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【第八回・参】試して合点

明日からは待ちに待った夏休みという日の夕方

京助の元にかかってきた一本の電話

その内容は…

「…やってきましてありがとう…」

南が校門の前で言った

「本当にありがとう…」

その南に続いて京助が空を見上げて言う

「夏休み------------------------------------------------------ッ!!」

そして坂田が叫んだ

七月も半ばを少し過ぎて北海道の北部もやっと夏らしくなってきた今日この頃

正月町の小中学校、そして高校が一斉に夏休みという心待ちにしていた時を迎えた

「俺はもう今年の夏の自由研究決めてあるんだもんね~」

南が愛車ニボシを押しながら言う

「めっずらし~! 何やるんだよ」

中島が南に聞いた

「俺?コレは誰もやらないと思って去年から暖めてたんだよな~」

南がフッフと笑いながら言う

「勿体つけんなって」

京助が南を肘で小突いた

「聞いて驚け!! 俺の自由研究! 題して…【一年間の火曜サスペンス劇場のサブタイトルで一番長いのはどれか!! そしてそれは何文字か!!】だ!!」

南が高らかに答える

「うっわぁ…スンゲェくだらな~…」

坂田がヘッと笑って顔をそらした

「コレやるために一年間火曜だけの道新溜めてたんだよなぁ…」

南がしみじみ言う

「…アノ部屋の何処にあったんだ…新聞; ってかどこにおいてあるかわかんのか? あのチョ汚い部屋の中で」

中島が南の魔境かつ魔窟となっているチョ汚い部屋を思い出して聞いた

「たぶん (強調)クローゼットか押入れのどっか」

南が答えた

「お前ナァ;」

京助がやる気なく裏手で南に突っ込みを入れる

「じゃぁ俺は幻想○滸伝シリーズ通して【! (ビックリマーク)】が何個あるのかっての数えてやってみようかね」

坂田が言った

「じゃ俺は何やろうかナァ…」

京助が南を坂田に対抗すべく突拍子もない自由研究をしようと考え込む

「ヒマワリと人間の交わりそしてその子供とは」

中島が言うと京助が回し蹴りを中島に放った


栄野家の台所にある冷蔵庫におじゃる丸のマグネットで貼られたカラフルな夏休みの計画表にかかれたかろうじて読めるミミズ文字

「五時半に起きて~ラジオ体操行って~…」

悠助が自分で立てた夏休みの計画表を何度も嬉しそうに見返して確認をしている

「何してるんだっちゃ? 悠助」

母ハルミが茹でた昼飯用の冷や麦をざるに入れて持った緊那羅きんならが悠助の上から計画表を見た

「コレ? 夏休みをどうすごしますかっていうの書いたの」

悠助が緊那羅きんならに笑顔で答える

「夏…休み?」

緊那羅きんならが聞き返す

「そう~今日から…えっと…学校が長いお休みなの」

悠助が説明する

「じゃぁ悠助ずっといるの?」

慧喜えきが膝を付いて悠助と目線をあわせて聞いた

「うん!!」

悠助が頷くと慧喜えきの顔がぱぁっと明るい笑顔になった

「本当!? 本当にずっと悠助いるのか?」

慧喜えきがずいっと悠助に近づいて再度聞く

「そうだよ~? ずっといるの学校始まるまでだけど」

悠助が言うと慧喜えきがもうどうしょうもないくらい嬉しいんだってば!! というカンジで悠助に抱きついた

「京助も夏休みなんだっちゃ?」

慧喜えきに思い切り抱きしめられている悠助に緊那羅きんならが聞く

「そうだよ~」

悠助が答えた

「ハラヘッタ~;」

ガラガラと玄関の引き戸が開く音がして今まさに話題にしようとしていた人物が帰宅した

「夏休みってそんなに嬉しいものなんだっちゃ?」

冷や麦を半分汁につけた緊那羅きんならが京助を見て聞いた

「そらな~朝早く起きなくていいし勉強しなくてもいいし」

京助が刻んだキュウリを汁の中に入れながら答えた

「何言ってんのあんたは…ラジオ体操! そして宿題あるんでしょうが」

母ハルミが京助に言った

「緑の僕が食べる~」

京助が摘んだ冷や麦の中にあった緑色の麺を見て悠助が言う

「しゃぁねぇなぁ; 味は一緒だろに…ってか俺中二になってもいかねぇとアカンわけ?; ラジオ体操…」

悠助の汁の中に緑麺を入れながら京助が言う

「あたりまえでしょ!! 休みの時には休みの時なりに過ごしなさい!!」

母ハルミが言った

「ラジオ体操って何?」

悠助の隣で慧喜えきが聞く

「んとね~朝起きてね~皆で体操するとハンコもらえるの」

悠助が緑麺を摘んで嬉しそうに答えた

「ってか…いつもより早く起きねぇとアカンやん;」

勢いよく冷や麦をすすった京助が言う

「緊ちゃんと慧喜えきも一緒にいこ~?」

悠助が緊那羅きんなら慧喜えきを見て言った

「私もだっちゃ?」

緊那羅きんならが箸を止めて悠助を見る

「俺は行く」

慧喜えきがにっこり笑って悠助に言った

「皆で行ってきなさい? ね? 京助」

母ハルミが笑いながら言う

「…ってかまた俺主体かよ…;」

箸に染みた汁をかみ締めながら京助が肩を落とした


灰皿の上で渦を巻いている蚊取線香から細く上がった煙の匂いが縁側付近に広がる

「ヒマ子さんに水の時間だっちゃね」

縁側下においてあったサンダルを履いて緊那羅きんならが庭に下りた

「あら…もうそんな時間ですの?」

ゴトゴト鉢を引きずってヒマ子がやってきた

「もう7時だっちゃ」

緊那羅きんならが庭先の蛇口をひねると緑色のホースから水が出る

「まだ明るいですわね…まだ日光浴できそうですわ」

鉢の中に注がれる水を見ながらヒマ子が言った

「そうだっちゃね」

緊那羅きんならが笑いながら答えた

「京助~!! 京助って」

母ハルミの声が聞こえた

「京様お呼ばれになっておりますわね」

ヒマ子が体をひねって家の中を見る

「京助は確か…さっき風呂に行くとか言ってたっちゃ」

ヒマ子と同じように家の中を見た緊那羅きんならが言った

「まぁ…お背中など流して差し上げたいですわ」

ヒマ子が身をよじって頬を赤らめる


「ったく…風呂くらいはいらせろや;」

微かにぬれた足音とぼやきが聞こえた

「…京助…;」

「キャ-------------------------!!!!!!!!!!!!」

ほんの少し見えた京助の姿を見て緊那羅きんならが呆れた顔をしヒマ子が悲鳴を上げた

「何て格好してきてんのアンタはッ!!」

そして聞こえた母ハルミの声

「隠すトコ隠してるからいいじゃんかッ; ってか持ってきてくれてもいいじゃんかッ!!!」

それに返す京助の声も聞こえた

「巻いてくるならバスタオルにしなさいッ!!」

更に母ハルミの声がした

