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人狼  作者: 枯野
序章終幕
6/13

日常会話

前の一話とこの話はギャグパート的な要素が強いです。

そんなこんなで第五話です。

憎たらしいほどのギャルゲ主人公補正かかってますが、そんな彼の歪んだ日常も段々と崩壊の予兆が見え始めてきました。

 俺⇒先輩 TEL

 トゥルルルトゥルルル……

 少ししてから電話がつながった。

「はい、もしもし千条奏です、どちら様ですか?」

「もしもし先輩、俺ですよ」

「……? オレオレ詐欺の人かな? じゃなかったら掛け間違えですよ~」

「ディスプレイ見ろや、コラ!」

 相変わらずふざけた人だった。まあ、そこを含めて可愛いのだが。

「冗談! わかってるよ、零志君が放課後に用事だなんて珍しいね。

 おねいさんが何でも相談に乗っちゃうよ!!」

 なんか急に根拠のない自信を提示されてしまった……。

「あの……実はですね……」

「フムフム……」

 言いにくいが意を決して言葉にする。

「今晩、家に泊めてください!!」

「はにゃぁ!?」

 なんか今、電話の向こうでものすごい衝撃音がしたのだが……。

「センパ~イ、大丈夫ですか~? 何かが崩れる音がしましたけど」

「……きっ、急にどうしたのかな!?」

 必死に年上の威厳を保とうとしている先輩、可愛すぎます!

 残念なのは、俺の中であなたの威厳はすでにハシビロコウより下ですが……。

 俺は家族とのやり取りを説明した……。

 

「……何で一家揃って、鍵を持ち忘れるのよ。誰も鍵掛けなかったの?」

「我が家はオートロックです、防犯はバッチリ!」

「家の者が閉め出されてるけどね……」

「ってわけで、泊めてください。このままだと俺は公園で寝泊まりすることになります」

「家にはお父さんがいるんだよぉ~、零君殺されちゃうよ?

 この前、新しい日本刀買ったらしいし……」

 マジかよ……! あの親父、本格的に俺の(たま)殺り()にきやがった……。

「男には……負けるとわかっていても、やらなければいけない時があるんだ!!」

「その甲斐性を他で発揮してほしかったよ……」

 ごもっとも!

「でも、実際笑えないですよそれ……日本刀避ける自信はこれっぽっちもありません」

「むしろ、あったら困るよそれ」

 でも、あの親父とはいつか決闘フラグが見えるのは俺だけなのか?

「とゆうか、それなら零君がバイト先に泊ればいいんじゃないの? 

 いつもは涼子さんが一人で寝泊まりしてるんでしょ?」

「おお! その手があったか!! 気が付かなかったぜ……さすが先輩、俺の嫁!」

「ふにゃ!!」

 おお、また電話越しに何かが壊れた音がした……。

 先輩いじりは楽しいな。

「な、なっ、何を言っているのかなぁ~!?」

「いやぁ、俺は奏の作ったみそ汁を毎朝飲みたい!」

「………………もしかして、私のことからかってる?」

「いやぁ~、先輩っていじり甲斐があって楽しいですよね」

「先輩をいじらないでください!!」

 ブツッ、っと電話が切られてしまった……残念もうちょっと先輩で遊べると思ったのに……。

 とりあえず後でメールでお礼を言っておこう。

 

 ……よし、これでいいだろ。

 どの道、最初っからここに泊るつもりだったけど。

 メールを打ち終わって後ろの看板を振り返る。

『涼屋』シンプルな名前だが俺は結構気に入ってる。

 予備の鍵を使って中に入る。

 ……相変わらず、汚いな。


はいっ!あと一話で第一幕完結です。

このギャルゲテイストがはたして日常かどうか甚だ怪しいですが……

ってか、もうこの主人公、一人目の被害者にして早々にリタイヤさせちゃおっかなぁ~。爆ぜろっ、このリア充めが!!

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