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勝負する理由

 ボクたちは夏の大会に向け、放課後はグラウンドで汗を流し、日が暮れてからはD型ハウスでのトレイニングによって文字通り、野球漬けの日々を送った。

 オヤジからは、活きた球の匂い、空気や間、試合勘は、ボクシングでいうところのスパーリングの積み重ねだと指導を受けた。

 各々、自主的な鍛錬、努力は怠らずに。インナーマッスル、いわゆる見た目の大きな外側の筋肉ではなく、身体の奥にある筋肉を鍛えろということだった。比較的軽いダンベルで、肩の関節や肘、膝などを短時間、疲労しない程度にトレイニングした。怪我をしないように、柔軟運動は欠かすなとのこと。それこそが運動にとって必要な準備でありトレイニングだと、オヤジは専門家が如く息巻いていた。

 今では、ここに集まった連中ひとりひとり見ても、高校のスカウトなら惚れぼれすることだろう。プロ野球のような、専業にさせるのは勿体ない逸材ばかりだ。

 走ってよし、守って良し、打って炸裂、投げて強烈、度胸爆裂、態度は猛烈、会って驚愕、不良としても別格。最悪だ、不良品だなんて誰も言わないだろう。ポテンシャル、フィジカル、テクニック、パワー、スピード、メンタル、モチベーション。どれをとっても、高校生のレベルでもハイクラスに属されるはずだ。

 小学生の頃がどうだとか、中学生の頃は不良だったとか、関係ない去りゆく過去。

 今どうであるかが大切、ここにある現実がすべてなんだ。成績優秀な優等生や、誰よりも努力した者だけが、甲子園に行ける訳でもないんだ。

それにプラスした、オヤジ独自の理論に基づいた奇策。

 全員左打ちで、出塁率を考慮する。相手のエースを序盤から疲労させるファウルカットでの出塁。。徹底した左中間への流し打ち。

 ピッチャーは、一巡で交代する。変化球で球を上下左右に動かしながらカウントを稼ぎ、セットポジションから、リズムよくポンポン放り込めば、バッターの余裕などなくなる。

緩急の極み、球速の残像を魅せてからのワンダフル・ボケナス・チェンジアップ。オヤジ曰く、WBC。

 もちろん、基本も付け加える。

「大抵の奴らは、勝ちを意識するが故に、打ち急いでくるもんや。勝ちたいと焦ってくる奴らには、負けなけりゃいいだけや。必然、勝利は転がってくる」

 投手は、カウントを最大限に利用すること。

つまりは、スリーボールになるまで勝負を焦らず、ストライクコースに投じることを禁止した。コントロールを鍛えたピッチャー陣は、例えスリーボール0ストライクであっても投げ損じ、フォアボールになることはないだろう。基本中の基本、アウトローへの制球は常に練習している。

 打者に至っては、打った後の一歩が、右打者に比べ三歩以上も違うことを理由に、ボテボテの当たりでも内野安打になる可能性があるため、一塁への全力疾走は必須。ゴルフでいえば、レディースティーから打っているようなものだ。

スコアブックの(ヒット)に、良いも悪いもない。ルールブックに内野安打はヒットではない、などと書かれてはいない。剣道に例えるなら、面や胴ではなく、小手でも一本は一本なのだ。基本のど真ん中、出塁を常に考えることを徹底する。

 守備位置に関しても、オヤジには秘策があった。

 投手がズバ抜けているヅベ高の飛球は、外野にすら届かないと踏む。

 センターを極端な前身守備で、セカンドベース後方に配置する。レフトとライトの両翼を、センター寄りにする。内野のショート、セカンドは深く守る。肩のいい連中だ、後逸さえしなければ、間に合う計算なのだ。サードとファーストは極端なベース寄りで、少しだけ前身守備を敷きいる。ラインぎりぎりを抜かれないためと、一定方向のフィールド内に集中できる配慮とのこと。常に前進、横に動きまくる。

 理論上での策も加えたボクらは、プロにでも勝てる気がする。個性の掛け算で、自分たちの力以上のものが発揮できる予感があった。

 それよりもボクは、生きた球を打てることが楽しかった。昔からの仲間たちと練習できることが嬉しかった。野球をしている喜びを噛みしめられた。

「いってみれば、プロレスや。大人の勝手な野球の固定概念を崩して、オドレらの個性と実力をぶちかましたれ」

 オヤジの野球は、正々堂々としていないのかもしれない。でも、それがどうしたの? 姑息な手段といわれるかもしれない。ズルしている訳じゃないんだ、それが? 何色にも染まらない断固たる自分でいて、何色にも勝るほど輝く確たる自分がいればいい。