「わーったよッ; …はいよ」

やっと電話に応答したらしい京助の声がすると静かになった

「…またアノ格好で戻るんだっちゃ…?;」

水が出っ放しのホースを手に緊那羅きんならが呟く

「何度でも私は歓迎いたしますわ」

身をくねらせてヒマ子が言った

「母さん俺ちょい行ってくる」

京助の声と足音が聞こえた

「どこに?」

母ハルミが聞き返している

「学校~あ、風呂のふた閉めてねぇから閉めといて」

遠ざかる京助の声と足音

「…お出かけになられるようですわね」

ヒマ子が家の中を見て言う

「学校行くみたいだっちゃ」

緊那羅きんならが水を止めに蛇口の方に歩き出すとガラガラと玄関の引き戸が開く音がした

「お、緊那羅」

蛇口をひねっていた緊那羅きんならに京助が声をかけた

「京様お出かけですの?」

ヒマ子が鉢を引きずって緊那羅きんならの隣から聞いた

「ああ…学校行ってくる…来るか?」

ズボンのベルトを締めながら京助が緊那羅きんならに聞いた

「行きたいのは山々なのですが…夫のいない間に家を守るのが妻の務め…」

ヒマ子が言う

「…あのな;」

京助が肩を落とした

「何しにいくんだっちゃ? 夏休み…というかもう暗くなるのに…」

緊那羅きんならがホースを置いて顔を上げて聞いた



夕焼けがようやく夕焼けになってきた空の下

「…そういえば京助って朝に学校行く時コレに乗らないっちゃね」

京助が漕ぐ自転車に立ってフタケツしている緊那羅きんならが京助に言う


【解説しよう。フタケツとはいわゆる二人乗りのことである】


「あ~…んなチャリ引っ張り出してる時間ねぇし…走った方裏道やら使えるしな」

京助が答える

「…早く起きればいいことだと思うんだっちゃけど」

緊那羅きんならがボソッと呟いた

「うるへい; 朝は眠みぃんだよ; 弱いんだよ俺はッ;」

聞こえたのか京助が言う

「でもラジオ体操って朝早いって…」

京助を見下ろして緊那羅きんならが言った

「…いかねぇとまた母さん怒んだろうなぁ…;」

溜息混じりに呟くと京助は漕ぐ速度を上げた


「やーはー!!」

校門前に見えた二つの人影のひとつが手を上げた

「よっす」

キキィ----------っとブレーキをかけて京助が自転車を止めると緊那羅きんならが後ろから飛び降りた

「ラムちゃんもやーはー」

南が緊那羅きんならに手を振る

「中島は?」

京助がいない中島を探す

「立ちション」

坂田が校門脇を指差すと中島が丁度土手から上がってきた

「で?」

京助が自転車から降りて坂田を見た

「明日でもよかったんだけどさぁ…やっぱこう…スリルが欲しくないですか夏休みだし」

坂田が自分の自転車に寄りかかりながら言う

「夏だしね」

南がハッハと笑う

「稲川淳二の季節だし」

中島が頷く

「…何かするんだっちゃ?」

緊那羅きんならが3馬鹿に聞いた

「学校侵入」

京助がどこから取り出したのか懐中電灯を灯火すると3馬鹿も各々の手に持った懐中電灯を点けて顔の下から照らした

「ついでに肝試し? みたいな」

南が笑いながら懐中電灯を緊那羅きんならに向ける

「ただ忘れ物取りに行くだけじゃつまんないと思いまして…」

坂田が懐中電灯を消して言った

「ちょっとオプションついたほうがお得だと思いませんか? 奥さん」

中島が緊那羅きんならに言う

「…よくわからないっちゃけど…学校の中に今から入るんだっちゃ?」

緊那羅きんならがもうだいぶ夕闇に染まった校舎を見た

「……;」

そして無言になる

「怖いのか?」

京助が緊那羅きんならに聞く

「こ…っ; 怖くなんかないっちゃッ!!; ただ不気味だなって思っただけだっちゃッ!!;」

「声裏返ったヨー…」

緊那羅きんならが必要以上の声量で返すと坂田が突っ込んだ

「まぁ何か出た時にはアレだお経」

中島が言う

「お…経?」

緊那羅が京助を見る

「…お前何か受け取り間違いしてんぞ緊那羅きんなら; 俺に【お】をつけたって成仏させれないからな;」

京助が緊那羅きんならに言った

「あのねラムちゃん; お経って言うのは南無妙法蓮華経~とかいう呪文…みたいなので…」

南が緊那羅きんならにお経の説明をし始めた


「なんみょうほうれんげきょう…だっちゃ」

緊那羅きんならがボソボソと南から聞いたお経を言い返している

「…最後にだっちゃついても効くんだっちゃかねぇ」

坂田がそんな緊那羅きんならを見て言う

「でもさぁ…鍵開いてねぇんじゃね?」

生徒玄関前で京助が3馬鹿と緊那羅きんならを振り返った

「玄関はそりゃ閉まってるだろ」

坂田がタタンと階段を駆け上がって少し歩きそして飛び降りた

「中庭通って渡り廊下の端っこの窓…鍵閉まらないんだわ」

ニッと笑った坂田が歩き出す

「…お前…はなっから侵入目的だったんだろ」

そう言いながら中島が坂田の後に続いた

「ハッハッハ!! 楽しいねぇ~」

南が笑って同じく飛び降りた

「楽しくないっちゃ…;」

はぁと溜息をつきながら後に続く

「やっぱ怖いんじゃねぇか;」

あからさまに嫌がっているとしか思えない緊那羅きんならを見て京助が呟いた

中島の背を借りて窓を開けた坂田が先に中に入る

「ヘイ!! 京助!!」

坂田の手を掴んだ京助が中島に押してもらい中に入った

「次南」

そして京助と坂田に引っ張られ中島に押されながら南が続いて中に入る

「ほれ! 緊那羅きんなら

坂田が手を伸ばして緊那羅きんならを手招きする

「…うえぇ~…;」

緊那羅きんならが嫌々ながらも坂田の手を掴むともう片方を京助が掴んで同時に引っ張り上げる

「最後に中島ッ…と」

京助と坂田が思いっきり中島を引っ張り上げた


「侵入成功ッ!!」

南が小さく拍手をした

「何だかルパンな気分?」

懐中電灯を点けた中島が言う

「誰が五右衛門?」

同じく懐中電灯を点けた京助が3馬鹿と緊那羅きんならを照らしながら言った

「5人いるから銭形のとっつあんもできんじゃん…って…ラムちゃん?」

フラッと歩き出した緊那羅きんならに南が声をかけた

「お…い?; 緊那羅きんなら?;」

京助が緊那羅きんならの腕を掴んで名前を呼ぶ

「放して」

緊那羅きんならが京助の手を掴んだ

「ごめんね行かなきゃいけないの」

緊那羅きんならが言うと3馬鹿と京助が驚く

「今…お前なんつった…?」

京助が再び緊那羅きんならの手を掴んで聞く

「放してってば!! 行かないといけないの!! 待ってるの!!」

緊那羅きんならが京助の手を振り解いて数歩下がった

「ラム…ちゃん?; いつものだっちゃ…は?;」

南が懐中電灯を緊那羅に当てながら言う

「な…なぁ…;」

坂田が隣にいた中島を揺すった

