47 【千代視点】
予定がだいぶ狂ったがゆきと話し合ったところで何も解決しないことがわかった。それどころかゆきは思っていたよりもだいぶ図々しい、怪しいどこかかなりの危険人物だ。
頭を下げて油断させようとしているのかもしれないがわらわはその手にはのらん!怒りと共にゆきにはどこから来たか分からない存在として若干の恐怖心を感じ始めていた。しかし、時継様の為にもここでやすやすと引き下がるわけにもいかなかった。
『ここには・・・秋道と来たようだな。』
祝言まで後わずか、ゆきが屋敷からいなくなった事にしていれば・・・立場上時継様はわらわと一緒になるしかなくなるだろう。もう時間が無い。時継様の目を覚ますのは後にして、とにかく無事に祝言をあげられるように動こうではないか。
『そうだな・・・そなたでは話にならない故、少し秋道と2人で話をしよう。外で待っていなさい。』
一人の力ではやれる事に限界がある。
しかし、秋道を味方につければ展開は変わるのかもしれない。少し待つと秋道が不安そうな顔をして現れた。
『千代様、ご無事でしたか。』
『ああ、身体はなんともない。心はボロボロだがな。』
秋道は気まずそうな顔をしてうつむいた。
『わらわは昨日知ったばかりだが・・・秋道、そなたならうすうす知っていたのではないか?時継様とゆきの関係について。』
『・・・千代様』
『別にそれは構わん。ゆきは・・・一体何者なんだろうか。問い詰めても未だに他の世界から来たとしか言わんのだ。』
バツが悪いような顔をして話始めようとする秋道の話を遮った。やはり何かしらは知っていたのであろう。
『正直・・・何故そなたがその得体の知れないゆきに惹かれたのかは到底理解出来ない。だが、このままではわらわにとって最悪の結末になりかねない。どうだ、ここは協力しあわないか?』
秋道はわらわがゆきへの想いに気付いていた事にたいそう驚いていた。
ゆきが目につく存在であったからこそゆきに向けられる視線の変化に気が付く事が出来たのかもしれない。
最初はわらわと同じ敵意の目だったはずなのにある日を境に秋道のゆきに対する視線はがらっと変わった。
『ゆき本人はそなたの気持ちなどまるで気付いていないんであろうな・・・あれは今時継様の事で頭がいっぱいなようだから、好きなら好きではっきり言わないと何も伝わらないぞ。ゆきとゆっくり二人で触れ合う場など現状そうそう作れまい。だが、今この場を利用すれば作る事が出来る。まあ・・・そなたに霧島家を捨てる覚悟があればの話だがな。』
『・・・私は手荒な真似などはしたくありません。』
『手荒な真似などしなくてもよい。ただ、一芝居うつだけじゃ。』
『一芝居?千代様、一体私にどうしろというのですか?』




