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【完結】ブラック企業で働く私が落ちた落とし穴の先はイケメン御曹司が住むお屋敷へと繋がっていました。  作者: 望月ナナコ


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・・・ここは?


暖かい光を浴びて目が覚めるとそこには懐かしく見慣れた光景があった。


電源がついたままのパソコン、お酒を飲み干した後のコップ。あの日出かけた状態の自分の部屋に舞い戻ってきていたのだ。


変わっているのはそう・・・夜じゃなくて朝だって事だろうか。


・・・・・。


もしかして今まで長い夢を見ていたのだろうか?そんな、だってあんなリアルな・・・屋敷や街並みの綺麗な情景や時継様に触れた時の温もりを思いだす。私は確かに違う世界にいたはずだ。夢だったはずがない。近くにあったスマホに触れてみると日付が映った。


・・・あれ?


スマホに映し出された日付は私が落とし穴に落ちた日から一週間前の日付になっていた。


目の前の事実に混乱しているとふいにスマホの着信が鳴り響いた。


『・・・もしもし。』


『あ、繋がった。もしもしじゃないよ!今一体何時だと思ってるんだい!無断欠勤なんて君らしくないね!』


受話器の向こうには怒鳴っている上司がいた。


『・・・ちょっと体調が悪くて・・・すみません。』


咄嗟に体調不良を取り繕った。


『体調悪いわりには声は元気そうだね!熱はあるのか?』


『熱は・・・たぶんありません。』


『そうか。熱が無いなら午後からでいいから出勤しなさい。ただでさえ人出が足りないのは君もわかるだろう?大変なのはみんな同じ。君が休む事でみんなに迷惑がかかるんだから少しは頑張ってくれないと。』


『・・・はあ。』


『わかったね。じゃあ待ってるから。宜しく頼むよ!』


プツリと切れたスマホを眺めながら思う。


・・・今、これが夢なんだろうか?それとも現実?仕事のストレスが溜まり過ぎて私の脳みそが限界を迎えてたってこと?だからあの世界に行った。行けた気がしていた・・・そういうことなの?


わかってる。タイムスリップなんて漫画やアニメの世界の出来事で実際そんなのあるはずがない。でも・・・。


もしまたこの世界で生き抜かなきゃいけないのであれば仕事を休むわけにはいかない。クビになって他に雇ってくれるところなんてすぐに見つからない可能性が高い。嫌でも行かないと、やらないと。


そう考え始めるとこの世界で私が生きる意味ってなんなんだろうかと気持ちが暗くなった。頭を振り、とにかく出来る事をしなければと仕事に行く準備をはじめた。頭をスッキリさせるためにもとシャワーを浴びるために服を脱ぐ。


・・・・・!?


みぞおちのあたり、そこにはあの日山小屋で殴られた時にできた痣が残っていた。


そこで私は確信した。夢、じゃない。落とし穴は存在するんだ!


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