「い…稲川淳二?;」

中島が呟く

「むしろ…ギボアイコ?;」

京助が払われた手をさすりながら呟いた

「いけない…早く行かないと…ッ」

「あ!! おい!; 緊那羅きんなら!!」

タッと駆け出した緊那羅きんならが渡り廊下の暗闇に吸い込まれるように消えていく

緊那羅きんなら!!;」

ワンテンポ置いて京助が緊那羅きんならの後を追いかけると顔を見合わせた3馬鹿も京助の後に続いた


走っているせいか懐中電灯の光を四方八方に忙しなく飛び散らせて京助が微かに見える緊那羅きんならの後姿を追っている

「ば…ッ!!; そっちかいだ…」

そう言いかけた京助が手を思いっきり伸ばして緊那羅きんならの腕を掴むとガクンと緊那羅きんならが階段を踏み外した

「だぁッ!!;」

「でっ!;」

「ちょ…ッ!!;」

「危なッ!!;」

緊那羅きんならの腕を掴んで一緒に階段から落ちるところだった京助のシャツを坂田が間一髪掴み、その坂田のズボンを南が引っ張ってそしてその南の足を中島が捕まえた

「せ…セーフ…;」

階段の手摺につかまって中島が言う

「ナイスコンビネーション俺等;」

坂田が腕で汗をぬぐった

「大丈夫か京助~;」

南が坂田の体の横から京助に声をかける

「一瞬あの世が見えたような気が…;」

坂田がシャツを引っ張った時に首が絞まったのか京助が涙目で首をさすっている

緊那羅きんならは?」

中島が上から言うと京助がハッとして緊那羅きんならを見た

「…いる;」

自分の手の中の緊那羅きんならの腕を見てそしてその先に緊那羅きんならの姿を見て京助がホゥと安堵の息を漏らした


「…思い出した」

緊那羅きんならが呟いた

「そう…私階段から落ちたんだっけ…」

「はぃ?;」

緊那羅きんならの言葉に京助と3馬鹿が声を揃えた

「…じゃぁ…この私は…」

緊那羅きんならが震える声言いながら自分の手を見た

「この私って…お前は…誰だ?;」

そんな緊那羅に京助が聞いた

「…大沼妙子おおぬまたえこ…アンタは?」

緊那羅きんならが京助を見て言った

「聞いたことねぇ名前だし…緊那羅きんならがだっちゃ節じゃない話し方してるってことは…やっぱコレ稲川淳二?;」

坂田が顔を引きつらせながら言う

「俺は京助で…オカマと若とすね毛」

京助が3馬鹿を適当に紹介すると中島の投げた懐中電灯が京助の後頭部にめり込んだ

「俺は南ってん…だけど…さぁ…その…本当にラムちゃんじゃないの?;」

南が緊那羅きんならの近くまで階段を下りてきて緊那羅きんならを見る

「…ラム…ちゃん…っていうの? この子…じゃぁやっぱり私じゃないんだ…」

緊那羅きんならが自分の両手を見てそして南を見て言った

「なんだって緊那羅きんならに…;」

中島と共に緊那羅の近くまで降りてきた坂田が緊那羅きんならに聞いた

「ソレは私が聞きたい」

緊那羅きんならが坂田に言う

「友達待たせてたから走ってただけなんだもん…そしたら体がふわっと軽くなって…」

「階段から落ちたんだな」

京助が頭をさすりながら言った

「…ってことはやっぱ…」

中島が緊那羅きんならを見る

「…俗に言う…アレ?;」

南が引きつった笑いをする

「可愛く言うとオバケ?;」

坂田が手を幽霊お決まりのポーズにして言った

「オバケって嫌な言い方~」

緊那羅きんなら…というか実際は妙子が口を尖らせた

「というか…ここどこ?」

3馬鹿と京助の懐中電灯で周りだけが照らされている階段の踊り場を見て緊那羅きんなら (妙子)が聞く

「学校」

京助が答えた

「うっそ! だって凄くボロい!!」

緊那羅きんなら (妙子)が言う

「…もしかして正月の生徒じゃないんじゃない?えっと…」

南が緊那羅きんなら (妙子)を見て言った

「妙子だよ…正月…ってどこ?」

緊那羅きんなら (妙子)が南を見返して答える

「たえちゃん…ってどこの生徒?」

南が緊那羅きんなら (妙子)の前にしゃがんで聞いた

「千葉…の松戸…っていうか思えばアンタ達変な話し方…」

緊那羅きんなら (妙子)が京助と3馬鹿を見渡して言う

「千葉の幽霊が何でほっきゃーどーにまで遠征してきてるわけ?;」

中島が聞いた

「だから! ソレは私が知りたいんだって!!」

緊那羅きんなら(妙子)が中島を睨みながら言う

「ままま…; とにかく…だ、えっと…たえ…こ?;」

京助が途切れ途切れに緊那羅きんなら (妙子)を呼んだ

「何?」

緊那羅きんなら (妙子)が京助の方を向いた

「こいつの体から出られないわけ?」

京助がコイツと緊那羅きんならを指差して聞く

「知らないよ!!; 気がついたらコノ体だったんだもん; 私が教えて欲しいくらい!!」

緊那羅きんなら (妙子)が自分のシャツを掴んで京助に向かって言った

「う~ん…; 困ったねぇ;」

南が苦笑いで言う


「わ------------------------ッ!!」

「ギャ--------------------------------------------------------ッ!!!!!!?;」

今まで黙っていた坂田がいきなり大声を上げると京助と南、中島に緊那羅きんなら (妙子)が悲鳴を上げてお互いに抱きついた

「な…何…ッ;」

中島が坂田を見た

「出たか?」

坂田が緊那羅きんなら (妙子)を見た

「…な…にが?;」

南と京助に抱きつく体勢で緊那羅きんなら (妙子)が坂田に聞く

「だっちゃがまだついてないってことは…駄目か」

坂田がフムと顎に手を添えて首をかしげた

「…おんまえは…; シャックリじゃねぇんだからよ;」

京助が呆れ顔で言う

「いやいや…物は試しっていうじゃあ~りませんか」

ソレに対し坂田がエセっぽい爽やかな笑顔で手を振りながら言った

「はぁ…; ったく…」

京助が溜息をつく

「アンタ達…馬鹿でしょ;」

緊那羅きんなら (妙子)が呟いた


古い校舎の廊下は一応はタイル張りになってはいるものの所々が色が違ういかにも後から埋め込んで修正しましたというカンジになている

「あ、ソコ剥がれてるから足気をつけろよ」

【ソコ】といいながら京助が懐中電灯で剥がれているというタイル部分を照らした

「ねぇ…何しにきたのさ」

緊那羅きんなら (妙子)が京助の後ろを歩きならが聞いた

「忘れ物とりにきたついでの肝試しだったんだけどねぇ…;」

緊那羅きんなら (妙子)の隣を歩きながら南が言う

「予想外の出来事がさ;」

緊那羅きんなら (妙子)の後ろで中島が言った

「まさか本物のオバケに出会うなんて思ってもみんかったし」

京助の隣を歩いていた坂田が振り返って言う

「だからオバケじゃないよ!!」

