ」
「……誰が行くか? お前達には人質になってもらうんだ!」
「なら……緋が助けに来るまでこのままさ」
「どうやって? 第一、助けに来るのかよ」
「来るさ。だって仲間だからね」
「仲間? あてにならないじゃないの?」
「なるさ。この僕が自然に接することが出来る男だから。初めて心の底から信用できる男だからさ」
七菜の表情が自信に溢れている。
※ ※ ※
「ここだ!」
「確かに城だな」
「夏郷、また景色が変わってきてる」
「……ライズは気を失っている。やはりキイラに原因が有るのかも」
「だったら早く入りましょう! これ以上、好き勝手にされてたまるか!」
「そうだな。行こう、緋」
「同感だ、緋!」




