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ゼロスト×ロードバスターズ×仮面英雄伝 闘 ーREAL大戦ー Ⅳ

「余裕をいつまで保てるか」


 ライズが風圧で攻撃を与える。


「……ちっ!」


 夏郷が堪える。


「夏郷!?」


「平気だ、ムロ。それよりも後ろにいる皆を逃がさないと!」


「そうだな」


「ムロ! 大丈夫!?」


「問題ないぜ……それより、さっきの要領で皆を安全な場所に移せないか?」


「やってみるけど……」


 ミカノが指輪に念じる。


「ライズ! お前は世界をどうしたい!?」


 夏郷が訊く。


「我の理想のために使うのみだ」


「クラッティス・タワーを滅茶苦茶にしたのも、てめえの理想の為かよ!?」


「創造の為には破壊が必要だ」


「てめえの理想郷にはオレたちは要らねえてか?」


「不要だ、だから殺す」


 ライズはムロに攻撃する。


「ぐっ!?……」


「ムロ!」


「……ミカノ、何とかなりそうか?」


「大丈夫よ!」


「そうか……。なら皆を連れて安全な場所に移れ」


「アンタはどうすんのよ!?」


「オレはライズを倒してでも捕まえる」


「今のアンタは非力じゃない!」


「武装石だけが強さじゃねえよ」


 ムロがミカノに合図した。


「わかったわよ」


「待ってミカノちゃん!」


「夏郷さん?」


「俺も残るよ」


「何を言っておるのだ!」


「高校を滅茶苦茶にされたんだ。一泡吹かせないと気が済まない」


「気持ちは判るが……次元が違うのだ!」


「……先輩達を無事に卒業させたいんだ」


「仕方がない……。ミカノ、頼むのだ」


「破耶さん! オレも残るぜ!」


「緋……お前まで!?」


「……ゲームが稼働停止になってからのオレの楽しみは高校ここでの日常だった。それを、あんなワケわからない野郎に無茶苦茶にされたんじゃ悔しくてたまんネエエ!!」


「緋。君の目の前に居るのは、ゲームのキャラクターなんかじゃない、現実の人間だ。それでも戦うのか?」


「たりめえだぜ!」


 緋が七菜に向かって親指を立てた。


「分かった。ミカノ……さん、お願いします」


「うん」


 ミカノが指輪の光を強める。


「やらせない」


「えっ!?」


 何者かにミカノが邪魔される。


「誰なの!」


「ライズ様の邪魔はさせない」


 ミカノが足で踏みつけられる。


(……せめて……ほかの皆だけでも!)


「ミカノ!」


 破耶が光から出た。


「邪魔者が」


「フン!」


 破耶が蹴りで相手を離れさせる。


「ミカノ、大事ないか?」


「平気です!」


 ミカノが立ち上がる。


「逃がすかよ?」


 破耶とミカノが押さえられる。


「……ライズと同類という訳か」


 破耶が言う。


(皆、逃げて!)


「邪魔者!」


「どっちが?」


 七菜が相手の勢いを使って背負い投げをした。


「七菜、どうしてなのだ!?」


「破耶先輩とミカノさんを置いては行けないです」


 ほかの生徒や教師、千景たちやカズマたちは赤い光で移動した。


「放っておけ。それよりも、その指輪が欲しくなった」


「分かりました……ライズ様」


「お前!?」


「邪魔者の分際が口を利くなど」


「覚えてないか? オレと肩がぶつかったのをよ」


「さあな」


「捕らえろ、キイラ」


「はい」


(夏郷……!)


 キイラが破耶、ミカノ、七菜と共に消えた。


「おい、三人を何処にやった!?」


 緋が訊く。


「おそらく……キイラの部屋だろ」


「それは何処だ!」


 ムロが訊く。


「死ぬやつらには必要ないことだ」


 ライズが鎌鼬かまいたちで攻撃する。


「くはっ!!」


 緋が膝をつく。


「痛!!」


 ムロも膝をつく。


(……これは!?)


「大丈夫か!? ムロ、緋!」


「心配ないです! 夏郷さん!」


「夏郷……これ……!」


 ムロが指輪を拾った。


「もしかして破耶が消える寸前に投げたのかも」


「そろそろ死んでもらおう」


 ライズが鎌鼬を仕掛ける。


「光った!!」


 指輪が赤い光を放つ。


「何事だ!?」


 ライズが目を塞ぐ。

 赤い光が夏郷、ムロ、緋を包んだ……。

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