緊那羅きんなら (妙子)が言った

「だってじゃぁ何だよ;」

坂田が懐中電灯で緊那羅きんなら (妙子)を照らした

「私は死んでないもん」

緊那羅きんなら (妙子)が言う

「でも体は? ソレラムちゃんの体だよ? たえちゃんのは?」

南が緊那羅きんなら(妙子)に聞いた

「知らないって…!! でも死んでないっ!!」

緊那羅きんなら (妙子)が食って掛かる

「どうしたもんかねぇ;」

中島が頭の後ろで手を組んで言った



「あっと…ちょいまち~」

京助がいきなり足を止めた

「なした?」

京助より数歩先に進んだ坂田が振り返って聞いた

「寄ってく」

京助が懐中電灯を点けたままポケットに入れて親指で指したところには男子トイレのあのマーク

「じゃおーれもッ」

南も手を上げた

「ツレション ツレションたんのしいな~」

坂田が軽やかな足取りでトイレの中に入っていく

「じゃぁ…私も行ってくるから…懐中電灯貸して」

緊那羅きんなら (妙子)が中島に向かって手を出した

「ほいよ」

緊那羅 (妙子)の手に中島が懐中電灯を手渡すと緊那羅きんなら (妙子)が男子トイレの隣の女子トイレに入って行った


「ほぉ~ぅ…」

並んだ便器に並んだ3馬鹿と京助が何ともすがすがしい顔で用を足し始める

「いや~…溜めてた溜めてた…」

南が言う

「…あれ? 緊那羅きんならは?」

用を足し終わってズボンのファスナーを上げていた坂田が言った

「ああ…さっき女子…」

「何--------------------------!!!?;」

中島が言いかけると聞こえた緊那羅きんなら (妙子)の声

「…の方にいったけど緊那羅きんならって…俺等の仲間だったんだよナァ;」

中島が思い出したように言う

「じゃ今の声はアレか…未知なる物体を見た乙女の叫びか」

京助が手を洗いながら口の端を上げて言った

「ちょっとっ!!!;」

「キャ--------!!;」

いきなり男子トイレに殴りこんできた緊那羅きんなら (妙子)にまだ用を足していた南が可愛らしい悲鳴を上げる

「な…なな…っ;」

緊那羅きんなら (妙子)が自分の股間部分を指差して赤い顔をしている

緊那羅きんならもうお婿にいけないな…」

坂田が洗った手を振って水を切りながら言った

「何かついてるッ!!;」

緊那羅きんなら (妙子)が言う

「チンコ」

中島がさらっと言うと緊那羅きんなら (妙子)止まった

「ち…」

「ち--------ん---------------こ------------------」

緊那羅きんなら (妙子)の横で京助が言う

「こんななりしてんだけどコイツ俺等と一緒の男の子でして」

京助が緊那羅きんなら (妙子)の肩を叩いていった

「っ…; じゃあ私トイレできないじゃないッ!!;」

赤い顔で緊那羅きんなら (妙子)が怒鳴る

「簡単簡単!! 摘んでシャーっと」

坂田が笑いながら言う

「できないッ!!;」

緊那羅きんなら (妙子)が坂田を突き飛ばした

「見ちゃったんだしこの際触っても大丈夫大丈夫」

南が手を洗いながら言う

「イヤ------------------ッ!!; 絶対イヤ!!; 無理ッ!!;」

緊那羅きんなら (妙子)が怒鳴った

「じゃ漏らす?」

京助が言うと緊那羅きんなら (妙子)が再び止まる

「…う…;」

涙目で緊那羅きんなら (妙子)が3馬鹿と京助を見ると一同がまるで面白いおもちゃを目の前にしたような無邪気なお子様的表情で緊那羅きんなら (妙子)を見ている

「今夜の~ご注文は~…ドッチッ!!」

南が緊那羅きんなら (妙子)を指差して言った

「まぁアレだ…何事も経験」

坂田が緊那羅きんなら (妙子)の肩を叩いて言う

「…外で…待ってて;」

緊那羅きんなら (妙子)が小声で言って俯いた


トイレから静かに出てきた緊那羅きんなら (妙子)を3馬鹿と京助が見た

「どうだった?」

中島が緊那羅きんなら (妙子)に聞く

「…どうって…言われても…ッ;」

まだ感触があるのか自分の手を軽く握ったり開いたりを繰り返しながら緊那羅きんなら (妙子)が赤くなる

「簡単だったろ?」

坂田が笑いながら言った

「どこが!?; 軽く持ってたらトイレからはみ出そうになるし…かといって…って何言わせんのさッ!!;」

妙子が赤い顔を更に赤くして怒鳴った

「んん~いいねぇ~新鮮な反応」

南が笑いながら言うと緊那羅きんなら(妙子)が南を押した

「ひと夏の経験だな」

京助がうんうん頷く

「そうだ!! たえちゃんコレ自由研究にしたらは?」

南が言った

「コレ?」

緊那羅きんなら(妙子)が首をかしげる

「題して…【女子禁制!! 男子のヒミツ!!】」

「やらないッ!!;」

南が言うと緊那羅きんなら (妙子)が怒鳴った


トイレを過ぎて職員室脇の階段を登ると三年の教室がありその奥にあるのが

「美術室…かぁ;」

古びた扉のガラスから中島が中を覗き込んだ

「…さすがに不気味だぞ;オイ;」

そして振り返って言う

「こんなトコに何忘れたんだよお前;」

京助が坂田に聞く

「携帯」

坂田がさらっと言う

「え!? こんなトコでも電波あるの!?」

緊那羅きんなら (妙子)が驚いて言った

「あのなぁ…; そりゃ千葉…だかに比べたら田舎の中の田舎かもしれねぇけど…;」

京助が言いかけて言葉を止めた

「どうした?」

中島が京助を見る

「…コイツの名前は」

京助が緊那羅きんなら (妙子)を指差して3馬鹿に聞いた

「コイツ…って…」

南が緊那羅を指差すと京助が頷く

「私は妙子」

緊那羅きんなら (妙子)が答える

「でも体は緊那羅きんなら…なんだよな」

中島が緊那羅きんなら (妙子)を見て言った

「でも私は大沼妙子!!」

緊那羅きんなら (妙子)が強く言う

「だったら…ラムちゃんはどうなるの?」

南がボソっと言った

「体はラムちゃんでも中身はたえちゃん…じゃぁラムちゃんの中身は?」

南が言うと揃って緊那羅きんなら (妙子)を見る

「知らないよ!!;」

緊那羅きんなら (妙子)が一歩引いて言った

「このまま妙子だかが緊那羅きんならの体に憑いたまんまだったら緊那羅きんならって…」

坂田が言うと一同が緊那羅きんなら (妙子)を見たまま沈黙した


チャ~ンチャ~ンチャチャ~ン…♪

ンブブブブブブ (バイブ音)

ンゴガガガガガ (机の中にあるらしい)


「うおぅ!!;」

沈黙していた中いきなり鳴り響いた葬送行進曲とバイブ音に一同がオーバーリアクションですくみ上がった


チャ~ンチャ~ンチャチャ~ン…♪

ンブブブブブブ (バイブ音)

