ゼロスト×ロードバスターズ×仮面英雄伝 闘 ーREAL大戦ー Ⅴ
「何だ……あの光は?」
「何だ……これ?」
「これは!?」
「二人共カッケー!」
光が消えていくと、刀を持った夏郷、武装石を発動した状態のムロが現れた。
「この刀……早姫さんが使っていた刀に似ているような気がするけど」
「これはザンと戦ったときの武装石の……でも武装石はもう無いのに!?」
夏郷とムロは驚いている。
「……何事かと思ったが、刀と変わった鎧を手に入れたぐらいでなんだというんだ?」
「なんだぁ? もしかしてビビってんのか?」
緋がライズを挑発する。
「我は世界を破壊し創るもの。そんな子供騙しが通用すると思っているのか?」
「子供騙しだと!」
ムロが反応する。
「子供騙しか……試してみるか?」
夏郷が言う。
「良いだろう。思う存分動き回り、己の無力さにぶち当たり、苦しみながら命を散らすがいい……」
ライズはそう言うと指を鳴らした。
「!?」
「変わった!」
「……なんで……!?」
三人の居た場所が変わった。
「さあ、かかってくるがいい」
「何だか分からんが行かせてもらう!」
ムロが突撃する。
「どうしたんだ? 緋」
「いや……。この風景、ゲームのフィールドにそっくりっていうか……そのままなような……」
「…………ログアウト出来なかった人達は、その日に戻ってこれたんだよな?」
「戻ってこれたし、ゲームも再起動出来てるけど、今も稼働は停止になってます」
「…………俺の予想だが、あのときのゲームの一連の騒動もライズが関係してるんじゃないか?」
「世界を壊すって野郎が、その世界の、言ってしまえばデータを混乱させた理由は?」
「ライズの世界の破壊と創造に必要だったから。こうやって現実をゲームのフィールドに変えるみたいな事に利用するために」
「……だとしたら……尚更、野郎が許せねえ!」
緋が離れた場所でムロと戦うライズを見ながら言い放つ。
「試してみるか」
夏郷がライズに向かって歩き出す。
「漢はなんにも出来ないのか」
※ ※ ※
「ビュンビュン消えやがって!」
ムロが剣を振るもライズは姿を消すため当たらないでいた。
「立派なのは姿だけか」
「なめんな!」
ムロはグラビティを仕掛けた。
「重力操作か。くだらない技だ」
ライズは空間を変える。
「なっ!?」
「どうした? 重力は終わりか」
「何てことだ!」
ムロは混乱した。
「なるほどな」
夏郷はライズの戦法に苦笑いした。
「どうした。かかってくるんじゃなかったのか?」
「出来るならやってるさ」
「ムロ、落ち着くんだ。確かに俺たちは宇宙空間に居るが普通に喋れる」
「でも無重力は本当だ。動きが制限されちまう」
ムロが焦りをみせながら言った。
※ ※ ※
「今の漢は無力だ。近付いたら、かえって夏郷さんとムロを邪魔してしまう……」
緋が無意識に自分の掌を見る。
「ゲームの空間なら、もしかしたら!」
緋はゲームでのリストを呼び出す動作をする。
【アイテム】
「なんとかなるかもしれないぜエエ!」
緋がアイテムリストから何かを選んだ。




