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6.5

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「これ、頂いても宜しいですか?」

「鼻でもかむの?」

「これで紙ヒコーキを作ろうと考えているんです。いいですか?」

テトゥラァナは渾身の力を出しキラキラとした目で訴えかける。

「え?紙ヒコーキ?」

貴族の令嬢が紙ヒコーキを作ろうとしている。

そこにリングドースは面食らったかのように、静止した。


「どうしたリングドース。なんというか…まるで屍のようだ」


ワーレンは固まった彼に何と言えばいいか考え、やっと頭に浮かんだ言葉を言った。


「兄さんこういうときは“鳩が豆鉄砲をくらった”って言うんだよ」

リングドースはなぜ弟の自分が兄に言葉を教えているのだろうとわけがわからなくなる。

ため息をついてソファに横たわった。


「どうした新聞を持って読まないのか?」

「ええ」

「鼻紙に使うのか?ところで一体何を話していたんだ?」

ワーレンはテトゥラァナに状況を説明してほしいと言う。

「大した話ではないと思うのですが、私は彼が読み終えた新聞を頂きたいと言ったのです」

テトゥラァナの説明でなんとなく理解できたワーレンは納得したように頷く。

「なんでそんな短い話で得出来るのかわからない」

リングドースは二人に聞こえるか聞こえないかの声で呟いた。


「だがそれでどうしてああなった…」

「紙ヒコーキを作りたいと言いましたらあの状態に」

ワーレンはようやく謎が解ける。


「わかったリングドースは貴族である君が紙ヒコーキを作りたいと言った事に驚いたんだろう」

「そうなんですか?」

さすがは兄弟、互いの思考がわかるのだろう。


「そうだよ。くだらないと言いたげだね」

「ああなぜ紙ヒコーキくらいでそこまで驚いたのか理解できない戦車や大砲、電動サーベルだったならわかるが」

いい加減話題を変えたい彼のことなどお構いなしにワーレンが話を引き延ばす。


「新聞で戦車や大砲が作れるはずないですよ」


「「そういう意味じゃない」」


「皆で作りましょう楽しいですよ紙ヒコーキ」

テトゥラァナが取り出したのは棒をとりだし、カチリという音と共に光る棒状のなにかが飛び出した。


「ほんとうに紙でできているのかいや、いいのかこのネタは」

「マウスで描いた人にペンタブで描いたのか聞くくらい失礼だよ」

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