あるなろう読者の愚痴
お目汚し失礼します
私はこの「小説家になろう」というサイトが好きだ。
十年ほど前にネットサーフィンからこの「小説家になろう」へとたどり着き、それからは暇があれば新規投稿の小説を読み漁り、ランキングの巡回をしていた。
「転スラ」や「オバロ」など、名作と呼ばれる作品を今なお飽きることなく何度も読み返している。
しかしある時から、ランキングの巡回をやめてしまった。
それからしばらくたち、新作小説の確認もすることがなくなった。
今ではもうブックマーク小説の更新すら読むこともない。
個人的にたいした理由があるわけでもなく、ただ「なんとなく」食指が動かない。
自分にこれらをする時間的な余裕がなくなったのだろうか。
いや、以前より自由な時間は増え、スマホをさわっている時間は多くなったはずだ。
さらに、名作の読み返しはまだ止まっていない。
それとも新たな趣味が増えたのだろうか。
いや、特段ゲームをする頻度が増えたわけでもなく、文芸本への出費が増えたわけでもない。
ではなぜ、あれほど燃えていた「小説家になろう」への情熱がなくなってしまったのだろうか。
誤解を恐れずに言うならば、それはひとえに、純粋に「小説家になろう」で投稿されている小説がつまらなくなったからだと私は思う。
昔と比べて、どれ程多くの小説が「小説家になろう」に投稿されているだろうか。
昔と比べて、「なろう系」と呼ばれる小説はどれ程増えただろうか。
母数が増えれば、凡庸な作品が増えるのは当然。
ランキングの肝となる加点式の評価システムも非凡な作品を隠してしまう要因だろう。
最近のランキングは「追放」や「ざまあ」など見慣れた単語が列挙されている。
似たような題名に似たような展開、長い題名がその作品を読んだ気にさせる。
昔の方がよかった。
この思いは、老害のノスタルジーなのだろうか。
ほならね自分が作ってみろって話でしょ?
小説という一つの作品を産み出している作者様方には頭が上がりません。プロアマ問わず。