たのしい自由研究
「自由研究はどうするの? そろそろ夏休みも終わりでしょ」
「うん。それでね、明日ちょっと遠出してくるから」
「あんまり遅くならないようにね」
「はーい」
★
今年の自由研究は昆虫採集に決めた。
珍しい虫を探して、今日は山近くの林に入っていた。
お隣のサトルくんと、妹のメグちゃんも一緒だ。
「あのチョウチョ、きれい!」
メグちゃんが声を上げる。
その蝶は虹色に光って見えた。
すごい、もしかしたら新種かも!?
三人で夢中で追いかけていたら、急に目の前が開けた。
林の中でそこだけ円く、木も草も生えていない空間。
「あれは、なに?」
メグちゃんとサトルくんが空を見上げていた。
二人の視線を追うと、丸くて大きな鉄の塊が浮かんでいる。
その真ん中あたりが虹色に光った。
──そして足元から、地面の感触が消えた。
僕ら三人は、空中に吸い上げられていた。
★
「自由研究は終わりそう?」
「うん、今日は3匹も捕まえたんだ」
「よかったじゃない。今回は何をしてるの?」
「地球人採集」