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神に祈って  作者: ロヒ
19/88

訊いて

「あ、いくらでも質問して良いけど誰かのプライバシーに関わることとかは言わないからね」


思いがけず、気になる事を聞ける機会ができた。知りたいことは山ほどあるが、嘘をつかれる可能性も十分にある。慎重に見極めなければ。


「まず、ここは何ですか?」


セキラは真っ白な地面を指差した。


「この町もどきの事かい?それなら前にも言ったはずだ分からない、と。なにせ、“最初の風神”様の所有物だからね。誰も追及できなかったんだ」


やれやれ、と言ったふうに近くの鉄柵に腰掛けた。


(詳しいお人柄は知らないが、かなりの独裁者で束縛が嫌いだったらしい。好奇心を満たすのと命だったら比べるまでもないだろう)


「そうですか。じゃあ、この噴水の水はあなたが仕掛けたものですか?」

「違うよ。あくまでボクは止めてくれと頼んだだけさ。ここの物には何も触れていない」


「何なら入ったの800年ぶりぐらいだしねぇ」


(ん?)


「その時はまだ長はあなたじゃないですよね。しかもわたしにここを紹介したときに『長になった時に前任者に教えてもらった』と言っていました。」


「あーそれね、初めてここに入った時はここがどこだか分かってなかったんだ。正式に教えられたのが長になった時さ」


(ますます分からない…ここに入る用はないだろうに)


ここに来るまでにまず大樹の下まで行く必要がある。神都の中心にあるが一応、風神の長の管理下だ。今はビフェリオの意向で解放されているが、当時は一般人がそうそう近づけるものではなかった。通路は迷路の様だったし、間違えて入ることもないだろう。


(素直に訊くか)


「800年前になぜ立ち入ったのですか?」


すると、少し悩み始めた。


「うぅ〜ん、これは…プライバシーに、引っかか…るかなぁ」


どうやら駄目らしい。

それからいくつかの問答を重ねた。


「そろそろボクはお暇させて頂こう。てっきり天使の事を訊くのかと思ったよ」

「…いくら情報があろうともわたしたちはこれに対抗できません」


また少し風が強く吹く。

一番大事な答え合わせだ。


「どうして、そう思うんだい?」


彼はなんだか嬉しそうだった。そこで確信する。それと同時に絶望した。もう、ビフェリオは信用出来ない。


「天使の内部にびっしりと何かが刻印されていました」

「あれは…()()です。しかもただの文字じゃない。魔法の起動に必要な呪文でした」

「しかも、膨大な魔力が蓄積できる部位も見つかりました。一体につき、水神2人分」


ビフェリオは黙ったままだ。


「魔力の保管にもエネルギーが必要です。水神は神である事と、睡眠を多くとる事でなんの障害もなく生活していますが、天使は違う。これは生物ではなく、決められた動きをする機械です」


彼はうんうんと頷いた。


「エネルギーを何かしない事で代用するのが難しく、生きる分…起動している分だけ相応のエネルギーが必要になります」


風に揺らぐ植物の音がいつもより大きく聴こえる。


「人型の硬過ぎる身体、多過ぎる魔力の容量。この個体は試作品でしょうが、完全にオーバースペックです。()()()()()()()寿()()()()()()


「これを踏まえて、わたしは天使を神都を…神を殺すための()()()()()()()だと推測しました」


そして、

(これが一番聞きたいこと)



「ビフェリオ…あなたは…天使、ですか?」

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