 敗けるわけにはいかないんだ、青春は二度とやってこない。

 甲子園も、ボクにとってみればチャンスは、残り一年ほどで、数回しか残っていない。ボクらの光輝く高校野球の青春は、人生のほんの一瞬でしかないんだから。

ましてや、ボクは女子だ。モグリで甲子園を目指しているのだ。バレて棒に振ることなど、あってはならない。

 野球でプロになって、将来ご飯を食べるつもりなんて更々ない。

 女子のプロ野球に誘われても、食べていくことすらままならず、年齢だけ重ねて失業していくなら、最初から行かない方がいい。メジャーリーグで稼いで、大金持ちになるといった根拠のない過信もしないし、自惚れもない。日本のナショナルチームの女子ソフトボールは世界一になるほど素晴らしいけれど、実業団で食べていけるほど世間は甘くないと知っている。なにより、野球からの転向は、ボクにとってありえない。

 だからこそ、情熱と心血を野球に、青春という一瞬に注ぎ込む。

 正直、このメンバーなら力勝負の真っ向からやったって、どこにも負ける気はしない。

でも、何が起こるかわからないのが野球だっていうことも知っている。全国に出ればもっと凄い高校球児がいるってことも知っている。一回敗けてしまえば、そこでジ・エンドだということも。

 これで勝てないようなら、諦めるしかない。ボクの野球人生は終わりだと、野球を辞めるしかない。女子なんだから最初から無理だったんだ、そう言われても仕方ない。

でもここまできたら、こんなメンバーでやれるなら。それだけで充分に思える。

 普通の女の子のように恋をして、お洒落にも気をつかって、楽しい青春もあったはずだったろうけど、ボクは違う。女子でやっている不安や後ろめたさは拭えないけれど、後悔だけはしたくないんだ。誰に何を言われようが、構わない。

野球が好きなんだ、甲子園へ行きたいんだ。夢中になって走ってきた自分に嘘をついてまで、違う人生を選択しようとは思わないんだ。

 野球は、ひとりじゃできない。最低でも、九人いなければゲームにさえ出場できない。

そのメンバーがグレていようが、ヤンキーだろうが、『最悪の世代』だと呼ばれようが、凄い選手の集まりだったら、大人はどう思うのだろうか。

 表面だけしか見ることができない連中に、一泡吹かせてやろう。ボクたちの青春で、ざまあみろと舌を出して、高校野球一〇〇年の歴史に刻みつけてやろう。

 ボクは野球部名簿では、記録員として登録されている。試合に出る時は、正式な野球部員に名を連ねている三年生ピンコさんの名前でこっそり出場する予定だ。

 夏の高校野球選手権大会の支部予選は、六月の中旬に始まる。

不安だらけだけれど、ここまできたら後には退けない。

 ボクは、白球が真っ青な空に浮かぶ大きな雲に消えていく妄想をずっと続けてきた。

 それは、堪らなく野球が大好きで、野球ができる環境を今までずうっと望んでいたから。ボクが女子である以上、不安はずっとつきまとうけれども。その不安はやっぱり、どこかでミッキーがいないことからきているかもしれない。


  ※


 強さって何だ? 勝つって一体なんだ?

 いつも、なにかにイラついていた。その正体すら分からず、ひとりぼっち孤独を感じていた。強くなればなるほど、ひとりになる。勝てば勝つほど、誰も近寄らなくなる。なんの温度も感じなくなった。

 もう、そんなことには慣れた、だけど。生きてることにさえ意味がないよう感じていた、けれど。

 中学校に上がると、玉遊びの野球なんか辞めてやった。

人生や青春を、スポーツや野球ごときに捧げるなんてバカげていると思ったからだ。

 ガキの頃から一緒にやっていた大谷カズキのような天才少女に誘われても、カズキのおやっさんに頭を下げられ頼み込まれてもだ。

 だって、そうじゃねえか? 強えヤツと組むってことより、オレは強えヤツに勝つことにしか興味ねえんだから。

野球なんかしないで、拳で男を上げることにした。仲間なんかいらねえ。スポーツなんかの勝敗よりハッキリしてるし、負けたヤツは二度とオレに逆らってこねえんだから。

 オレん中の残虐で冷酷な血が、勝ちを欲していた。相手の血を見ることで、勝ちという欲求が満たされた。手にこびりついた相手の返り血だけ、生温かく感じた。

 なんの因果か野球をやっていた素質ある連中、シニガミも、黒ヒゲも、ジョーも、サリーも、ハクも、シニアチームには属して野球はやっていたが、グレて不良になったらしかった。

