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第四章 希望への旅立ち Scene3

反射的に横っ飛びした脇をブラスターの熱線がかすめ痛みが走ったが、ルシルは構わずに銃声の方向にトリガーを絞った。


警備兵の絶叫と引き換えに銃声が止む。


「ありがとう、エルティーナ」


焦げ付いたジャケットに目をやり、少女の声が僅かでも遅れていたらと身震いする。


「さあ、早く片付けちゃいましょう」


ここまで来た事で覚悟を決めたのか、少女の瞳にはもう緊張の色がうかがえず、逆に何とも言えない頼もしさを醸し出していた。


少女の豹変ぶりに感心していたルシルは本来の目的を思い出すと、技術者達を一箇所に集めリイクを呼び寄せた。


「リイク…」


技術者達の中の一人が少年の名を呟く。


「知ってるのか?」


年老いた白髪混じりの技術者は大きく頷くと逆に訊ねていた。


「テレストはどうなったんだ?逃げ切れたのか…?」

「殺されたわ…ラマも一緒にね」


エルティーナが静かに首を振る。


「そうか…」

「それより教えてくれ。テレストが持ち出したカプセルを打たれた者はどうなる?」

「何…?」


瞳を落としていた老人が一変して声を上げる。


「テレストは殺される直前、リイクにカプセルを使ったんだ」

「何て事を…」

「そうする以外、あの子を守る方法が無かったの…だからお願い、あの子を元通りにして」


呆然と息を吐く労人にすがりつくように少女が哀願した。


不意に…



老人の体から力が抜けたかと思うとエルティーナに倒れ掛かってきた。


「どうしたの?あ…」


とっさに老人の体を支えていた少女が声を上げた。痩せこけた老人の背中に、たった今打ち抜かれたばかりの弾痕が生々しく煙を上げていたのだ。


「伏せろ!」


反射的に叫んだルシルの声が幾重もの銃声にかき消される。


吹き抜けの二階層に並んだ数十ものブラスターが一斉に火を噴いたのだ。


研究所内に阿鼻叫喚が突き抜ける。


無差別に降り注ぐブラスターの餌食となった技術者達が、なす術も無く断末魔の叫びを残し屍の山と化していった。


「糞っ…」


とっさに機材の陰に飛び込み難を逃れたルシルは舌打ちする。


技術者を盾にすればうかつに撃ってこないと考えたもくろみが、意図もたやすく打ち砕かれたのだ。


自らの甘い考えに歯噛みする…が、ルシルに悔やむ間を与えずに少女の叫びが耳に突きささった。


「リイクっ、早く!」


逃げ送れたリイクを抱きかかえるようにして、エルティーナが向かってきていたのだ。


ルシルは危険をも忘れて身を乗り出すと、手をいっぱいに差し出した。


「早くっ、もう少し…」


その言葉通りに少女の手があとほんの僅かで届きかけたその瞬間…


ーバシッ!


鈍い音と共にエルティーナの背中に光線が直撃した。


少女の青い瞳が驚いたように見開き、瞬時に苦痛に顔を歪ます。

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