表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/50

訓練


 次の日ーーー 

 俺は学校を休んで、この異常な力のコントロールの訓練を続けている。訓練の中でいくつか分かったことがある。

 まず、気功(ひとまず気功と呼ぶことにする)は強く(まと)えば纏うほど体の強度が上がるということ。

 次に、気功は目に見える形で纏わなくとも筋力の強化が可能だということ。

 さらに、気功が筋力だけでなく、疲労回復や体力へも作用するということ。



「凄まじい力だ、それだけにコントロールがかなり難しいが」


 短期間でこれだけ気功をものにできているのは、ひとえに今までの修行のおかげだろう。ここは素直にじいさんに感謝しなければならない。


 訓練を続けるほど、本当に昔話に出てくるような気功のようだと思えてきてならない。

 気功は、内気功(ないきこう)外気功(がいきこう)に分けられる。内気功は気功を体内に循環させ、()の質やコントロールを高めてゆくもの、外気功は悪い気を追い出したり、気を発するなどして何かしらの形で外部に作用するものである、らしい。


「そのことを考えると、内気功と外気功の両方の修行が必要になるだろうな。

内気功は体内だけで完結するから、ある程度まではそこまで難しくないだろうが」


 外気功は体に纏う程度ならば簡単にできるが、ひとたび体から離れてしまえば気の操作は非常に難しくなる。

 つまり、しっかりと会得しようと思えばかなりの苦労が予想される。


 「まあ、ひとまず学校に行く程度であれば気を外に出さないようにするだけで問題ないか」


「外気功はこのくらいにしてとりあえず、内気功を最小限にする訓練をしないと」

抑える訓練をしないと周りに怪我をさせてしまう可能性もある。


 俺はなんとなく座禅をして、体内の気を強く意識する。すると、この間までは確実になかった『気』の存在を、確かに感じることができた。


(これを何とかして鎮めないと……)

じっとりと額に汗がにじんできた。背中にはTシャツがぴったりと張り付いている。


そして二時間ほどが経過した、


「これは少し内気功を舐め過ぎてた」

循環だけではさほど難しくはないが、効果を弱めるように、流す『気』を少なくしてゆくのはかなり難しかった。


「これはもしかすると明日も学校、行けないかもしれないな」


ーーーーーーーーーーーー

<東都所轄北警察署内>


「五十嵐先輩!出ますよ!事件っす!」

黒いスーツを着た糸目の刑事、田代がやたらとガタイの良い男に向かって叫ぶ。


「おう、待ってろ、」

五十嵐は冷静な様子で返事をし、車に向かって足早に歩く。


「出せ、」


 東都にサイレンの音を響かせながら、一つの車が道路を駆け抜けてゆくーーーー



 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その他の作品
毎日何かが消えている
(現実世界[恋愛]ジャンル)


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