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神に祈って  作者: ロヒ
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起きて

彼を初めて見た時はまだ幼い頃だった。

お父様に連れられて、当時の風神の長であるファレオさんの家にご挨拶に伺った日、彼を見かけた。

確か庭で寝っ転がっていた。


「ん?あぁ、あの子の事かい、お姫様は物好きだな。あれはビフェリオ、オレの一人息子さ。話したいなら良いがまともな反応は無いぞ」


他の奴らと同じく何事にも無関心だ。と、退屈そうに頬杖をついてファレオは言った。

関係無いがその無礼な態度に腹が立ったのをよーく覚えている。


だが気になった。私の勘が囁いた。

“出逢ったら良いことあるよ”


「♪ー」


庭から綺麗な歌声が聴こえてくる。ガラスのように透明で、今にも割れてしまいそうな繊細さがあった。

ファレオは舞は文化にうるさい火神を見惚れさせるほど上手く、歌は地獄で釜茹でされている人の叫び声と称されるほどに下手なことで有名だが、息子にその遺伝子は引き継がれてないらしい。


母親は上手いのだろうか、それとも彼だけなのだろうか。声を聞いただけなのに気になる事がどんどん増えていく。


(それにしても不思議!ファレオさんに奥様はいなかったはずだけど、子供がいるなんて!)


今考えればとても不思議じゃ済まされない事だろう。


(普通に声掛けただけじゃつまらないわよね)


ならばどうするか、


(思いっ切り驚かせてしまいましょう!)


我ながらかなり上手く行った。その証拠にビフェリオは若葉色の目を見開いて口をパクパクさせて驚いていた。


その顔がおかしくて、クセになって、大樹の元に集まるようになってもやっていた。既にその頃にはセキラがおり、今よりずっと無愛想で無口だった。1人静かに本を読む、小柄な子。最初は年下だと思っていたが、歳上だったらしい。


ビフェリオから水神がいると聞いていたが、特段興味も持たなかったので気にしていなかった。

会うまでは。


いざセキラと対面すると勘はまたもや囁いた。


“あの人と友達になってあげて”


そんなつもりは全くなかったが、毎日のようにしつこく話しかけたお陰で、ドッキリの協力もしてくれるようになった。


家から出て、友達と遊ぶ。毎日が退屈ではなくなった。次期長には勉強が必要だが、それだけは飽きるし何より退屈だ。非常につまらない。

全て良い方向に進んでいる。


原因は——


(あぁ、私の中に何か居るな)


そういえば、自覚したのはその頃だった。

いやに具体的な勘。気付いたときには、なぜ今まで何も思わなかったというほど不自然だった。


「…!」


だが、悪くない。


「だ……か!」


このまま何百年も続けばいいのに。


「大丈夫ですか!火神様!」


目の前に居たのは神ではなく、仙人だった。

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