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神に祈って  作者: ロヒ
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空に見られて

ガッシャァン

周囲に金属音が響く。まさか素手で壊すとは思わなかった。

人として道具使えよ。


「むぅ、中々硬いわね」


とは言っているが天使は大破している。

メイテイの拳は腹部を貫き、その衝撃が伝わって身体中ヒビだらけ…で済めば良かった。


「なにも、ここまでしろとは言っていません」


拳が当たった瞬間に胴体部分は風穴が空き、バランスが保てなくなったのか身体全体が崩れ落ち、地面に落ちた衝撃で顔が潰れて中にあった細かい部品がどこかへ吹き飛んだ。羽ももちろん無事じゃない。


(火神とはいえかなりの強度があった天使を砕くなんて、水神とは体の構造が違う)


壊れた天使を触りながら思う。


「どうかしら?解体したわよ!」


腰に手を当て満足げのようだ。それから何かに気づいたようでこう言った。


「セキラ、天使に光輪って付いてたわよね」

「付いてましたけど…ってもしかしてそれも無いんですか!」


頭の上で光輝いていた光の輪は見当たらない。しかし、輪っかがフリスビーのように吹っ飛んだのは見なかったし砕けたところも見なかった。


(消えた…?)


「電源のスイッチが入った印みたいなものだったのかしら」

「だとしたらもう永久につきませんね」

「…悪かったわね」

「あとさっきまでの会話と動きが聞かれていたことになります」


(そしたらここまで壊すのは正解だったのかもしれない。たとえ、動けなかったとしても得体の知れない物に情報は与えない方がいい)


「ねぇ、セキラの知ってる天使の記述ってどこで知ったの?」

「水の記録庫です」

「私の記憶通りだと“最初の水神”様が眠っておられる場所だったかしら」

「眠っておられると言っても()()()()()ですが」

「他の部位は?」

「場所は知っていますが立ち入り禁止です。メイテイは?」

「お祖父様から少しだけ伝え聞いたわ」


(この人の祖父って“最初の火神”様だったよな。実体験があるわけか)


「天使について何と言っていましたか」

「『あれらは人間のように醜い』とだけ」

「それだけですか…」


わざわざ人間を比喩に使うのは火神にとって1番の“最悪な生き物”だからだろう。こんな表現をされるだなんてよっぽどだ。


「貴方は何を知っているの?」

「記録庫では天使は数多く存在し、全てが子供の姿で【天】こそが彼ら彼女らの産みの親だとの記述がありました」

「【天】?空の事かしら」

「どうでしょう。それについて言及は少ないんです」


ただ、と続けて


「風神の未来を視る力は【天】から授かったとされています」

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