鶴丈中の天才!
ーーー鶴丈中。それは、不良中学と名高い中学校。授業中に抜け出す生徒は数知れず、学校にスマホを持ち込むなんて当たり前。心労で辞めていく教師も多く、鶴丈中に配属された教師は、家族と別れの盃を交わすほどであった。ーーー
そんな鶴丈中に、天才がいる。誇張表現ではない、本当に天才がいるのだ。定期テストは学年一位、成績はオール5。テストでは90点以下をほとんど取ったことがない。そんな言わずと知れた天才の名は。
「おい、見ろよ、あそこにいるのって、」
「ああ、学年一位の、」
「「齊藤さんだ!!」」
(、、、めんどくせーーー!!)
今、心の中で叫んだ彼女こそ、鶴丈中の天才、齊藤紗穂である。
紗穂は、後悔していた。ものすごく後悔していた。
(本当はこんなはずじゃなかったのに!!学年一位を取ったばっかりに!!ばか!じぶんのばかーっ!!)
ーーー元はと言えば紗穂は、こんなに目立つ予定ではなかったのだ。趣味は読書。ボブの髪、メガネといった目立たない容姿。もともと人付き合いは苦手だ、友達もいない。、、、つまり、何もしなければ全く目立たない、いわゆるモブキャラのような人としてただ静かに学校生活を送る、その予定だった。だったのだが。
(まさか、入学式の日に、抜き打ちテストがあるなんて!!)
その抜き打ちテストで、まさかの学年一位をとってしまい、しかもそのテストの順位が、全学年が使う靴箱にでーーん!!と張り出されてしまい、、、というわけで、紗穂は、「学年一位の人」「天才」という肩書きをもつようになってしまったのであった。




