プロローグ2「集い」
KEYの悪巧みから時は進み、舞台は夢想世界の天空から地上へ移る。
辺りは一面が自然に満ち溢れた世界。空から見下ろせば、緑と青――そして赤褐色の三色で構成された景色が広がっている。
詳細を語るなら、森林の緑が大部分を占めているが、全体の四分の一は切り株も残らぬ岩場。岩山によって所々の景色が阻まれ、池や小滝が飾っているだけの荒れ地である。
この自然に溢れた世界こそが、悪巧みの開催場所となる。
そして異変を起こすのは天からの一筋の光。何ヶ所にも光が差し、光の中に二つ、三つの影が現れる。
現れた影一つ一つこそが、フィールドで戦いを強いられた実力者達である。
果たして、実力者達はどのような戦略を――熱戦を見せてくれるのだろうか。
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青チーム、転送完了。
「……うぅ、俺には陽の光は眩しいですね」
青く長い前髪と、掌で目を隠しながら、青年は呟く。
数百年の文化を持つ、堅き要塞――レスター王国・中心城地の研究室管理者。『結界士』ラオ。
「お、ラオ君と同じチームかぁ。異国のメンバーと交流する事になるというのは本当だったんだね」
緑色の短髪を揺らしながら、天然な雰囲気を纏う青年は言葉を風に乗せる。
神話信教国アヴァロンの代表騎士の一人にして、異端の能力が認められ、神器をも授けられる程の天才。『未来の預言者』キュモ。
「――あぁ、風が気持ち良いな! こんなフィールドで強いヤツらと戦えるのか!」
「「え」」
ラオと同じくレスター王国を守る立ち位置で、夢想世界とは異なる、『電脳世界』からの来訪者にして、速過ぎる成長の末に『Sランク』に認定された実力者。『神経超加速』銀何。
銀何のチームメイトに選ばれた二人は、ぽかんと口を半開きにして固まっている。そして顔を見合わせて心配するのだ。
「「銀何がリーダーで大丈夫だろうか……」」
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赤チーム、転送完了。
「――おお! 俺が選ばれたか、これは頑張って生き残らないとな!」
太陽の光を表面で流したような、艶のある金髪の青年が空に向かって伸びをする。
レスター王国の中心城地に配属され、下町の冒険者ギルドを代表する実力者。『天魔騎士』オウガ。
「あぁ、良かった……知らない猛者に囲まれたら見劣りする所だった」
不安気な感嘆を漏らすのは、辺りに生えている草木と似た緑色の髪の青年だ。
オウガと同じくレスター王国の中心城地に配属され、隠密行動が求められる際に本領を発揮する弓兵。『奇襲の弓兵』トツキ。
「おや、僕が最後だったのか。二人とも、宜しく」
「「――! 待ってましたぁ!!」」
緑一色の森が続くこの景色の中で異彩を放つ、鮮やかな赤髪の青年。
他二人と同じくレスター王国中心城地を護り、騎士団の団長と守護者達の総括を務める『Sランク』。『焱ノ劍』烈火。
赤チームは三人ともレスター王国からの参戦であるため、互いの信頼度やチームワークは高い。三人はこうして同じチームとして巡り会えた事を喜ぶのであった。
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緑チーム、転送完了。
「あーりゃま……なーんか嫌な予感がするねぇ」
光にも自然にも溶け込む白髪を触る青年。
レスター王国の中心城地を守るために下町から集められた、天賦の才を持つ『守護者』の一人にして、剣を操る近接のエキスパート。『蒼霊侍』テリガ。
「あ……もしかして、テリガさんですか? 初めまして」
転送直後にも関わらず、テリガに丁寧な挨拶をする低身長な少年。
神話信教国アヴァロンを代表する騎士の一人にして、手先の器用さや、万の力を封じる能力から、神器を扱うまでに至った実力者。『封印の鍵士』アセス。
「ああ、アセス君か。初めましてだねぇ。……ところで段々と濃くなっている、この……フローラルな香りは」
「ええ、間違いありません。我らが王が味方のようです」
テリガとアセスの二人が挨拶を済ませた矢先、強い光が天から降り注ぐ。光の先から現れた青年は、植物と風の流れを染み込ませた様な翡翠色の髪の青年。
神話信教国アヴァロンの現役の王にして、夢想世界でも三本指に入る程の実力者。刃に塗る能力と、刀を持たせた際の実力で、『Sランク』の筆頭だと誰もが認める頂。『薔薇王』ロワ。
「やあ、アセスにテリガ。同じチームになれたからには勝ちたいな。三人とも、生き残ろう」
ロワは穏やかな声で二人を鼓舞する。こうして、最強の一刀が入った緑チームが揃った。
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黄チーム、転送完了。
「ハハ、ハハハハハハ!! さあ、今回はどいつから倒されに来てくれるのかな!?」
尖った黒髪と、それに反した銀の軽装鎧を身に着けた青年が戦前の静けさを嗤う。
神話信教国アヴァロンの遊撃隊長にして、『戦争の申し子』とまで呼称された、最強級の魔法騎士。『虹彩円翼』マグナス。
「…………。」
「うわっ、ブラックじゃねぇか。居るなら言えよ」
木々が風に揺れる音が聞こえる程の静けさに同調する様に、沈黙を貫く黒髪の青年。
かつて『Echo』と呼ばれた史上最悪の永久拘束サバイバルゲームにて生存を果たした、『Sランク』の実力者。『破壊者』ブラック。
何と、黄チームにはマグナスとブラックの二人しか転送されていない様だった。この悪巧みの中で許容されたアンフェア。二人で参戦させられる理由とは何なのか。
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紫チーム、転送完了。
「……、俺が呼ばれたという事は……彼奴も居るのか」
淡々とした紺色に何本かの縦白線が入った髪をしている青年。
レスター王国中心城地に配属されており、騎士団副団長に任命される程の実力者。『雷電騎士』ニダン。
「あら……私が呼ばれるなんて珍しい。他の方も呼ばれているのでしょうか」
黒い長髪、黒い生地に白いリボンやフリルが飾られているメイド服姿の女性。
黄チームのブラックと同じく、『Echo』から生存した実力者にして、様々な武器を使いこなす戦闘メイド。『偽忠誠』ゴレス。
「おう、おう、おう! ここがフィールドってやつか!そしてお前らがチームメイト……随分楽しそうじゃねえか!」
荒々しく乱れている青髪と、首元を露わにしている侍姿の青年が凄む。
どの国にも属さず、ロワに一度敗れるまでは不敗の『剣王』を名乗っていた上、現在は『Sランク』の一柱と認められた刀使い。『青二才』ムオウ。
これで、悪巧みの最後のピースである紫チームが出揃った。後に『五色聖戦』と呼ばれる大激闘が、遂に幕を開く。
【青チーム】
『神経超加速』銀何
『結界士』ラオ
『未来の預言者』キュモ
【赤チーム】
『焱ノ劍』烈火
『天魔騎士』オウガ
『奇襲の弓兵』トツキ
【緑チーム】
『薔薇王』ロワ
『封印の鍵士』アセス
『蒼霊侍』テリガ
【黄チーム】
『破壊者』ブラック
『虹彩円翼』マグナス
【紫チーム】
『青二才』ムオウ
『偽忠誠』ゴレス
『雷電騎士』ニダン




