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【完結】ブラック企業で働く私が落ちた落とし穴の先はイケメン御曹司が住むお屋敷へと繋がっていました。  作者: 望月ナナコ


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87 【完結】

満開の桜がそよ風に揺れている。


『母上、桜が綺麗に咲いてるよ!』


『そうね。今日は天気も良いから桜の木の下でお団子でも食べましょうか!』


『わーい!やったあ!あ、父上!こっちこっち!』


『千代、女の子なんだからそんなに大きな声を出して飛び跳ねちゃダメよ。』


『え、なんで?いいじゃない父上が来て嬉しいんだもん!』


千代はそう言って時継様の後ろにこそっと隠れる。


『おお、そうかそうか。』


時継様は千代にくっつかれて嬉しそうだ。


なぜだかわからないけれど千代がいなくなった世界にはあの青い光や落とし穴が現れる事はなかった。


あれから紆余曲折を得て私と時継様は祝言を挙げて晴れて夫婦になった。誰かを傷つけたりせず、みんなに祝福されて夫婦になれた事がとても嬉しかった。そしてそれからまもなくして娘が生まれた。


『名前はどうする?』  


時継様そう聞かれたとき、私の中ではもう名前が決まっていた。


『そうですね・・・女の子が産まれたらつけたかった名前があります。』 


『ほぅ、なんという名前だ?』


『・・・千代です。』


『千代・・・か、いい名前じゃないか!』


千代・・・これは私の自己満足なのかもしれない。だけどあなたが主役の幸せな人生を歩むとしたら、やっぱり時継様のそばでの方がいいんじゃないかなって思ったんだ。


この子が千代の生まれ変わりなのかはわからない。だけど物心ついた時から時継様にべったりな子だったのでたぶん・・・とは思っている。それに、もしそうだとしても前の千代の記憶が戻る事はないんだろう。千代にはこれからもやりたいと思う事を応援して幸せな人生を送ってもらいたいと思っている。


そういえば秋道さんは私が街に出た時や屋敷に戻った時に助けてくれたお手伝いさんとお付き合いをしているらしい。お手伝いさんはずっと秋道さんが好きだったようで猛アピールしたみたいだ。とてもお似合いな二人なのでこのまま上手くいって欲しいな。


暖かい太陽の光が降り注ぐ桜の木の下で私と時継様と千代はお団子を頬張った。  


『美味しいね!』


『そうね。』


『ああ、みんなで食べるからより一層美味しいな!』


空を見上げる。


お母さん、人生は本当に思いがけない事が起こるんだね。こんな未来が待っているんだったらブラック企業勤めの過去も今は笑い話、終わらなくて家まで持って帰っていた残業も悪くなかったな。


あの頃の自分は何がしたいのかよくわからない日々を送っていて毎日が辛かった。だけど、今なら胸を張って言える。


私は今、とても幸せです。




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