ンゴガガガガガ (やっぱり机の中にあるらしい)


「…親父…帰ったらノす…;」

ずり落ちたメガネをかけなおすと坂田が美術室の戸を開けた

「お前…いまだ親父さんの着信葬送行進曲なんだな;」

京助が言う

「変えるの面倒くせぇし…えーと…」

後ろから三列目窓際から二列目の机の中がほんのり赤色の光を放っていた

「何でまた美術室に携帯忘れるかね…」

南が戸口で言う

「一学期に作った石膏の手ぇ取りに来たとき忘れたみたいでさ」

坂田が机の中から携帯を取り出して開いた

「…親父さん何だって?」

中島が聞く

「…風呂はいれだとさ」

坂田が携帯を閉じながら言った

「相変わらず携帯会話なのかお前ンとこ」

京助が口の端を上げて言う

「前よりは直接会話増えたけどな…母さんがキレるから」

坂田がポケットに携帯をしまって戸口に向かってきた

「さって…忘れ物もとったし…かえ…れないんだよなぁ; まだ;」

坂田が緊那羅きんなら (妙子)を見て言う

「もうひとつ…忘れ物あったな;」

中島も緊那羅きんなら (妙子)を見た

「忘れ物って…私?;」

緊那羅きんなら (妙子)が自分を指差すと3馬鹿と京助が頷く

「たえちゃんの忘れ物…たえちゃんの体?」

南が緊那羅きんなら (妙子)に向かって言った

「コレは緊那羅きんならの体だから…返してもらわないとな」

京助が緊那羅きんなら (妙子)の髪を引っ張って言う

「私だって返したいよ!; もう次トイレしたくなる前に!!;」

緊那羅きんなら (妙子)が言った

「そんなにイヤだったのか? チン…」

「言わなくていいッ!!;」

京助が言いかけると緊那羅きんなら (妙子)が京助の口を押さえた

「とにかく…どうして千葉のお前がここまで来たのか…そしてお前は生きてるのか死んでんのか…それくらいわからねぇとなぁ;」

中島が言う

「だよねぇ…; せめてたえちゃんが生きてるか死んでるかくらいわからないかなぁ;」

南が腕を組んで考え込む

「う~ん…;」

少ない脳みそをフルに使っているらしく3馬鹿と京助が唸った

「…なんとか向こうの誰かと連絡取れれば…私の体…私が…」

緊那羅きんなら (妙子)が小さく言う

「連絡…かぁ…」

京助が呟く


チャラッチャラッチャチャッチャ~ン!! ズキューン!!♪

ンブブブブブブブ (バイブ音)


「っおおおおおおおお!?;」

坂田の尻ポケットから軽快に流れたルパン三世のアノテーマ曲 (銃声音付)に再び一同が飛び上がって驚いた


チャラララチャッチャッチャッチャッ♪ルパンザサァ~ズ♪ (声入り)

ンブブブブブブブ (バイブ音)


