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『帰ったぞ!』
出ていってから半日くらい経って汗だくで秋道さんが帰って来た。
『薬草は?』
『なんとか見つかった!あれから具合はどうだ?』
『冷やしてはいたけどずっと高熱が下がらないです。あと紫の斑点がみるみる身体中に広がってきていて・・・とりあえず今は眠っています。』
『そうか・・・まずいな。急いで薬を作ろう!』
そう言うと秋道さんは何種類かの薬草を混ぜてをすり鉢で潰し始めた。それから湯呑みに綺麗な布を張りお湯でこし始めた。
『よし、これでいいだろう。身体を起こしてくれ。』
そう言われた他のお侍さん達は心配そうに背中を支えて身体を起こした。
『眠っていた所悪いが解毒薬だ。味は不味いがよく効く。頑張って飲み干すのだ。』
『あ、ああ・・・。』
お侍さんは高熱で意識が朦朧としてるんだろう。苦しそうな顔でゆっくり、少しずつ薬を飲み始めた。
囚われてるとか関係なく、私も他のお侍さんも秋道さんも一丸となって薬を飲み干すのを応援した。
『よし、全部飲んだな。あとは薬が効くのを待とう。ゆっくり休め。熱が下がってくるまでは引き続き手ぬぐいで身体を冷やそう!』
『わかりました!』
あんまり沢山の見守りがいるとお侍さんもゆっくり休め無いと思い私と秋道さんだけが部屋に残った。
『秋道さんも疲れたでしょう。お風呂入って休んでもいいですよ?』
『いや、大丈夫だ。少なくとも熱が下がるのを見届けるまでは・・・。』
『そうですか・・・秋道さんは本当に凄いですよね。強いし、こうやって薬草の知識もあるし、みんなから頼られてなんでも出来るじゃないですか。』
『別にそんな事はないが・・・。』
『それに引き替え私なんて・・・なんの役にも立たなくて。この世界に来てからは特にいつも誰かに助けてもらってばかり。こんなになんにも出来ない自分なんて・・・時継様のそばにはいていいわけ無いですよね・・・。』
『・・・・・。』
つい時継様の事を口走ってしまい秋道さんが黙ってしまった。こんな話聞きたく無かったよね。
『好きだ。』
『・・・・・え?』
空耳かと思って目をパチパチしながら聞き返した。
『私は・・・ゆきが好きだ。いつか言おうとしていたんだが・・・まさか時継様に先を越されるとはな。』
そう言って秋道さんは苦笑いした。
『ゆき、そんな事思わなくてもよい。知らない場所に来たのなら色々わからなくて当然だろう。それについてはこれから覚えていけばいいじゃないか。少なくとも私や時継様はゆきの笑顔に毎回救われているぞ。』
突然の秋道さんの告白にびっくりしてなんて言っていいか分からなかった。今なら分かる。秋道さんは真っ直ぐな人、だからこそ嘘は言わない。
秋道さんが私を好き?・・・なんで?・・・いつから・・・?




