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第31話 ワンマンアーミー

最終回です。






 コウがブルームの大軍勢と会敵した頃、スピルリナ艦隊も各惑星を守る為に展開されていた。

 主な任務はレーヴェの撃ち漏らしと流れ弾への対処である。


「ノイント・エンデによる砲撃を確認、戦闘開始しました」

「さて……あの男はどこまで出来るのでしょうね」


 シオン王女もスピルリナ本星を守る為という名目で防衛線に参加しているが、どうしても乗り気にはなれない。

 今回のような事態を招いた直接的な原因がコウにあり、彼女らはとばっちりを受ける形だからだ。


「シオン王女、その……」

「分かっています。今回の事には事情がある、彼から喧嘩を売った訳では無いと言いたいのでしょう?」

「はい。それに以前は我々が彼を巻き込んでいるのですから……一度の迷惑程度、許容するのが我々の責務かと」

「一度、ねぇ……」


 オーラの言葉も一理ある。

 だが互いにかけられる迷惑は度を越しており、多少の文句も致し方無いだろう。


「あの彗星は何だ……?」


 レーダーの観測員が漏らした言葉。

 シオン王女の目配せでオーラが向かい対処に当たる。


「どうかしたのか?」

「いえ、異常に素早い動きをする物体をレーダーが捉えたのですが……動きがあまりにも不自然でして」

「この位置は……向こうの方か」


 その先には赤い軌跡しか残っていない。

 だがそこはレーヴェの戦闘地域であり、オーラはそこを高速で動く赤い物に覚えがあった。


「これは恐らくノイント・エンデだ……」

「何ですって? あの出鱈目な動きの物が?」


 クラルス決戦でもコウによる動きでは驚かされた。

 だが今回はそれ以上の動きで敵を片っ端から駆逐している。

 相手が人間でない分やりやすいのだろう。


「あれが、金獅子の全力……」


これまでの戦闘とは次元が違う、文字通りのワンマンアーミーだ。






――――――――――――――――――――






 戦闘はユーグ側が投入した全戦力の八割を失うという結果で終わった。

 一方のコウやスピルリナは大した被害を受けていない。


『まさかキミがここまでやるとはね……』

「多少の時間があれば改良位するさ」


 以前の実験でルナニウムクリスタルにエネルギー増幅効果がある事は判明している。

 流石に制御までは間に合わなかったようだが、加工してエネルギーを貯蓄する事位は出来る。


「それとな、悪いがあの武器はもう俺達以外に使えないように細工をさせて貰った」

『なるほど……これで僕が君達に固執する理由は無くなったと言う訳だ』


 張り付いた笑顔は相変わらず剥がれない。

 それどころか深みを増していた。


『次に会える時が楽しみだよ、金獅子のコウくん』

「二度と会うかよ」


 ユーグとの通信はこうして終了したが、前回のようにスピルリナからの通信が入る事は無くコウはネストでの作業に集中出来た。

 そしてブルームの死骸は意外な結果を見せている。


「栄養価は高かったらしいですね」


 だが地上での農作業が始まった今となっては二度と出来ない作戦だろう。

 ユーグの助言もあり、植物は狙った通りの育成具合を見せた。


「これなら何とかなりそうだな」

「ですね」






ここまで閲覧して頂きありがとうございます。

他にもいくつか作品を投稿しているので、そちらもマイページ等から飛んで見て頂けると幸いです。

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