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神に祈って  作者: ロヒ
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幕間

幼い頃、当時の水神の長が代々使われている住居である宮殿を半壊させた。

曰く、『広くて落ち着かない』だそうだ。

自分の考えを押し通す行動は見ていて気持ち良かったのを覚えている。おかしくて、笑った。その日はなんだか体が軽かった。


「折角の長になれるチャンスなんだ。無駄にしないようにしなさい」

これは父の言葉だ。

「でも、無理はいけませんよ。自己管理もしっかりね」

これは母の言葉。

「はい」

これは俺。


なりたかった訳じゃない。義務は嫌いだ。責任も嫌だ。可能性なんて不確かで信用できない。そんなトップに向いていない三拍子揃った“わたし”は選んでしまった。いつも大樹の元で会う、あの2人の友人にやっと追いつけると思ったから。それを活力に横に並べるように努力した。


「他種の神と関わるだなんて何を考えているッ!!」

これは父の言葉だ。

「まさか、貴方がこんな事をするだなんて…信じられないわ」

これは母の言葉。

「どうしてそんな事を言うのです!?彼らはお2人の言うほど悪い存在ではありません!過去と今は違うでしょう?」

これは私。


何度言っても聞く耳を持たず、縁を断つ事を勧めてきた。この時やっと理解した。


“最初の風神”様が長だった時は絶対君主制だったという。長が右を向いたら皆で右を向き、そうでない者がいたら首をはねる。絶対的な揺るぎない正義がそこにはあった。それに比べて今の水神はどうだ?過去の話をいつまでもズルズル引きずって、“最初の水神”様が眠りにつく前のように生物の生死の管理者は自分達であると、勘違いも甚だしい事を言い続けてる。

もはや、どちらが阿呆の集まりなんだか。

「…わたしは何を間違っているのでしょう?」

昔の常識と正義はもう要らない。

「友人を貶されて、交流を信じられない事と言われ、それで腹の立たない人が一体、どれほどいるのでしょう?」

俺は怒っているよ。だから、全て塗り替える。

傲慢?横暴?それで結構。


神が正義を主張せずに誰が正義を夢見るのでしょう。

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