「し…ばた;」

坂田が壁に手をつきながら尻のポケットから携帯を出した

「バイブにしとけ!! バイブに!! ってかマナー!!;」

京助が坂田に向かって怒鳴る

「文句なら柴田に言え!; あ~…チビるかと思った;」

坂田が携帯を開きながら言った

「…あるじゃない連絡手段」

緊那羅きんなら (妙子)が言う

「…どこに?」

3馬鹿と京助が緊那羅きんなら (妙子)を見て口をそろえた

「…目の前に」

緊那羅きんなら (妙子)が坂田を指差して言う

「俺?」

坂田が自分を指差して聞く

「お前佐川急便でもやるのか?」

京助が坂田に言った

「…アンタ達…本当馬鹿だね…;」

坂田を指していた手を下げて緊那羅きんなら (妙子)が溜息をつくと3馬鹿と京助が顔を見合わせて首をかしげた


「携帯なら携帯って言えよナァ;」

坂田が携帯を開けしながら緊那羅きんなら (妙子)に手渡す

「気づくでしょ…普通;」

受け取りながら緊那羅きんなら (妙子)が言った

「番号わかんの?」

南が緊那羅きんなら (妙子)に聞く

「わからなかったら貸せって言わないよ」

緊那羅きんなら (妙子)が携帯を開き素早く親指でボタンを押し始めた

「…神業…」

見ていた京助が呟いた

「コレくらい普通…あ、かかったかかった」

緊那羅きんなら (妙子)が言うと3馬鹿と京助が耳を澄ました


トゥルルル…トゥルルル…


「…つながらないね」

南が言う

「誰にかけたんだ?」

中島が聞いた

「自分…」

緊那羅きんなら (妙子)が小さく返した

「…あのナァ; お前ここにいるのに誰が取るんだよ誰が;」

京助が溜息混じりに言う

「あ…そっか」

緊那羅きんなら (妙子)が携帯を耳から話して切った

「馬鹿に突っ込まれちゃった…」

ボソッと言うと緊那羅きんなら (妙子)が再び指を素早く動かす

「…今なんか言ったろ」

京助が緊那羅きんなら (妙子)を見て言った

「…つながりますように」

呟いた緊那羅きんなら (妙子)が通話ボタンを押して携帯を耳に当てた


トゥルルルル…トゥルルルル…プッ


『誰?』

「出たッ!!」

「何ッ!!」

緊那羅きんなら (妙子)が声を大きくして言うと3馬鹿と京助が一斉に緊那羅きんなら (妙子)を見た

『…誰だよ』

電話の向こうの人物が不機嫌そうに聞いてきた

三春みはるだよね?」

緊那羅きんなら (妙子)が受話器の向こうの人物の名前なのか聞き覚えのない名前を口にした

『そうだけど…お前誰』

「信じてよ? 私は妙子」

不機嫌そうな電話の向こうの三春というらしき人物に緊那羅きんなら(妙子)が自分の名前を言うと3馬鹿と京助が息を呑んだ

『…は? 何…だって妙子…』

「ソレはどうでもいいや…あのね!! わた…大沼妙子今なにしてる!?」

何か言いかけた電話の向こうの見張るの声を遮って緊那羅きんなら(妙子)が聞いた

『…誰だか知らないけど…妙子は今病院…』

「生きてるの!?」

また言いかけた電話の向こうの見張るの声を遮って緊那羅きんなら (妙子)が聞く

『意識ないけど生きてはいる…ってかお前誰?』

やっと聞けたというカンジの三春の声が聞こえた

「アンタの幼馴染! 大沼妙子!!」

緊那羅きんなら (妙子)が言う

『はぁ?;』

「ねぇ!! いい? 聞いてよ? あのね…」

緊那羅きんなら (妙子)が携帯を左耳から右耳にあて変えて話し始めた


『マジで?;』

信じられないという三春の声が聞こえた

「信じれないかもだけど私は今…ボロい学校に違う体の中でこうして話してんの」

一通り説明を終えた緊那羅きんなら (妙子)が言う

『どうしてまた…』

三春が聞いてきた

「ちょい貸してくんね?」

京助が緊那羅きんなら (妙子)に向かって手を差し出すと緊那羅きんなら (妙子)が携帯を渡した

「もしもし私京助だっちゃ」

『は?;』

「遊ぶなたわけ」

京助が言うと三春が声がいきなり変わったのと変な話し方をされたのとで素っ頓狂な声をあげその京助に対して中島が突っ込んだ

「じゃなく…初めましてだな俺栄野京助」

京助が三春に軽く自己紹介をした


「単刀直入にぶっちゃけて言うとだな緊那羅きんならと妙子だかのつながりがわからんのだよ」

京助が三春に言った

『そんなのは俺だってわからないっての!!』

ソレに対し三春が言う

「そうだよねぇ…;」

南が苦笑いで言った

「ソレくらいわかれよ! 彼氏かなんかなんだろうが! このチンカスくんめ!」

「彼氏じゃないッ!!;」

京助が言うと緊那羅きんなら (妙子)が怒鳴った

「三春は幼馴染の一人ッ!!;」

緊那羅きんなら (妙子)が言う

「似た様なもんじゃん」

坂田が言った

「全ッ然違うッ!!;」

緊那羅きんなら (妙子)が坂田に食って掛かる

「まぁまぁまぁ…; じゃぁあれ…? もしかしてたえちゃんの待たせてた友達ってこの電話の?」

南が緊那羅きんならに妙子がとり憑いたときにっていた言葉を思い出して聞いた

「そう。でも三春だけじゃなくて…」

『俺とヤスとサットと英二だな』

緊那羅きんなら (妙子)が言いかけると三春がその前に緊那羅きんなら (妙子)が待たせていたというメンバーの名前を挙げた

「…全然繋がりないじゃん; 苗字とかは?」

全く共通点のない名前を聞いた京助が今度は苗字を聞いた

『俺は三春が苗字。名前は雅巳まさみ…で西村泰弘にしむらやすひろ三浦聡美みうらさとみ坂本英二さかもとえいじ…そっちは?』

メンバーの名前を挙げた三春が今度は聞いてきた

「こっちは栄野京助が俺。んで坂田深弦、南朔夜、中島柚汰と…金名羊子」

京助が答えた

『…本当全然繋がりないじゃん;』

三春が溜息混じりに言うのが聞こえた

「あってるといえば…人数くらい? う~む;」

京助が唸った

「今度俺に貸して」

南が手を差し出すと京助が携帯を渡した

「コレ、スピーカー機能とかないのかよ;」

中島が携帯を指差して言う

「受信音量拡大くらいしかない…と思うけど…ココ押して…最大」

南の手の中の携帯のボタンを押して坂田が言う

『何して…』

「おお!! 聞こえた聞こえる!! ヘッロ~!」

受信音量を上げたおかげで聞こえるようになった三春の声に中島が拍手した

「でも耳に当てるとうっさいねぇ;」

南が言う

「文句垂れんな; …で…本題」

京助が南の頭を小突いて言った

『どうして妙子がそっちにいるのかってことだな?』

三春が言う

「そう…でね…今私病院なんだよね?」

緊那羅きんなら (妙子)が三春に聞いた

『そうだぞ? 学校に忍び込んだのはいいけどお前がトイレ行ってなかなか帰ってこなくて見に行ったら階段の下で倒れてて…』

三春が言うと3馬鹿と京助が緊那羅きんなら (妙子)を見た


「学校…」

南が呟いた

「忍び込んだ…」

中島も呟く

「…共通点…だな」

そして坂田がシメる

「俺等もなんだわ」

京助が言った

『は?』

三春が疑問系の返事を返す

「コイツ等も学校に忍び込んでるんだ…今」

緊那羅きんなら (妙子)が言った

『へぇ~……じゃぁ…アレか? もしかしたらだけど…妙子が階段から落ちた時のこと再現したら戻ったりしてな』

三春が言うと3馬鹿と京助、そして緊那羅きんなら (妙子)が顔を見合わせた

「同じ…かぁ」

中島が考え込んだ

「同じシチュエーションねぇ…」

南が携帯を持ったまま言う

『え? 何? 実行?;』

三春が電話の向こうで言った

「物は試し」

京助が緊那羅きんなら (妙子)を見る

「え…マジで?;」

緊那羅きんなら (妙子)が引きつった顔で京助を見返した

『オイオイ…; 本当にやる気か?;』

三春が言う

「だって他に何か方法思いつくか?」

坂田が三春に言った

『思い…つかないけど…でもその体…怪我するんじゃないか?』

三春がその体というのは緊那羅きんならの体のこと

「させねぇよ」

京助が言う

「床にぶつかる前に受け止めればいいことだろうが」

京助が言うと3馬鹿も頷く

『…お前等チャレンジャーだな…; 俺はどうすればいい?』

三春がハハッと笑いながら聞いた

「たえちゃんの所にでも行っててやって」

南が言うと緊那羅きんなら (妙子)がぎょっとした顔で南を見た

「な…」

そしてだんだんと顔を赤くする

『妙子の所に? 何でまた』

三春が聞いた

「わっかんないかナァ…もし成功して目が覚めたときお帰り言ってあげたくない?」

南が言う

「ねぇ? たえちゃん」

そして緊那羅きんなら (妙子)を見た

「し…しらないッ;」

緊那羅きんなら (妙子)が南を突き飛ばした

「ってことだ。俺等はこれから階段まで行くから」

中島が三春に言う

『わかったじゃあ俺も病院向かうわ』

そう言うと三春から携帯を切った

「さぁて…じゃ…」

坂田が南から携帯を受け取ると緊那羅きんなら (妙子)を見て腰に手を当てた

「じゃ…?」

緊那羅きんなら (妙子)が一歩後ずさって坂田を見返す

「どんなシチュエーションで落っこちたのか…だね」

南が緊那羅きんなら (妙子)の背中を軽く叩いた

「できるだけ細かく覚えてること話してくれ」

京助が言う

「…本当にやるの?;」

あからさまに嫌そうな顔で緊那羅きんなら (妙子)が3馬鹿と京助を見た

「戻りたくないの?」

南が言う

「…戻りたい…けど…本当に戻れるの?;」

緊那羅 (妙子)が小さく言った

「んなのわかんねぇ」

京助がキッパリ言い切ると緊那羅きんなら (妙子)が目を大きくした後キッと京助を睨んだ

「わかんないのにやるっていうの!? 凄く危ないのに!? この体の子怪我するかもしれ…」

「させねぇっていっただろうが」

怒鳴った緊那羅きんなら (妙子)の言葉を京助が止めた

「悩んでたって始まらないし…初対面で俺等を信じろとか言っても無理かもしれねぇけど」

中島が緊那羅きんなら (妙子)の肩を叩いた

「あの三春ってヤツも俺等も緊那羅きんならとお前を待ってるんだよな」

坂田が言う

「肝試しにやってきて一人で便所行ける勇気あんだから」

京助が笑いながら緊那羅きんなら (妙子)に言った

「そうそう!! 嫌がってても最終的にはちゃんとチンコ掴んだわけだし」

中島が言うと緊那羅きんなら (妙子)がエルボーを中島に繰り出した



「で…落ちたと」

京助が階段の上から暗くてよく見えない階段の下を見下ろした

「うん…そう」

緊那羅きんなら (妙子)が頷きながら言う

「…結構オッチョコチョイなんだぁねたえちゃん」

南が言った

「じゃ…早速やりますか…俺と中島が下で受け止める役やるから」

京助が階段を降り始めると中島もソレに続く

「じゃあ俺と南はココに紐張ってればいいんだな?」

そう言うと坂田がどこから取り出したのかスズランテープをピンッと伸ばした

「お前…準備いいというかなんと言うか…どこに持ってたんだよ;」

テープの片側を受け取りながら南が言う

「まぁ…アレだうん。備えあれば憂いなし?」

坂田がハッハと笑いながら言った

「私は走ってくればいいんだよね?」

緊那羅きんなら (妙子)が南と坂田に聞く

「そ…」


チャッチャ~ンチャラ~ラ~ピロリロリン♪

ンブブブブブブブブブ… (バイブ音)


