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マイペース☆ファンタジー  作者: 風白狼
1章 旅立ち
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7.そろそろ休憩といきましょうか

 魔石を取り扱う店を出た後、私は地図の売っていそうな店を探した。地図だけを取り扱っているのかどうか分からなかったから、いろんな店を覗いていく。ついでに、今日の宿も探していた。

 そして、目的の店は見つかった。専門店ばかり建ち並んでいた宿場町に、これまた地図のみを扱う専門店があったのだ。紙でできた物から例の“()()(ばん)”もある。範囲も世界地図やこの国だけの地図まで様々だ。私は勧められた地図盤を見てみた。形は長方形で厚みは二センチほど、大きさは両の手のひらを広げたよりもやや大きいくらいだ。表は全て画面で、裏側は持ちやすさを考慮した凹凸がつけられている。いわゆるタッチパネルのようなものだが、魔力で動いている。私が興味津々で見ていたからか、店の人が受けのいい笑顔で近づいてきていた。その人は朽葉(くちば)色の毛並みをした狐の姿をしていた。

「どうですか、最新型の地図盤は?」

「すごいですね。動作も速いですし」

 店員の言葉に、私はお世辞ではない褒め言葉を返した。それを受けて、狐の店員は一層嬉しそうな顔をする。さて、買うにあたっては値段が重要だ。私は近くにあった値札を見る。この地図盤は2オウルだそうだ。確かに値が張っている。とはいえかなりの便利グッズだし、何より今は先ほどの臨時収入がある。後々必要になるのだから、買えるうちに買っておいた方がいいかな。という訳で私はその地図盤を頼んだ。棚に置いてあったのは見本用だったので、店員は奥から手を触れられていない新品を持ってきてくれた。私はそれを購入し、軽い足取りで店の外へ歩いていった。



 スキップでもしそうなほど軽やかな足取りで向かったのは、事前に予約しておいた宿屋だった。あまりお金を掛けたくないので古びた宿屋にしたのだ。といっても、不快すぎない場所である事は確認したのだが。

 部屋に入り、靴を脱いでござの敷かれた床に座る。次はどこに行こうか、という思いは、窓の外の光景によって砕かれた。外はごうごうと風を伴うスコールだったのだ。慌てて建物に避難する人がいる――訳はなく、道には誰もいない。時刻は夕方。いつもこのぐらいの時間にスコールが来ることは分かりきっているので、先にみな中へ入ってしまったのだ。この大雨の中出歩く意味もないし、私は宿でくつろぐことにした。

 体を洗って汗を流し、私は風呂に浸かった。恐らく様々な種族を考慮してだろう、深さや湯の温度などが違う浴槽がいくつかあった。部屋の隅には蒸し風呂もついている。私は自分に一番合っていそうなものを選び、温かいお湯に包まれる。ずっと野宿だったので何だか懐かしい。やっぱ、時々入らないと参っちゃうな。本当は毎日入りたいけれど、こういう旅では仕方がない。次いつ入れるか分からないぶん、私は入浴を楽しんだ。



 部屋へ戻る頃には夕食ができあがっていた。旅商人の交易で手に入れた食材を使っているらしく、私は見た事もない食事に舌鼓を打った。ホクホクの焼き魚やスパイスのきいたジューシーな肉、色とりどりの野菜でできた煮物など。一応自分でも料理はできるのだが、専門の人に作ってもらう料理は断然美味しい。一人では多いかと思ったけれど、空腹にどんどんと入っていった。

 すっかり食べ終わって布団に入る。うん、やっぱりお布団サイコー。明日は雨具でも買おうかな、などと考えつつ、私は眠りについた。

ようやく一日が終了しました。遅いのはご愛嬌ということで。


気付いた人もいるかもしれませんが、今満月(デュライア)がいる場所は熱帯気候という設定です。時折訪れる森はもちろん熱帯雨林で、以前出てきた草原はサバンナの事ですね。

熱帯雨林気候だから夕方にスコールが降り、靴を脱いで部屋に上がる習慣があるのです。

靴を脱ぐのは、雨が多い気候のため地面がぬかるみやすく、靴が泥で汚れやすいからです。

また、水が豊富なので湯につかれる、という事になっています。

そういうところは私達の世界と一致させた方がリアリティが出ると思いまして、描写を入れました。

少し気候についても考慮していただけると、新たな発見もあるかもしれません。

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