 面白え。今度はケンカで、お前らに勝ってやるわ。

『黄金世代』といわれたオレたちは、各中学校に散らばり、『最悪の世代』なんてレッテルを貼られ、大人たちは煙たがるようになった。

 オレは、そのど真ん中にいる。

 言いてえ奴には言わせとけばいい、そんなもの知ったことじゃねえ。そんな大人ですら力でねじ伏せてやりゃあいいだけだろ。全てに、全てが、クソくらえと思っていた。

 どうしようもねえ怒りや苛立ちの矛先を、他人に向けた。目が合うヤツを手当たり次第ぶん殴った。下級生で生意気だと聞いたヤツは片っぱしからヤキをいれ、街で会う高校生を、年上だとしても一方的にボコボコにしてやった。

 それでも、なぜか気は晴れない。

 なぜなら、オレに刃向かって殴り返してくるヤツが、ひとりもいなかったからだ。誰ひとりとして、オレに勝とうとせず逃げていく。中学の先公に至っちゃ、腫れ物に触るかのようオレを避けていた。

 こんなオレだ、かかってこい。そして、誰かオレをボロボロにしてみろ。痛めつけてみろ。

 黒ヒゲはアホなのか、自分から二度もやってきた。当然、返り討ちにしてやる。シニガミとは、街でバッタリ出くわして路地裏でボコボコにしてやった。

 そいつらに勝ってもオレの心は、まったく満たされなかった。

 むしろ、虚無感や罪悪感のようなものに苛まれ、野球で勝ったような喜びが湧き上がってこない。孤独の壺に満たされるようなものは、何も入ってこない。どんどん枯れていき干からびていくような虚しさがあった。ただでさえ臭い排水溝のヘドロが干からびて、余計に悪臭を漂わせるような匂いが、胸の奥にあった。

 本当は、いつも心で泣いていた。どんどん人間ってものがわからなくなっていく。

 ヤクザご用達の彫師を訪れ、ガキに彫らないというのを拝み倒して、肩から手首まで和柄の昇り龍をあしらった刺青をいれた。オレが生きている証しを、痛みと決して消えない青紫色の傷で残しておきたかった。いつまでも忘れないよう身体に刻むことにした。

 ひとりで生きていく覚悟を、刺青といった反社会的な皮膚の色で示しておきたかった。これで野球なんかできっこない、もう後戻りなんかできない。

 そんな両腕の肌の色を変えた、中三の夏。

 北見に一軒だけだった百貨店、東急デパートの閉館前日の屋上遊戯広場にオレはいた。

 久しぶりに涼しく、音のないどこまでも高く広い空を眺めながら、象さんの乗り物に腰かけ、タバコを吹かしていたら因縁をつけられた。

「お前がミッキーって、ビッチか」

 そいつは血走ったような、それでいて涙ぐんでいるような眼をしていた。同じ匂いすらした。

「なんだ、手前ェ」

「俺はミッキーとかいう奴かって訊いてんだよ」

「ビチビチ、うるせえな。だったら、」

 立ち上がろうとしたオレは、今まで味わったこともない強烈な拳を顔面に喰らった。

 意識が、ぶっ飛びそうになった。立て続けにパンチの雨がオレを襲ってきた。雨じゃない、全てなぎ倒すような嵐だった。

 とてもじゃねえけど、耐えられない。吹っ飛ぶほど思い切り殴りつけられ、オレは地べたに、ぶっ倒れてしまった。絶対に勝てねえ。

 ちょうどいい、このまま殺してくれ。初めての負けで死ぬなら、本望だ。

 なにもかも面倒臭え。オレの葬式で泣く奴もいないだろうし。なにもかもウゼえ、忘れてえ、消し去りたいんだ。

 そいつは倒れたオレの胸倉を掴んで、にたりと笑った。「つまんねえもんに振り回されやがって、ガキが。サノバビッチ!」

 そいつの後ろに懐かしい顔があった。「どや、ミッキー。目が覚めたか」

 カズキのおやっさんだった。

「彫りもん入れたかて、強くなった気でいるのか知らんがの。いい仲間が揃っとるんや、富士山どころか、エベレストまで登れるで? また一緒に野球やろうや、のう」

 全てを見透かしているような、慈しみ憐れんでいるかのような目だった。

「いつでも待っとるで、ほな」

 打ちのめされた悔しさはあったけれど、どこか変な気分だった。

 おやっさんとピンコが去った後、大の字になって高い空に浮かぶ真っ白な雲を、辺りは暗くなり、目に映る全てが灰色に変わっていった閉店時間まで、ずうっと眺めて考えた。

 オレの孤独は埋まらない。負けたからだろうか、いいや違う。オレはひとりで生きていくことに決めたんだ。身体に刻んだ刺青のように、もう何もかも取り返しのつかない、後戻りできないものと知っているから。

 心臓が凍りついた。カズキのおやっさんが、また野球をやれといった時。凍っちまった心臓を金槌でぶん殴られ、割られたような気分だった。バリンと胸の奥にガラスの割れたような音が聴こえた。