「なっ!?;」

「キャー!! 猛将現る!!;」

いきなり鳴り響いたのは某敵将討ち取ったりゲームの最強キャラのテーマ

「…マナーにすんの忘れてた;」

坂田がそう言いながら携帯を取り出した

「…誰だコレ…もしもし?」

画面に表示され知多見たことのない番号に首を傾げつつも坂田が通話ボタンを押した

『三春だけど』

「三春!?」

受信音量を最大にしていたままだった携帯から聞こえた三春の声に緊那羅きんなら (妙子)が反応した

『今病院ついた…そっちは?』

少し息が切れているっぽい三春が言う

「早ッ!!; コッチは今から…」

坂田が言った

『バイク飛ばしたから…そっか…じゃ俺妙子んとこいってるから』

自動ドアの開く音が微かに聞こえそして電話が切れた

「バイク…ってたえちゃん何歳?;」

南が緊那羅きんなら (妙子)を見た

「高校三年」

緊那羅きんなら (妙子)が指を三本立てて言う

「年上かよ…;」

坂田が言った

「思い出作りにきたんだ学校に」

緊那羅きんなら (妙子)がフッと笑いながら言う

「卒業したらバラバラ。今まで一緒だったけど皆バラバラになるからって…中学校の時にも一回やったんだ学校に忍び込んで肝試し…でも結局高校はみんな一緒で」

緊那羅きんなら (妙子)の言葉に南と坂田が顔を見合わせた

「中学…何年?」

坂田が聞く

「二年」

緊那羅きんなら (妙子)が答えた

「そん時…はどうだったの?」

南も聞く

「そん時? 私本当嫌でサットからお経教えてもらって唱えてた…んだけどソレが少し大きな声で唱えすぎて宿直の先生に見つかって…」

「それだ----------------------------------ッ!!」

「何がじゃ」

南と坂田が揃って声を上げ緊那羅きんなら (妙子)を指差すと京助と中島が二人にチョップを繰り出した

「いくら待っても何の音沙汰ねぇし…何がソレなんだよ;」

中島が聞く

「何がソレ?;」

南と坂田に指を指されたままの緊那羅きんなら (妙子)も聞いた

「いやね…たえちゃん今高校生なんだけど昔俺等と同じ歳の時にもこうやって学校に忍び込んだんだって。んでそん時たえちゃんお経唱えてたって言うし…ラムちゃんも唱えてたろ?」

