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Dear my friend  作者: 万寿実
第五章 lose color
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21限目 冬休み

この物語はフィクションです。

登場する人物・団体・名称等は架空のものであり、実在のものとは関係ありません。


 Dear my friend.

 It's only been a few days, but I feel like I haven't seen you in a long time.




 *****



 冬休みになり、課題をこなしながら過ごす。たまに咲希たちと遊びに行くことはあるが、出かけるのは本当にそれくらいだけだった。


 以前のように秋元と共に吉田の病室へお見舞いへ行くことも無く、連絡を取り合うことも無く過ごしていた。



 二学期終業式の日、吉田の入院する病院の一角で秋元と吉田のバンド──colorのライブが行われた。

 初めて聞く二人の音楽はとても凄くて、ギターの弦を弾いて生まれる音で秋元は様々な世界をつくりだし、吉田の声でその世界に魂を宿すかのようだった。


 本当に凄くて、没頭してしまうほど楽しくて仕方のない時間だった。


 そして、その日の帰りに吉田の気持ちを知った。



 私にとって吉田は同級生で、友達だった。1年生の放送委員のときは本当に大変だったけど、吉田とだからこそ大変な1年を耐え抜いて仕事を全うできたとも思っている。


 時に頼って、一緒に勉強して、愚痴をきいてもらったり……今思い出すと本当に楽しかった。どんなことを話したのかなんて思い出せないけれど、それでも吉田がいる放送室が楽しかった。


 秋元と選択Bで出会って、吉田のことを知った時はただただ驚いた。でも秋元のように何かを吉田のためにできたことはないし、私はただ秋元という同級生と一緒に放課後の延長のような時間を過ごすことしかできなかった。


 吉田の病気が良くなってほしいと心底思うし、学校に戻ってきて一緒に学校生活を送りたいと思う。きっとそれは楽しいものだろう。



 でも、こうして思う私の気持ちや感情はただの友情なのか恋愛感情なのか……。


 私に向けてくれた気持ちと同じものを、私も持っているのだろうか。


 私は吉田が好きなのか……、自分のことなのに吉田と過ごして楽しいと思う、この気持ちが何なのか分からない。


 今まで恋愛という恋愛は特にしてこなかったし、片思いなんてものも特になかった。同級生がカッコイイと騒ぐ先輩や、クラスで人気の同級生、そういうものは今まで聞いたり見た事はあったが、いつもそれは他人事でしかなかった。


 誰かに好かれたことも、誰かを特別に好きになったことは無い。


 咲希が辻本に向ける気持ちも分からない。



 私は吉田のことをどう思っているのか。

 単なる友達なのか、それとも特別な感情があるのか。



 そんなことを冬休み中、ずっとぐるぐると考えて時間だけを溶かしていっていた。



 何度か秋元からは病院へ行くかと聞かれたが、予定もないのに予定があると断って吉田に会うことを避けていた。

 秋元から携帯に届いた、ライブの日撮ってもらった写真も見ることが出来ずに過ごす。



 いっそのこと、何も無かったかのようにいつもを装って吉田の所へ行った方が良いだろうか……そんなことを考えたが、行動に移せなかった。


 どうしてだか、吉田に会うのが少し怖かった。



 なんでだろう、少し前まではどうでもいいことで笑って過ごしていたのに……。



 考えても仕方ないのに、考えてしまう。

 課題をしていても、咲希たちと遊んでいても、家族で過ごしていても……常に考えてしまう。


 本当にもう何なんだろう。





訳:たかが数日なのに、ずいぶん長く君に会えてない気がする。


安芸にとっては全く楽しくない冬休みです。

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