 なぜだか目頭が熱くなって、頬に涙が伝った。

 生傷のように、かさぶたにもならない苦い記憶が脳みそにこびりついている。

 カズキが小学生最後の大きな大会、支部予選決勝までオレたち北見ファイターズは駒を進めた、あの試合。これに勝てば、全道大会に行ける。対戦相手は、海江田コウキ率いるひかり野イーグルス。今まで一度も勝ったことがなかった。

 互いに譲らず、一進一退の攻防だった。

 オレも打たれはしたが、ホームは踏ませない。カズキもコウキを打ち損ねてばかり。

 そして、0対0の最終回。オレは、三塁にランナーを背負った一打逆転サヨナラの場面で、海江田コウキと対峙することになった。

 塁が空いていることから、ベンチの監督からは、敬遠の指示がでた。

 そのサインに、オレは変な違和と嫌悪を感じた。マウンドのプレートに唾を吐きかけた。

 すかさず、カズキはタイムをかけてマウンドにきた。

「どうする、ミッキー?」

「……どうするって、なにが?」

 カズキは、いつものようにこやかに微笑んだ。「監督はああやって言ってるけど、小学生で敬遠なんておかしいとボクは思うの。勝負しない?」

「はァ? 打たれたら終わりなんだぞ。カズキにとっては、最後の、」

「これで、野球をすることが終わりなんかじゃないよ。なんか、コウキから逃げるみたいじゃない? ズルしてるみたいで、ボクは嫌なんだよね」

「……勝負するってのか?」

『ミッキーよ! 勝負したれや、男やろ』

 応援席から、大声を張り上げるカズキのおやっさんがいた。

 オレは、カズキとおやっさんの言葉で励まされた気分になった。

 そうだ、違和感があったのは、逃げてまで勝つということ。プレイしているのはオレたちであって、その責任を監督は背負う気などないくせに、真っ向からの正々堂々とした指示ではなかったこと。

 これは、オレたちの試合だ、敬遠で逃げるのは、卑怯な手口に思えた。それ以上にオレを信じていないよう思った。カズキだけは、オレを信じてくれていた。

「オヤジもああ言ってるし、ど真ん中でいこうよ、思い切って」

「……いいのか」

「うん。大丈夫だよ、ミッキーなら」

 カズキとは、ガキの頃から遊んでいた。キャッチボールは、ずっとカズキとだった。

 今では、北見で一番のバッテリーだと思ってる。この先もカズキと一緒にやれるなら、誰にも負けない気がしていた。信頼を超え、愛情みたいなものすら感じていた。正直、女として意識し始め、恋愛感情みたいな気持ちも芽生えていた。

 カズキを泣かせたりしねえ、女は絶対泣かせねえ。

 打たせない、絶対にカズキを全道へ連れていく。根拠は、ちっぽけな自信とたったひとりしか立てないマウンドを任された責任感くらいしかなかったけれど、敗ける訳はない、抑えられる気がしていた。

 おもいっきり投げた。

 力んでいたのに気付いたのは、ボールが指先から離れた後のこと。その球は、カズキのミットに収まることなく、大暴投になりバックネットへ突き刺さる。

 三塁ランナーが、両手を挙げながらホームに帰ってきた。

ひかり野イーグルスの連中がホームベース近辺に集まり、カバーに入ったオレを取り囲むよう歓喜に沸いた。

 後ろに逸れ、追いかけても意味のないボールを、カズキは必死に追いかけていた。

 オレの勝手さ加減や、零れた失意を拾いに行ってるかのよう見えた。その空しい後ろ姿が辛かった。サヨナラ敗けという言葉が、ずしりと胸の奥に斧でも突き刺さったかのよう、自惚れていた自信を粉々に砕いた。

 オレのせいだ。オレのせいで、負けた。

 試合に敗け、泣きながらもカズキはずうっと慰めてくれたけれど、オレはカズキとそれから口をきくことはなかった。

オレのせいなんだから、ど真ん中にすら投げられなかったオレが悪いんだから。

 オレは、女を泣かせてしまったんだから。

 それからのオレは、全てが嫌で面倒になった。野球も、自分も、生きることさえも。

 野球から逃げた、カズキから逃げた。

 なぜか? 理由は簡単だ、オレがカズキを守ってあげられなかった、クソみっともない情けない男だから。格好もつかねえこんなオレが、今さら野球をできる訳がない。格好悪いオレをさらす訳にはいかない、そんなオレは、オレが許さねえ。

 それに、あいつは女なのにオレより優れている、オレなんかじゃ勝てないと知っているんだ。オレに勝る女子、女にすら勝てないオレが、野球をやる訳にはいかねえ。オレの面子が許さねえ。どうしようもないこんなオレが、どの面さげてカズキとまた一緒に野球なんかできるってんだ。

 負けるってなんだ。弱さって一体なんだ。誰か教えてくれ。

読んでいただき、ありがとうございます!

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