南が緊那羅きんなら (妙子)を指差していた指を今度は京助に向けた

「だから?」

京助が聞く


「…俺の推測だけど…たえちゃん…戻りたかったんじゃない? 中学校二年生に」

南が緊那羅きんなら (妙子)を見た

「…え?」

いきなり話題を振られた上ソレが当たっていたのか緊那羅きんなら (妙子)が少し驚いた顔を南に向けた

「ホラ、高校三年って受験戦争に就職戦争だし…ぶっちゃけたえちゃん逃げたかったんじゃない? 楽しかった時に」

南が【ねぇ?】というカンジに手を振りながら緊那羅きんなら (妙子)に言った

「だから何か? 中学二年で肝試し…もとい忘れ物取りに来てお経言ってた緊那羅きんならにって? …緊那羅きんならは中二じゃねぇけど;」

京助が南に聞く

「まぁ俺の推測だけど」

南がハッハと笑った

「多分俺も逃げたくなると思うしね~…勉強大嫌いだしこんな田舎じゃ就職もアレだしサァ…」

南が遠い目で言う

「その点坂田は組長か旅館だろ?」

中島が坂田に振った

「いや神社だって」

「オイコラ;」

返した坂田に京助が間髪いれずに突っ込んだ

「…君ってエスパーか何か? どうして私のことそんなにわかるの?」

緊那羅きんなら(妙子)が苦笑いを浮かべながら南に聞く

「俺? 俺はいつでも女の子の気持ちを第一にって考えだから」

ニッと笑って南が答えた

ベィイイイイイイイイ…

「…何の音だ?」

突如聞こえ出した小さな音に中島が耳を澄ませる


ベィイイイイイイイイ…


「…坂田…お前いつから蛍になったんだ?」

京助が坂田の尻を叩きながら言った

「蛍…そういや今日蛍の墓がロードショー…じゃなく; そうだそうだマナーにしてたんだっけ;」

坂田が尻のポケットから携帯を取り出して開いた

「三春」

そして相手の名前を言う

「…もしもし?」

『まだか?』

まだ受信音量を最大にしたままだったため三春の声が全員に聞こえた

「いや…何だか共通点が結構見つかって…これから」

坂田がうるさいのか携帯を少し耳から放しながら話す

『共通点?』

三春が聞いてきた

「高校生って大変なんだナァ…とか」

京助が言うと一同が頷いた

『は?;』

聞こえたのか三春が疑問系の声を出した

「とにかく今からやるから…成功を祈っててくりゃれ」

そう言うと坂田が携帯を切った

「さって…とじゃ…今度こそ」

坂田が携帯をまた尻のポケットにしまったのを合図にしたのか受け止め役の京助と中島が階段を降り始める

「逃げてもいいと思う」

南がボソッと言った

「逃げてたってどうせつかまるんだし時には本当全力で逃げて逃げて…ソレでもいいと思うよ俺」

そして笑いながら緊那羅きんなら (妙子)を見る

「たえちゃんにはそうして逃げて疲れても受け止めてくれる人いるんだから」

きょとんとしている緊那羅きんなら (妙子)に南が言った

「…ありがとう…」

少し間を空けて緊那羅きんなら (妙子)が微笑む

「馬鹿になりたきゃ協力するぞ」

坂田がスズランテープを伸ばしながら言った

「大丈夫、今日少し馬鹿を貰ったから」

緊那羅きんなら (妙子)が笑いながら親指を立てて言った


階段の一番上の端にスタンバイした南と坂田がスズランテープをピンッと張った

「全力疾走OK?」

坂田が暗闇の中ぼんやり浮んで見える緊那羅きんなら(妙子)に言った

「うん…OK」

緊那羅きんなら (妙子)が足を一歩ひいて走る姿勢に入った

「一番似合いたい人の名前とか唱えながら走れば上手くいくかもよ?」

南が軽くウインクして言う

「勘弁してよもう;」

緊那羅きんなら(妙子)が苦笑いを返した

「じゃ…いくぞ----------------!!!」

坂田が受け止め役の京助と中島に向かって叫ぶと緊那羅きんなら (妙子)が駆け出した

「少し上げるぞ」

坂田が手に持っていたスズランテープを少し上げた

「了解…帰っておいでラムちゃん…っ」

南がぼそっと呟いてスズランテープを上げると丁度 緊那羅きんなら (妙子)の足の脛に引っかかった

「っわ…!!;」

ガクンとバランスを崩した緊那羅きんならの体が暗闇に向かって頭から落ちていく

「…三春…っ」

小さくその名前が聞こえると南が微笑んだ


何かに締め付けられている感じがして緊那羅きんならがうっすらと目を開ける

「ってかよくあんだけ大騒ぎして先生に見つからなかったよナァ~」

坂田の声が聞こえた

「日ごろの行いがいいからだろ俺の」

そして京助の声とチキチキという音

「あ…れ…」

体を動かそうとした緊那羅きんならが手足が何かで縛られているのに気づいた

「あ…ラムちゃん起きた…」

南が言うと緊那羅きんならが南を見た

「起きた…って…私…いっ;」

「イテッ;」

緊那羅きんならが頭を動かすと京助の頭とぶつかった

「いきなり動くな阿呆;中島解いてくりゃれ;」

よくみると緊那羅の体はスズランテープで作られた即席おんぶ紐で京助に括りつけられていた

「コレ…ハサミかカッターじゃなきゃ駄目ちゃうか?;」

中島が結び目を見て言う

「ホレ、カッター」

坂田がカッターを差し出した

「…お前本当ドコにそんなん持ってるワケ?;」

南が坂田を見て聞く

「ボ~ク ドラえもんです~」

坂田がチキチキトカッターの刃を出しながら元祖の方のドラえもんの真似をした

「ヤレヤレ…」

数箇所スズランテープを切ると緊那羅きんならが地面に足をつけた

「あの…私寝てたんだっちゃ?;」

「あ、だっちゃだ」

緊那羅きんならが言うと中島が緊那羅きんならを指差して言う

「へ?;」

指を指された緊那羅きんならがきょとんとした

「だっちゃだっちゃ!!」

南が嬉しそうに緊那羅きんならの周りを回りながら言う

「だっちゃだっちゃ~」

坂田も南に続いて回りはじめた

「ちょ…何なんだっちゃッ;」

そんな坂田と南に緊那羅きんならが聞く

「やっぱり緊那羅きんならといえばだっちゃだよナァ」

中島が笑いながら言った

「だからもう…何なんだっちゃッ!;」

全くわけのわからない緊那羅きんならがとうとう怒鳴る

「まぁ…アレだとにかく…おかえりだっちゃ」

京助が言った


「ギャー!! 集中攻撃!!;」

栄野家の庭先に出されたビニールプールに入っていた南が叫んだ

「出ろ出ろ~」

悠助と慧喜えきがキャッキャと笑いながら南に水をかける

慧喜えきの谷間がまぶしいですナァ…」

チリリと鳴る風鈴の下で中島が言った

「ほんに…エエ目の保養ですナァ」

坂田がスイカバー片手に言う

「でりゃー!! 今だ! 緊那きんなら羅! 放水!!」

ホースを引っ張ってきた京助が蛇口のところにいる緊那羅きんならに言った

「了解だっちゃ」

緊那羅きんならが蛇口をひねるとホースから勢いよく冷たい水が出、太陽の光でキラキラと光りながら地面を濡らしていく

「気持ちいい~!!」

ホースの水を頭から被って悠助がはしゃぐ

「冷たい~!!」

慧喜えきが悠助に抱きついた

「京様~私にも少々お願いいたしますわ」

日光浴をしていたヒマ子がサングラスを外して京助に言う

「ほいさ」

「あああああああああああああああああ 愛が冷たくて気持ちいいですわ~~~~!!」

ホース口を潰して勢いを増した水を京助がヒマ子にかけるとヒマ子が歓喜の声を上げた

「あんまり昼間に水やるとお湯になるっちゃよ?」

緊那羅きんならが苦笑いで言いながら坂田の隣に腰を下ろした

「…何だっちゃ?;」

坂田と中島にじっと見られて緊那羅きんならが聞く

「いや…やっぱりだっちゃがないと緊那羅きんならじゃなかったよなって」

中島が言う

「またその話なんだっちゃ?; …もういいっちゃ…;」

緊那羅きんならが溜息をついた

「元気してんのかナァ…千葉って暑ぃんだろやっぱ」

中島が空を見上げながら言う

「元気してるみたいだぞ? 昨日…そうだそうだ!!」

坂田が何かを思い出して携帯を取り出した

「何がそうだそうだ?」

水が出っ放しのホースをビニールプールに突っ込んで京助と南が歩いてくる

「昨日三春から写メが来てサァ…笑った笑った」

携帯のボタンを押しながら坂田が何かを思い出して笑う

「何だよ; 何に対して笑った笑ったなんだよ;」

中島が上から携帯を覗き込みながら言った

「コレ」

坂田が携帯画面を見せると一同が覗き込んだ

「……うわ~…」

そして揃って声を上げる

「…黒髪ラムちゃん」

「え?;」

南が言うと緊那羅きんならも携帯を覗き込んだ

「ドッペルだなドッペル」

携帯の画面の中でピースをしている寝巻き姿の少女の横には【たえこだヨ】の文字

「こりゃ…ドッペルだな」

京助が緊那羅を見てそしてまた携帯画面を見て言った

緊那羅きんならの写メ送ってみたらは?」

中島が言う

「トイレの鏡暗くて見えなかったんだね~…びっくりするんじゃないかな? たえちゃん」

南が緊那羅きんならを見て笑いながら言った

「…そんなに似てるっちゃ?;」

緊那羅きんならが携帯を見て言う

「デコポチが無いのと…髪型違うくらいじゃないか?」

坂田が言った


チャ~ンチャ~ンチャチャ~ン…♪


「…親父…」

鳴り響いた葬送行進曲を坂田が素早く止めた

「…なぁそういやお前…俺等からかかってきた時の着信とか設定してんの?」

中島が坂田に聞く

「もち」

坂田が言った

「中島からきたらゆずの夏色だろ? 南からきたらタッチで…」

坂田が携帯を振りながらそれぞれからかかってきた時に流れる着メロを答えていく

「…なんとなく俺からのヤツの着信想像つくよな…;」

京助が口の端を上げて言った

「中島は柚の字入ってるからゆずなんだろ?; 南はアサクラ南でタッチ…」

京助が坂田を見ながら言うと坂田がニッと笑った

「あ~…なんだか俺もわかった気がする」

南が笑った

「俺も」

中島がそういいながら緊那羅きんならを見る

「…何だっちゃ?;」

緊那羅きんならが首をかしげた

「ラムのラブソング」

京助と南、中島が声を揃えて言うと坂田が親指を立てた

「へ?;」

一人わけのわからない緊那羅きんならが自分を指差したままきょとんとしていた



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