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ヤバイっ!?
身体が浮き二人一緒に吹き飛ばされた瞬間、咄嗟に秋道さんが背中を包み込むように抱きしめて庇ってくれた。庭の木々が揺れて池の水も波打っている。
『・・・ゆき、大丈夫か?』
『はい、な、なんとか大丈夫です。って秋道さん怪我してるじゃないですか!すみません、私のせいで・・・。』
私を庇いながら庭の大木にぶつかったことで秋道さんの腕から血が出ていた。
『別にこれくらいなんて事ない、気にするな。それより、今の風は一体何処から?』
部屋に戻り傷の手当てをしながらさっきあった事を話し始める。青い光、地面に浮き出た落とし穴、満月の夜、そして前回時継様と見た時より光の強さや光が消える時の風の強さが大きくなっていたこと。
『では、次の満月の時にも先程と同じような現象が起こるかもしれないということか。』
『確証は無いんですけど、恐らくは・・・もしかしたら私が間違えてこちらの世界に落ちてきちゃったから、あの光の中にある空間がおかしくなっちゃったのかもしれません。私が、また同じように光の中に入って落とし穴に落ちればこんな事起きなくなるんじゃ・・・。』
言っていて身体が震えてくる。そんな事、自分はしたくないのに。
『大丈夫だ。』
秋道さんはそう言って優しく私の頭をポンポン撫でてくれた。
『ゆきに原因があるか決まった訳でも無いのだし不安になりすぎはよくないだろう。それにその光を封印する方法が何かあるかもしれない。次の満月までまだ時間はある。心配するな、なんとかなる。私も一緒にその方法を考えようではないか。』
私は兄妹がいないけど、もし優しいお兄ちゃんがいたらこんな感じなんだろうか・・・?
『私、秋道さんには迷惑かけてばっかりで・・・本当にいろいろありがとうございます。』
『私はゆきに・・・ここにいて欲しいからな。』
『え?』
さりげなく小さな声で発した秋道さんの言葉はこの時の私には届かなかった。
『・・・まあよい、とにかく今日はもう寝たほうがいい。時継様の件は私も協力するようにしよう。ほれ、床につきなさい。』
秋道さんに布団に入るように指示され寝転ぶとそのまま布団をゆっくりかけてくれた。秋道さんと一緒にいるとなんだか心が落ち着いて温かくなる。
『よし、これで寒く無いな。』
さっき聞き逃した言葉をもう一度聞き直そうかと思ったけど秋道さんは間髪入れずにそのままスタスタ自分の部屋に戻って行ってしまった。なんだったんだろ、まあ、いいか・・・。




