表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界召喚されたんだけど、なんか様子がおかしい  作者: よく知らんロボ
第一部 異世界召喚されたんだけど、なんか様子がおかしい

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

85/91

85

 つかつかと俺の前に出てきて星澪ほしみおの顔を上から見下ろし、鋭い目付きをさらに鋭くしてガン飛ばす牌谷さん。


 星澪も負けじと眉間にシワを寄せ、下から睨み返している。


 まさに一触即発。


 ここは少しの間、彼女にお任せしようか。俺には星澪の相手は無理過ぎる……。


『絶影を解除』

『身体強化【S+】を解除』


 そしてまだ何があるか解らない、今は省エネモードにしておこう。ここで止めておけば三種強化モードをまだあと三、四分くらいは発動できるはずだ。


 なんて考えてる間にも数秒続いていた睨み合い、その口火を切ったのは星澪だ。


「ねえ、今なんか言った? おばさん(・・・・)

「あぁ? 幼児体型のクソガキが舐めた口聞いてんなよ?」

「はあ? 発展途上って言葉知ってる? あんたあっちの陰キャキモサピエンスより馬鹿そうだけど生きてて大丈夫そ?」

「カッチーン。ウチのこと言うならまだいいけどさぁ、クロくん悪く言うのやめろやチビカスおい」


 互いのおでこがくっつくかと思うほどの距離で、巻き舌混じりに凄みまくる牌谷さん。

 なんと言うか初めて見る一面だ、元ヤンか……? いや十八歳だから現役でもおかしくない年齢ではあるか。

 魔王に言い返していた時も十分迫力あったけど、あれでも抑えてたってことか……取り敢えず恐すぎる……。


 そんなイカつい彼女を目の前にしても、星澪は星澪で全くひるむ様子がない。何なら「ウィークポイント突いちゃいましたぁ?」くらいの薄ら笑いすら浮かべている始末。


 ひぃぃ、マジでどっちもおっかないぃ。


 でもビジュアルだけはマックス過ぎるキャットファイト……、これは動画に納めなくては。

 現代人の悪い癖だけども、観客が一人では非常に勿体ない。後世に残さねば。

 いや、ダメだ。そもそもスマホがない。

 …………そうだ!


『エル、スマホみたいな形になれるか?』

『ん、スマホ? ああ、地球の多目的通信情報端末か。僕の形は特に決まってナイからネ、四角くナルくらい楽勝なんダヨ。ホラ』


 そう言うとエルはパタパタと羽ばたきながら俺の手元に飛んできて、長方形につぶらな目と小さな羽のついたスマホっぽい形に変形した。

 

『エルならこの光景を鮮明に録画できるだろ』

『なるほど、悪くない案なんダヨ』


 クックック、エル、この女好きめ。

 

 俺はエルカメラを縦持ちに構えて二人の側面に回り込んだ。


 よし撮影開始だ。


「え、あれ、あれあれ、もしかしておばさんアレのこと好きなの? 見た目完全に陰キャ、チビ、ブサイクの非モテ三種の神器を全部装備しちゃってる感じだけど大丈夫そ? ちょっと待ってよおばさん結構美人なのに男の趣味悪過ぎるってアッハハハハハハハハハハハ!」


 星澪、腹を抱えて爆笑。


 誰が非モテ三種の神器男やねん……!

 い、いやいやそれよりも。牌谷さん……そうなの!?


「いや、別に好きとかじゃ……ないし……」


 急にトーンダウンする牌谷さん。


 ですよねぇ……。うん、知ってた知ってた。


「いやでも別にクロ君はブサイクじゃないから! 人並み外れて地味なだけだから! 大体男は顔じゃねえだろうが!」

「えーやっぱ好きなんじゃーん! せっかく美人なのにアレが相手じゃ遺伝子の無駄遣いだよぉやめときなってぇ」


 あれぇ、二人が喧嘩してる筈なのに何でさっきから俺のメンタルがゴリゴリ削られているんだろうか……。

 あれ、なんか視界がにじんできたな……。

 こらえろ、俺。ここで泣いたら負けだ……。


「いや、だから、好きとかそう言うのじゃなくて……尊敬できるって言うか、凄い人って言うか…………あぁもうダメだ! このクソガキぶん殴る!!」


 とうとう牌谷さんがぶちギレたようだ。


 舌戦(?)は星澪の勝ち、なのか……。


 操血を右拳にまとわせ、形成したのは西洋手甲のような赤いナックルグローブ。

 あ、結構本気で殴るつもりだ。


「やれるもんならやってみなさいよ」


 その様子を見ても、星澪は相も変わらず物怖じ一つしていない。


「てめぇクソガキ、ウチがやらないと思ってる? 女の顔なら殴り慣れてっから」


 なるほど、今の発言で牌谷さんはヤンキー確定だな。


「たかが白スキルがエクストラスキルのアタシに敵うとでも思ってんの?」

「今のウチはねぇ、ちょっと凄いよ!!」


 うん、確かに。強化状態の牌谷さんはエクストラに匹敵すると言っても過言じゃない。さてこれどうなるかな。

 止めた方が良いんだろうけど、うーん最後まで見たい気もするなぁ……。


 牌谷さんは怒号と共に腕を引き、拳を繰り出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