ゼロスト×ロードバスターズ×仮面英雄伝 闘 ーREAL大戦ー Ⅲ
「なあ、なんか様子がおかしくないか?」
「ん?」
友人が、向かいに見える校舎を指差し、緋も見る。
「はあ!?」
窓を突き破りライズが教室に入ってきた。
「……やはり不要な空間のようだ」
「なんだ君は!」
緋のクラスの担任がライズに言う。
「質問が多い世界だ」
ライズが腕を降り下ろすと、教室中が荒らされ、生徒が廊下に飛ばされる。
「うわあ!?」
「きゃあ……」
廊下に悲鳴がこだましているのを他のクラスの生徒や担任が聞き付けた。
「面倒だ」
ライズは、緋のクラスの教室の黒板に手をかざす。
「消し飛べ」
一瞬にして一年の教室が跡形も無くなる。
「……教室に居た他の一年は……どうなった!?」
教員か教室を見ていく。
「そんな!? ……やああああ!!」
別のクラスの担任が悲鳴をあげた。
「先生!!」
教室から出ていた生徒たちが駆け寄る。
「う……」
「ひゃっ!?」
「う……そ……」
生徒たちが見たのは、変わり果てた教室の姿だった。
「愛生……あき!!」
女子生徒が、姿が見えない友人の名前を友人が身に付けていたリボンを手に取りながら叫んだ。
「……!!」
緋が廊下を駆ける。
(まさか!? ……七菜!!)
緋が七菜のクラスの教室を見る。
「七菜あああああ!!」
「何?」
菜が緋の背後から話しかけた。
「うわっ!?」
「呼んどいて驚くとは失礼な」
「廊下に出てたのか!?」
「騒がしかったから気になって」
「……あ~、良かったぜ」
緋が七菜を抱き寄せた。
「なんのつもりだ」
「理由は無え。友達の無事を喜んでんだ!!」
緋が七菜の背中をポンポン叩く。
「……離れたほうがいい。皆が見ている」
「……ああ、誤解されたら困るよな」
七菜に言われ、緋が離れる。
「死んじゃったの!?」
「なんなのよ!!」
「俺らも殺されんのか!?」
生徒たちがパニックになり、校舎の入り口へと駆けていく。
「我の世界のために滅べ!!」
ライズが両手を広げると校舎が崩れていく。
「わあああああ! 」
「いやあああ!!」
「死にたくない!!」
生徒の悲鳴を遮るように校舎が崩れ落ちた。
※ ※ ※
「そんな!?」
「冗談じゃねえ!!」
崩れ落ちた校舎を見て、破耶と新田は言った。
「何てことだ!!」
夏郷も苦痛な顔をする。
「……ちょっと!?」
「何なのだ、千景?」
千景が指差した先に、一年生が集まっていた。
「どういうことだ?」
新田が言う。
「行ってみるのだ」
破耶の号令で生徒会の面々が外に出た。
※ ※ ※
「上出来だぜ、ミカノ!」
「危なかったけどね」
ミカノが指輪を見ながら言った。
「またお前か……」
「それはこっちの台詞だ」
「見たことない場所だが」
「細けえよ。野郎を捕まえるんだろ? カズマ」
アンが言った。
「ムロ、誰か来たみたいだ」
セリオが言う。
「……夏郷!?」
「……ムロ!?」
「どうして夏郷が居るんだ?」
「それは、ここが俺の通う高校だからだ」
「破耶さん!」
「ミカノ!」
ミカノが破耶に寄る。
「こんなに早く会えるなんて思わなかった」
「わたしもだ」
「これは一体?」
七菜が破耶の元に来る。
「七菜、無事だったか!! 良かったのだ」
「アタシが皆を移動させたのよ」
「誰なんです?」
七菜がミカノに訊く。
「アタシはミカノ。破耶さんとは友達なの」
「よくわからないけど、助けてくれてありがとう」
「良いの良いの! それよりも……」
ミカノがライズを見る。
「お前、よくも俺の大事な人達や高校を滅茶苦茶にしやがったな!」
「オレたちの街だけじゃ飽きたらず、夏郷たちの高校まで捲き込みやがって!」
「誰だか知らないけど……漢の気分を害した罪は重いぜ!」
「我の邪魔をするのなら尚更、消さなければならないな」
ライズが、横並びの三人に衝撃を与える。
「平行世界の校長の攻撃や……早姫さんの攻撃に比べたら……」
「……こんなのザンの攻撃に比べりゃ……」
「Sヴァロンの攻撃とかリューゲンと戦ったときの衝撃と比べればアアア……」
「「大したことないぜ!!」」
夏郷、ムロ、緋の声が重なった。




