7話 好きな人
読みずらいかと思いますが、
どうか最後まで読んでやってください。
私は今、屋上への階段をのぼっている。
相葉に、忘れ物をしたことを伝える為に。
屋上に最も近い踊り場まで着くと、かすかに話し声が聞こえた。
(良かった、まだ居た。)
そう思うと心なしか足が速くなる。幸いにも、屋上の扉は開いたままだった。
・・・とは言え、2人は話している最中なのだから、水を差してはいけないと思い、
入り口のところに隠れていることにした。
――――――‘この間の話’って、何だろう・・・?――――――
急にそんな考えが頭をよぎった。
さっき感じた、嫌な予感を、思い出した。
私は、いてもたっても居られなくなり、2人の会話に耳を傾けてしまった。
後のことを考えれば、そんなことをしたら相葉に愛想を尽かされてしまうかも知れない。
でも、それよりも、このどうしようもない不安が、私の心の殆どを支配していた。
心の中で、相葉に謝り続けた。
2人は、黙りこくっている。
未優が、口を開いた。
「――で、相葉の、気持ちは??・・・あたし、ずっと待ってたんだよ?いい加減、答えてよ・・・」
泣き出しそうな声で、そう言った。
(・・・・・もしかして、この間の話って・・・・・・)
コ ク ハ ク ?
私に黙って、気持ち、伝えていたんだ。
‘親友なんだから、もうちょっと頼ってくれたっていいじゃん。’
‘私って、そんなに口軽そうかなぁ?’
‘私の知らないところで、すっごく頑張ったんだね。’
いろんな想いが頭に浮かぶ。
私がひとりで混乱していると、相葉が、少し重たそうな口を開いた。
「・・・・宮入、ごめん・・・。俺、他に好きな奴が、居るから・・・。」
・・・好きな人・・・?