明日死ぬ夢を見た
今日が続くだけ。明日は永遠にやってはこない。
とても、暗い場所にいた。
温度は感じない。どくりどくりと空気が脈打ち、終わろうとしていた。
――ふぅ
息を付く。私は明日死ぬ夢を見た。
夜の闇に目が慣れた頃。月明かりが明るいことに気付く。
涙の跡が乾いて痛い。何度か死後の世界の事を考えたことがあったが、そのせいだろう。私が見た夢はそんな世界だった。
ただひたすらに暗く。温度も感じない。声は出せているはずだが、聞こえない。無音の世界に明日行く夢。
そんな世界でも考える事だけは出来るので私は、この短い二四年の人生をたった一回の夢の中で振り返った。振り返ると悔やまれるべきところが多すぎた。
そして、緩急のない人生と思っていたが振り返ると意外にもよい人生だったと言えた。
そして、やり残したことが多すぎた。
そして、このことを私は生かせないだろう。私は明日死ぬと分かっていても、何もできずに終わってしまうだろう。
夢で見た時間が差し迫ってきた。ちょうど後三時間ほどで今日が終えるが、ただ私はこれ以上悔恨を増やさないように生きるので精一杯だ。
せめて明日を精一杯生きようと思うだけだ。